デザインと呼ばれる、遺伝子を選択して優れた特定の要素を持つ子供の生まれる確率を上げる技術「デザイナーベビー」が一般化した世界の物語です。
この世界では、デザイナーベビーが既に代を重ねており、そうでない人々はネイチャーと呼ばれて、小さな街に集まって暮らす少数派となっています。
そんな近未来を予期させる世界観のSFに登場するのは、自分の存在意義や価値観に疑問を持つ、思春期真っただ中のヒロイン! 彼女のスペックは、デザインだけあって卓越した身体能力と、優れた学力を持っているけれど、何故か協調性だけは……!?
そんな完璧すぎるヒロインが、ひょんなきっかけで抱いた、自分のルーツに関わる疑問や、こだわりを消化するため、衝動的にネイチャーの世界に飛び込んでしまいます。
そこで出会うのは、完璧でない個性的な人たちと、新しい価値観で……
思春期少女の眼を通した人間ドラマが、どんな結末をみせるのか、期待します!
最新話の6話まで読んだ時点でのレビューになります。
ただ6話までなので内容については言及できないことはご容赦ください。
雰囲気としては「バイオパンク」だと思います。なぜなら主人公自身が……なので……。で、まぁ、普通の人間と対立していくって感じかな?と思って読んでいます。ただ「バイオパンク」ですので、結構、倫理観的なところまで言及しているので、苦手な人は苦手かもしれませんが、「バイオパンク」ってそういうものなので、はい。
ということで、ちょっとディストピア感がただよう「バイオパンク」。好きな人には刺さるSFだと思います!
遺伝子編集技術で生まれた優秀な人類「デザイン」と、自然交配で生まれた「ネイチャー」。
現在の人類が抱える人種問題はこの未来の世界でも形を変えて存在している。
デザインは白人、ネイチャーは黒人の暗喩だろう。
デザインとネイチャーが分かれて住んでいるのも黒人が黒人街を形成するのと同じ。
デザインが優生思想を持ちネイチャーを差別するのも同じ。
きっとこの世界にはKKKのような過激派組織も居ることだろう。
主人公はじめデザインが青い肌を持ちネイチャーと視覚的に区別出来るようになっているのも同じ。
結局、技術が進歩しても人類の思想は進歩しないのだろう。
そんなことを色々と考えさせる世界観の構築が見事。
主人公の少女がどんな成長を見せるのか、今から楽しみ♪