第6話 高機能服15000枚って 汗

 さて、家に帰ってきて暫くした日、俺は次に攻略出来る混沌期のダンジョンを探していた。


 調べてみると6日後に北海道で大きな反応があり、近場だと自転車で行ける範囲に3時間後に中規模の混沌期のダンジョンが山林の中に出来る様だ。


 早速自転車で中規模の混沌期のダンジョンが出現する場所に行ってみる。


 何とか時間内にダンジョンが発生する前に着けた。これも高機能マップのお陰だ。


 ダンジョンが発生する時間になった。


 目の前に空間が割れてダンジョンが発生したが、ダンジョン入り口の色がコロコロとよく変わる。この現象が混迷期のダンジョンの特徴だ。


 安定したら色は固定されてしまう。


 ◇◆◇◆


 混迷期の内にダンジョンに入る。ダンジョンに入ると式神が現れて配信の始まりだ!


 だんちゅ~ぶの登録してくれている視聴者の方に配信が始まった事が伝えられているはずだ。


 今は同接0で視聴者居ないけどいつもの様にやっていこう。


「Sランクの”誠のダンジョン攻略記”のゲリラ配信ですよ。って、殆どいつもゲリラ配信なんですが! いつもの様に行きますぜ!」


 そう言って、収納指輪から刀と防具を出して装着して階層の攻略に入っていく。


 階層を20ばかり完全攻略した時に最初の同接の視聴者が来た。


「こんにちは! 誠です」


 ”こん! 唐突にゲリラライブするなよな! こちとら仕事あるんだぞ!”


「それでも見に来てくれるあなたが好きだぜ!」


 ”女に言って欲しかったわ。その台詞”


「まぁ、いつもの攻略だから気楽に見てってよ。まだ上層だからさ」


 ”りょ!”


 そうして一つずつ宝箱を開けながら階層を攻略した。


 宝箱の中身は上層部と言う事もあり、余り大した物は出なかったが換金物には良い物が出た。


 そうして39階になったら2人目の同接視聴者が来た。


「こんにちは~!」


 ”こんちは! 今誰も居ないの?”


「1人居るよ?」


 ”そうそう、俺が居るんだよね~”

 ”あ! 人居たんだ。殆どいつも居ない時間帯だから居ないかと思ってた”

 ”まぁ、まだ、朝だしね。そんな時間帯だよね”

 ”んだんだ”


「朝早くから働いてる俺って勤勉でしょう?」


 ”サラリーマンはもっと早くから働いてるわ! 舐めんな”

 ”そのとおり!”


「視聴者が厳しい!」


 ”甘やかすとろくな事をせんからな”

 ”厳しくなくて平常運転だよね”


「うがー! 攻略に戻る」


 ”逃げた!”

 ”逃げたね”


 こうしてコメントに揶揄されながらも上層を攻略し終わり中層に入った。


「ここからの階層は中層になりそうです。空気が違う」


 ”やっぱ、探索者してるとそんなことが分かるんだ”

 ”その点だけは凄いよな”


「誰でも分かるって訳では無く、魔力感知と魔力操作を鍛えた結果だよ」


 ”へ~、あんたでも努力してるんだ?”

 ”努力とは縁遠いと思ってた”


「したくはないけど、しなかったら死ぬからするしか無いんスよ!」


 ”ああ!”

 ”納得!”


「て事で探索に戻りますよ」


 中層もどんどん攻略していく。


 おしゃべりしながら!


 ◇◆◇◆


 偶に宝箱に寄っていって罠があっても、盗賊のスキルセットと盗賊のツールセットで得た知識と経験でツールを使い罠を解除して中身を持って行く。


 ここいら変でいつもの視聴者が揃って俺を揶揄って来る。


 ”いつもよりも宝箱多いけど如何したの?”

 ”そうそう。いつもなら罠は漢解除で開けているのに”

 ”日和ったか?”

 ”腑抜けたか?”


「好きで漢解除してたんじゃ無いですよ! 盗賊のスキルセットと盗賊のツールセットを手に入れたのと高機能マップのお陰ですよ」


 ”そんなの手に入れていたのか!”

 ”お前にそんな物は似合わない! アンインストールするんだ!”

 ”そんな腑抜けた姿は見たく無かった”

 ”そうやって汚い大人になっていくのさ”


「生存戦略で見つけたスキルやツールを使って何が悪いんだ! 通常はこれが正常なの!」


 ”正常という言葉をこいつから言われるとは……屈辱だ!”

 ”世の中にはな、言ってはいけない言葉があるんだぜ?”

 ”汚い大人になったな!”


「なんでここまで言われなきゃいけないんだ」


 おもちゃにされながらも中層と下層を抜けて深層に入った。


 下層の宝箱はとても良い物が入っていた。エリクサーが10本、オリハルコン2トン、金1トン、各種魔道銃9999丁、湿度・体温調節機能・汚損防止・防水・防火・消臭・耐刃・防弾・耐衝撃・不壊・緊急手当・自動サイズ調整機能付き各季節服上下15000枚(帽子から下着や靴下も合わせて。何故が男物が少なくと言っても結構な量だが、女物が多数ありデザインも多種多様だった)


 エリクサー1本でオークションに出したら1000億円以上するぞ!


 ”そういや、敵を倒したら収納指輪にドロップが飛んでくるの何で?”


「あ、それは収納指輪に自動ドロップ回収機能が付いているからです」


 ”マジで! ぶっ壊れ性能だな”

 ”俺も欲しい!”

 ”全探索者で100個あるかないかの代物だからな”

 ”運の良い野郎だぜ!”


「あ、今、深層に入ったな。これで人界のライブは終了とさせて頂きます。お疲れ様でした!」


 ”ああ! こいつ深層写さない気だぞ!”

 ”お前は何の為にいるんだ!”

 ”今日はおもちゃが過ぎたか?”


 俺はにこやかに笑って”さようなら~”と言った。


 人界のネットワークが切れると神様方の出番だ。


 神様の同接視聴者数は200万柱になっていた。



―――――――――――――――――――――――――――――


 主人公、神様のおもちゃの設定の筈なのに、人界の人達のおもちゃになってるね(汗

 ま、まぁ、そういうこともあるさね。


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