第2話 深層

 収納の指輪を指にはめて探索に戻った俺を待っていたのは、収納の指輪の入っていた宝箱の残骸だった。

 

 宝箱と言うだけで宝石等が着いている場合があり、今回は宝石付きだったので残骸から宝石と金属の取っ手を回収する。

 

 金属の取っ手は偶にミスリルとかで作られている場合があるので忘れずに回収したい!


 こう言う細かい所で思わぬ高額品になるから忘れない様にしないとな。


 宝箱のあった部屋から出て、下りの階段を探す。


 早くしないと誰かに攻略されてしまわない内に攻略しないといけない。


 何せここは攻略可能ダンジョンなんだから!


 ◇◆◇◆


 ダンジョンには2種類ある。


 資源獲得の為に政府から保護を受けて消滅しない様に指定を受けている攻略不可ダンジョンと、道路などの真ん中に出来たり誰にも見つからなかったりする攻略しても良い攻略可能ダンジョンとだ。


 ここは道の真ん中に出来たので予想通り攻略可能ダンジョンになったのを先程の神通心じんつうしんで知った。


 神様が攻略指定を教えてくれる便利な機能だ。


 1探索者としては攻略を譲る事は出来ない!


 幸い今は下層の最終階と思われる。


 このまま突き進んでいけば深層に出られる。


 深層からが勝負だが、下層階への階段や通路が見つからない。


 くそ! そろそろ下層に来て倒した敵が100体を越えるぞ。このままじゃ、先を越される。


 そう思うと同時に敵モンスターを一撃死させた。


 すると、”下層モンスター100体討伐おめでとう! あなたの階段が開通されますね”と言うふざけた神通心じんつうしんと共に目の前に階段が浮かび上がってきた。


 どうやらこのダンジョンでは下層の最終階から先に行くには下層のモンスター100体を討伐しなければならなかったらしい。


 階段を降りると雰囲気が違ってピリっと引き締まる様な緊張感がある。


 深層で間違いは無い様だ。


 後は最終階まで行ってダンジョンコアを取り出せば終わりだ。


「へへ! 今から深層だぜ!」


 ”深層にいけたんか!”

 ”自称Sランクのくせにやるじゃ無いか”

 ”こいつは自称じゃ無いよ?”

 ”アーカイブ見れば半年前だろ、どうやってSランクまで行けんだよ!”

 ”こいつの変態的な才能と能力の賜物かな?”

 ”そんな事より深層の情報マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン”

 ”こいつの行ける所じゃ深層じゃ無いってばよ”

 


 深層寄りの配信は神以外が見られる様な設定になっていれば見られるがそうで無い場合は深層1階層か人界の配信を終われば神以外は見られなくなって終わりだ。


「深層なので3階層当たりで配信を切って攻略に専念します」


 ”そんな~”

 ”まぁ、無料で深層2階又は3階層も見られるのなら太っ腹だな”

 ”こいつは深層に行けるはず無いじゃん。CGご苦労様”

 ”何か一人、深層って理解したくない奴がいるぞ”

 ”触れてやるな”

 

 そう言う事で深層の探索を開始した。


 まず、ゴースト系の上位のミストが出てきた。


 こいつは周囲に体力を奪い取る霧を発生させて核以外には物理攻撃が効かないという極めてやっかいなモンスターだ。


 だが、俺は魔力制御に秀でているので目に魔力を流してミストを見れば魔力の濃淡でミストの核が丸わかりだ。


 そこに刀の一撃を入れてやればお仕舞いだ。


 早速一匹、深層緒モンスターを倒した。


 「早速一匹、深層のモンスターのミスとを倒したよ。刀で切ったので何で物理攻撃が効くのか不思議だろうが、目に魔力を纏わせてミストを見ると魔力の動きが丸わかりで何処に核があるか一目瞭然なんなんだよね。そこを一撃で仕留めれば終わりって事になるんだ」


 ”ええ! マジかよ”

 ”目に魔力を纏わせるってどうするんだ?”

 ”そんな事で変態性を発揮せんでも”

 ”ほらな、ミストが物理攻撃で死ぬわきゃ無いんだよ。CGご苦労様”

 ”そういや、海外でも核を仕留めて倒した例があったな”

 ”ああ! 偶然一撃を食らわせたら核だったという奴な”

 ”それを狙ってできる奴おりゅ?”

 ”おりゅに吹いたw”

 

「身体力向上の魔法があるよね? それの感じで目だけ目の前にレンズを作る感じで魔力操作していけば出来るよ。まぁ、魔力操作は難しいけれど……」


 ”それができたら苦労はせんわ!”

 ”全くもってその通り”

 ”魔力操作所か魔力感知自体出来ない奴も居るんだぞ”

 ”まったく、これだから才能のある奴は!”


 「……探索に戻るわ」


 ”凹むな、元気出せ!”

 ”男が凹んでも嬉しくないぞ”

 ”でもこいつ凹んでもすぐに復活するしな”

 ”大体、視聴者が集まらないのってこいつの配信タイトルが[俺の探索記]だからだろ”


「あー! あー! あー! 聞こえない! 見ない!」


 ”駄々っ子モードが発動したか”


 リスナーに弄られながら探索を続けて深層の階層を下る事3階で人界の配信を終わらせた。


 ◇◆◇◆


 深層3層で人界からの配信を切ったら後に残るのは神様だけになる。


 この神様になる時だけが顔を写される様になる。


 また、この人間がいない時だけ同接の視聴者数が表示される。


 視聴者数は150万柱だった!


 柳田誠やなぎだまことは人間には全くの無名と言って良い人気の無さを物語るが、神様からしたら面白い人間のトップ層に入る人間だった。




―――――――――――――――――――――――――――――


 人界の登録人数10人で配信で4~5人来たら多く来たなと感じる柳田誠やなぎだまことに愛の手を下さい!

 でも、こいつは神界だと大人気だんちゅーばーです!


 人気の無い……作者にも愛の手を下さい!

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