電撃大賞

3作目改稿編①評価シートを見よう

 2024年2月26日17時頃、第11回OVL文庫大賞・第二ターンの一次通過発表が行われました。

 事前予想(自己評価)と実際の評価を突き合わせることで、自覚している/していない長所/短所はどこなのか確認していきましょう。




🔸評価シート事前予想(自己評価)

【キャラクター】3

 3人のラノベらしいヒロインを展開した。

 だがサブヒロインの掘り下げが足りず、個性が出しきれていなかったと思うのでここは『やや良い』程度の自己評価。1作目2作目どちらも『主人公のキャラがよくわからなかった』という添削をもらったことがあり、キャラ立ては苦手分野か。

【ストーリーライン】4

 今回、主人公やヒロインがひたむきに頑張る爽快なストーリー&描写や読後感の良さに力を入れたのでここは自信がある!

【世界観】3

 ラノベの定番現代学園ラブコメ×最近流行りのVtuberもの。よくある組み合わせをそのまま使ってみたので、良くも悪くもないんじゃないかな。

【構成】2

 後半がやや駆け足になってしまったり、サブヒロインの掘り下げが足りなかったりしたので、良い評価ではなさそう。

【文章力】2

 『ラノベらしい文章』には仕上げられていたかと思います。ただもう少し書き込みできたかな。




🔸実際の評価

【キャラクター】3

【ストーリー】3

【世界観】2

【構成】2

【文章力】2

【総合】12点/評価B -


 ③作目の魅力はキャラの軽妙な掛け合いだそうです。

 自覚していた欠点としては、キャラの個性が弱い・世界観を生かしきれていない。

 自覚のなかった欠点としては、テーマ性が弱い・ラノベらしい文章が下手・話の展開が単調といったところでした。




🔸感想

 前作(11回第一ターン)よりはOVLの求める『ラノベ』らしい形に落とし込めたと思って、手ごたえとしてはあと一歩で一次通過という感じでした。結果は安定の一次落ち。

 執筆時の目標も振り返ってみましょう。「ラノベの王道と基本を意識して、とにかく丁寧に書く!」「人間の描写に力を入れる!」は、裏目に出ていた気もしないでもありません。

 長所として「キャラクター同士の掛け合いが軽妙で読者を楽しませようという意識が感じられる。一つ一つの場面はしっかり魅力的に描けている」。短所として「全体の筋として設定に沿って出来事が並べられているだけで奥行きと深みが足りない」とのこと。

 前作よりうまく書けた!と思ったのに逆に評価悪くなってたこと、(編集さん激務だから仕方ないけど)評価シートの講評欄の文章が一部使い回しだったことに落ち込んでいます。

 前作は世界観でオリジナリティ勝負ができた&性癖全開で気合いが入っていたことに比べて、今作は王道に寄せた結果薄っぺらくなったり、粗が見えやすくなったりしたのかもしれません。


 私は卑下も自信過剰もなく、「自分は小説書くのあんまり上手くない」って思っています。

 それは周囲と比較した相対評価ではなく、自分の理想の5-6割のクオリティでしか出力できてないことによる絶対評価です。実際コンテストや新人賞では結果を残せていないし、忖度なしの添削所や公募の評価シートなんかでも「荒削りだが光るものはある」程度の評価。

 けれど、「私は下手くそなりに少しずつ上達している」という考えが心の支えでした。その支えが弱まってしまった。

 アニメ『ブルーピリオド』で、藝大進学を目指して美術予備校に通い始めた主人公が発した台詞「俺さ、自分に才能があるなんて思ったことない。でも結構上手くなったと思ってたんだけど、俺さ、ただの人なんだな」が刺さりますね。


 それでも、一作目は「そりゃあれは落ちるやろ……私が下読みでも落としてるわ」ってへらへら送り出していたことを思えば、落胆できるようになったことも成長なのかもしれません。

 批評をもらって「お前は未熟です!」ってボコボコにされて落ち込んでふらふらと立ち上がるたびに、自作を見る目が進化してる気がします。気のせいかもしれませんが。


 今年度は新人賞に応募しては評価シートをもぎ取った一年でした。

 では、果たして自分は小説家になりたいのか?

 Twitterで「小説家志望」を公言しているフォロワー達と比べると、自分にはそんなに強い情熱はないと思います。「なりたいなりたくない以前に、あんたの実力でなれるわけないでしょ(笑)」って私の中の冷笑諦観人格も顔を出します。でもうまくなりたい気持ちは本当なんだよね。

 これまた『ブルーピリオド』の台詞、「才能とかないかもしれない。でも俺今はこの瞬間全部をかけて絵を描きたい。もっとうまくなりたいしいろんな世界を見たい」に強く共感します。分野が違っても表現者の性質は変わらないのでしょう。

 私がラノベを書き始めるきっかけとなった相崎壁際先生(第13回GA文庫大賞・特別賞)も、Twitterでよくお見かけする志摩なにがし先生(第15回GA文庫大賞・大賞)も、受賞レベルに達するまで15作程度を執筆しています。こつこつ頑張っていくしかないんだろうな。地道だなー。(2024.02/29)

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