文フリ福岡9準備編

 さて2023年8月。

 ノベプラのHJテーマコンやカクヨムの学園ミステリ大賞など気になる公募はあったものの、1作目2作目とも「送ったはいいけど、こんなん高次選考に上げちゃダメでしょ……」という心境に陥ったので、まずは前作への落とし前をつけるべきと判断しました。

 そこで電撃大賞に応募していた1作目ミステリを納得いく作品になるよう改稿し、同人誌として頒布することにしました。


 というのも、筆者は2023秋に「文学フリマ福岡9」に出店予定だったのです。

 文学フリマといえば一次創作オンリーの同人誌即売会。普段創作同人界隈を軸に活動している筆者にとっては、旧知のTwitterフォロワーさんや新たな作品と出会う楽しいお祭りです。胸を張って参加できるよう新刊同人誌を用意しておきたいですからね。


 7月中にプロットを再構成し、8月から改稿開始。

・作品自体が地味(よくある話)→キャッチーなサドマゾヒズムプレイシーンを加筆

・第三幕やクライマックスを力技で閉じる癖がある、キャラの感情導線がぶれている →プロットを再構成し、伏線を張れているか確認する

・作者が興味ないキャラの掘り下げができてない→サブヒロインの掘り下げ加筆

・全体的に駆け足で地の文の書き込みが薄く、文章からプロットが透けて見える→応募時8.5万字から10万字まで加筆

 と改稿。



 セルフ改稿を終えた後、お盆休みの帰省中に某添削サービスに原稿を投下しました。

 添削民はURLを貼ればほぼ必ず読んでアドバイスをくれますが、代わりに遠慮なく辛口なコメントが飛んできます。

 最初は自分の作品が容赦なく斬られることを恐れ、足がすくんでいました。

 しかし、辛辣に斬られることよりも、旧知のフォロワーたちに未熟な作品を見せることの方が嫌。

 いつも筆者の作品を読んでくれる旧知のフォロワーたちに良い作品を届けたい。「Twitterフォロワーの作品だから義理で読む」というのはとてもありがたいんだけど、そこからもう一段階ステップアップして、「フォロワーの作品だから義理で読んでみたらものすごく面白かった!推せる!」という段階まで登ってみたいんです。

 ということで勇気を出して投下しました。


頂いた添削をざっくりまとめると

・キャラが弱い

・構成が雑

・文章が変

・ラノベらしくない

などなど。全部ダメじゃん!


 元々自己評価は高くありません。ジョルノとブチャラティのごとく”『添削サービスに投下』って事は、『酷評』されるかもしれないということを常に『覚悟して来ている人』”になったつもりでした。

 しかし、頂いた添削を見て、自分の実力が実際に不足していること、それも一次落ち以前の問題であること、面白い作品を作るのは難しいということが実感として訴えかけてきました。以前から地の文の書き込みが薄いことは自覚していましたが、その点を鋭く指摘されると落ち込みます。

 ただ、添削民たちは(筆者がラノベ初心者だったからかもしれませんが)予想よりも温かい反応でした。確かに厳しい意見もあったけれど、悪意があるから叩かれているわけではなく、単にクオリティが低いから厳しい評価を貰っているのだと感じました。

 いくつか楽しい経験もできました。自覚している欠点を鋭く指摘されると、「その通りでしかない」と思わずにはいられません。そこには一種の面白さがあります。

 結果的には、激励のこもった厳しい指摘を受けられて良かったと思っています。


添削民「序盤粗が多くて読むのをやめようかと思いましたが、ヒロインが巨乳なので読み進めることにしました! こういう情報は早めに出しましょう!」

筆者「なるほど……おっぱいは大事なんですね……」

という一幕も。おっぱいは大事だそうです。


 ちなみに、作品を最後まで読んでくれた添削民からは、主人公とヒロインの微エロ描写が好評でした。



 さてお盆明けから最終改稿をしなければならないのですが、ここで行き詰ってしまいました。

 自分なりに頑張って書いた作品に、「根本的に粗が多い」「読みづらい」との指摘をもらって、実力のなさがはずかしくなったのです。

 こんなものしか書けない自分が情けない、悔しい、プロットやあらすじも破り捨ててしまいたい。まるで処女作を書いた時のようです。

 とはいえ、8月内には同人誌の背幅を確定させて絵師さんに表紙絵を発注し、10月には文フリで頒布する予定なので、真面目に向き合わなければなりません。フォロワーからの激励をもらい、改稿を終わらせました。


・構成→プロットを見直し、序盤を改稿。

 「プロローグが読者にとっては意味不明なシーンの切り取り、ブラバ要因になっている」と言われたので決定版では書き直しました。変えた結果、プロローグを読んだ読者さんから「キャラが立ってますね!」ってコメントいただいたので、変更して正解だったと思う。

 「第三幕を力技でとじる癖がある」とは思っていたんですが、問題だったのは第三幕ではなく、むしろ「序盤が整理されていなくて間延びしている→中盤がスカスカで「問題を認識した途端に話が終わってしまった」となっている」という第三幕までの話の組み立て方だったんだなと思いました。

・文章力→ダイジェスト的にならないよう加筆する。

・キャラ→ヒロインや主人公友人2人の口調見直し。

・ラノベらしくない→ちょうど電撃文庫が電子書籍1巻30円セールをやっていたので、11冊購入しインプット。


 たとえ希代の文豪のような才能に恵まれずとも、自分の好きなものを自由に表現して、成長を楽しんでいけるという点で、一次創作は素敵な趣味だなと思います。

 自分の場合、「読まれたい数字欲しい誰かに認められたい何かになりたい」的な外発的動機づけで創作すると非常に消耗するので、「オレが読みたい」から書くんだよという内発的動機(というかパッションとリビドー)を大事にしていきたいです。



🐕🔪「犬も歩けば謎に当たる」

1作目改稿&文フリ福岡9で頒布した作品です。

犬系主人公×物騒ヒロインのサドマゾ倒錯青春サスペンスです♪

https://kakuyomu.jp/works/16817330662910901751

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