ダンジョンwithおこたじいさん2~おこたじいさんとエルフっ娘~

夢月みつき

本文「おこたじいさん・フォーエバー」

〇登場人物紹介〇

おこたじいさん(猪俣勝男いのまたかつお)

前作で異世界に転生してきた、男性。


レックス

おこたじいさんに助けられた勇者の少年。


マーサ

モンスターに襲われていた所をおこたに助けられた魔法使いの少女。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


おこたじいさんは連日、勇者レックスと魔法使いマーサと共にダンジョンに潜っていた。おこた達がこれまで助けた冒険者は、五十人にもなっていた。


その中で、おこたに恋をしてしまった女性がいた、ハイエルフの女魔導士ラナンだ。

縦に耳が長く金髪ロングで、切れ長碧眼の麗しい容姿、そして爆乳の持ち主。


ラナンは、数か月前にダンジョンの毒の沼地で、動けなくなっていた所を彼に救われた。

それから、彼女はおこたにゾッコンなのだ。

「ああ~…おこた様と食べる冷凍みかん美味し」

ラナンは、おこたの炬燵布団に入って、テーブルに爆乳を乗っけて頬をすり寄せている。


「それは良かった。しかし、あまりくっつかないでくれ。いくらじいさんでも、私も男だからな」

「あらん、つれないお方、良いじゃありませんか。私こう見えても800歳は越えておりますのよ。」

「何と、それは、それは…」


それを聴いて思わず、苦笑するおこたじいさん。

「うふふ、エルフは不老長命ですから」

おこたの反応にラナンも、面白そうにコロコロと笑った。


その時、レックスがマーサと共におこたじいさんを呼びに来た。


「大変だ、おこたじいさん!僧侶の女の子がトロルに襲われてる!」

「私達だけじゃ、苦戦してるの、早くッ!」

「解った、皆つかまれ!」

「待って、おこた様!私も行きます」


レックスとマーサが、おこたじいさんに掴まると、ラナンも慌てて飛びついた。



+☆+


おこたじいさん、レックス、マーサ、ラナン達は巨大なトロルが少女を襲っていると思われる階にテレポートして来た。


おこたは、銀髪の青年に変化し、銀の剣を腰に下げた鞘から抜き放つとレックスと共にトロルに向かって行った。

マーサは防御系の呪文を、ラナンは攻撃力を上げる呪文を唱え、おこたとレックスに放つ、二人の体が淡く輝き、銀の剣と鋼の剣がひらめくと一瞬にして、トロルは地響きを立てて地に倒れ伏した。


「イエーイッ!やったぜ」

レックスは、青年おこたとハイタッチをしたが、当のおこたは困惑気味に苦笑している。

おこたは、震える僧侶の少女に走って近寄ると、手を差し伸べながら話しかけた。


「もうトロルは、片付けたから安心しなさい。私は、おこたじいさん。あんたの名は」

「わわっ、私の名前はアンリですっ…あのおこた様とおっしゃられるのですね。ありがとうございました。あなた様に神のご加護があらんことを…」


三つ編みをした青の髪と大きな青い瞳を持ち、僧衣をまとった、彼女はとても可愛らしく可憐だ。

アンリは、頬を染めながらおこたを見つめている。


おこたは、そんなアンリを不思議そうに見ながら、手を掴み、引っ張り上げて立たせた。

おこたとアンリの雰囲気を良く思わない、ラナンはズカズカと、二人に近づいて割り込んで来た。




「えっと、アンリさんでしたっけ、わたくしのおこた様にあまり、近づかないでくださる?」

ラナンは、おこたに向き直るとぷちゅっと音を立てて、唇にキスをした。


顔を真っ赤にして、呆気にとられるレックスとマーサ、そしてアンリは涙を浮かべている。

「ぴゃ~っ、ふしだらです!おこた様がけがれます。早く、離れてくださいませ!」

アンリは、首から下げているこの世界の神の御印おしるしを握り、ぴーぴー泣きながら、ラナンに向かって非難の声を上げた。

ラナンは、おこたの唇を解放するとむっとして、アンリを睨む。


やっと、解放された、おこたは一呼吸をするとコホンと一つ咳払いをして告げる。

「ラナン、あんたの気持ちは良く理解した。だが、もう少し考えさせてくれ。くれぐれも、年端のいかないアンリを、悩ませないことだ。」

「ああんっ…。おこた様がそう、おっしゃるなら…」



ラナンは、うつむき答える。

「アンリ、私はこう見えて、じいさんなものでね…」

と苦笑する、おこたにアンリはブルブルと震えている。


「信じられませんっ、なぜそのような偽りを?」

うるうると、瞳を潤ませて涙を浮かべる、アンリ。


見かねた、青年おこたは、おこたじいさんに戻った。

突如、炬燵に戻った。おこたじいさんにアンリは、あんぐりと口を開けていたが。

少し間があった後、キラキラと瞳を輝かせた。


「素敵…人にも、机?にもなれる…それが、おこた様なのですねっ?おこた様は、私の神様です。」

おこたに抱きつく、アンリにギリリと悔しそうに歯ぎしりするラナンも、おこたに勢いよく抱き着いた。

「「おこた様は、小娘なんかに(オバサンなんかに)渡しません!!!」」


おこたは、「ははは」と渇いた笑いを浮かべながら二人の仲裁をし始めた。

チート無双のおこたも、女性の恋のパワーには敵わない。


おこたパーティーに僧侶アンリも仲間に加えて、おこたじいさんのダンジョンは、今日も賑やかです。



<完>


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〇登場人物2〇

ラナン

毒の沼地で弱っていた所をおこたに助けられた。

ハイエルフの女性、おこたが大好き。


アンリ

トロルに襲われていた所を助けられる。

僧侶の少女、おこたに一目惚れをしてしまう。


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最後までお読み頂いてありがとうございました。

おこたじいさん完結です。

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