高校生活1

 ☆☆☆

 4月、入学式を迎えて驚いた。

 同級生のはずなのに綺麗でかわいい子が多い。

 少しドキリとする。

(こんなに垢ぬけた人たちと同じなんだ。

 美容面でも頑張らないといけないかも)


「はじめまして。私、汐田由美シオタ ユミっているの。よろしく」

 ほんのり茶髪に染めている可愛らしく、大人びている。

 身長があるせいだろう。

 かわいいともいえるし、大人っぽいともいえる子だ。

「よろしくね」

 ニコリとあいさつ。

 この子とは仲良くできそうだ。

「あ、ねぇ、佳織。この学校はバイトオーケーらしいけど何かやるの?」


「うん。やりたいところは決めているから少ししたら始めるつもり」


「ふーん。ちゃんと考えているんだ」


「やっと親から自立できる準備期間なんだもの。

 できるだけ準備していかないと」


「一応、バイトをするための説明会あるらしいよ」


「へぇ、ほんと? しらなかった。ありがとう。由美」

「んー。ほら。あそこに掲示されている」


「ほんとだ」

 掲示されている紙には明日の放課後、家庭科室に集まるようにかいてあった。

 ☆☆☆


 5月、バイト手続きを進める。

 放課後、家庭科室に集まった生徒たち。全部で20人ほどで男子が多い。

「学校生活には慣れてきたと思うが、

 これからバイトを開始する生徒に注意事項を告げる。

 くれぐれも単位を落とさないように」

「はい」

「勉学の時間を確保するように」

「はい」

「以上」


 の合図で解散となる。


 バイトは目を付けていた喫茶店の面接を受けた。面接担当の店長は言う。

「週3は入れるかな。試験前には優遇するから」

「はいっよろしくお願いいたします」

 あっさりと決まった。


 6月から資格の勉強を始める。

 バイトをしていると思いのほか勉学に力を入れられない。


「足痛いし、お皿は重いし」

 夜になってセルフケアの大切さを思い知る。

 身体中に湿布を貼りまくり夜を過ごす。

「明日になったら取らないとね。どこまで取れることか」


「まだ6時間だもの。8時間勤務なんて想像を絶するわ」

 初めて父親の偉大さを知るのだった。


 7月初めてのテスト

「みんな、どれだけできるのだろうか」

「不安?」

「もちろん。バイトだったから勉強そんなにやっていられなかったし」

「私もだよ。赤点とらないようしていけばいいの」


「確かにそうだね。ありがとう」

 期末テストをこなして

 感想としてはまだついてイケルだった。

(これならいけるかも)

 もちろん国語と英語の試験は95点だ。

「これなら母さんに文句言われないわ」

 高校のレベルを落とした手前、テストの点数落とせない。


 8月はバイトに勤しむ。

 夏休みはしっかりとバイトをこなす。

「段々慣れてきたな」

 これでコスメをそろえられるし、受験費用も捻出できる。

 部活もしたいはしたいが、

 できる時間があるだろうかと悩む。

 潰れかけの茶道部があるとか。


 先生の趣味で存続している部活とも

 言えないが同好会とも言われない謎の茶道部がある。

(日本文化は学んで損はないからね)

 入部届を書き、提出した。


 9月はテスト、文化祭。

 中間テストも気を抜かない。少しのことで評価5は崩れてしまうから。

「よし。今日も勉強時間は達成っと」

「んーラインか。『明日の時間割教えて』か。私はこうだよっと。でもお互いに取っている科目違ううんだっけ。参考になるのかなぁ」

 わからないが、とりあえず送ってみる。

「ありがとう」

「いいのかな? 近々何かやるっけ?」

 翌日聞いてはみても「内緒だよ」しか教えてくれなかった。

(何なのよ。もー。そんなことしている間にもテストの時間じゃん)

 テストは何も大きなテストだけではない。

 小テストなるものが控えている。

「今日、英語の小テストじゃん! 確認しなくっちゃ」


 そうしてバタバタと日常が過ぎていく。

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