第45話 オタク仲間_大陸を制圧を開始する
その後話し合いが持たれて、南国から攻めることで纏まりました。
明日から出発です。
立食式のパーティーに戻ります。時間にして一時間程度の情報交換で終わりました。確認だけだったのですが、濃密な時間でしたね~。
この後に、皆で食事と思ったのですが、王様に呼ばれました。
忘れていたと言うことで、私と稲葉さんの将軍職への就任式が始まりました。すっごい簡易的ですが。アルコールが入っているので、拍手喝采ですね。
それと若い女性が、群がって来るんですが……。
『コミュ障の私に、この場はキツイですね~』
食事だけ頂いて、私は早々と退散させていただきました。
ちなみに、他の異世界召喚者は、楽しんでいます。
若さっていいですね……。
◇
朝起きて、出発です。
広場に異世界召喚者全員が集まりました。
「17人になりましたが、後一息です。頑張って行きましょう」
「「「はい!」」」
私の言葉に、全員が敬礼で返して来ました。
「大将さん。こちらを……。新しいスーツになります」
元女子高生が、一晩であつらえてくれたみたいです。
ありがたく受け取ります。
「新しいスーツですか。ありがたいですね~」
「対物理無効と、対魔法無効を付与しています。どんなことがあっても破けませんから! 弾丸を受けても、平気なのを確認しています!」
これは……、ビジネススーツなんでしょうか? どんな繊維で作られているのでしょうか?
少し時間を頂いて、着替えさせて貰います。
かなり上等な生地が使われているみたいですね~。
「部長が着ていたスーツみたいですね~。ブランド物みたいですよ」
しかもオーダーメイドらしくピッタリです。
もしかして、寝ている間に測られていた?
それと、革靴です。異世界に来て数日で壊れてしまいました。それからは、ミリタリーブーツを履いていました。ごっついヤツです。スーツと調和が取れずに違和感があったんですよね。
こちらもピッタリです……。本当に、どうやって作ったのでしょうか?
「鎧は必要なさそうですね~」
一応、革鎧を着ていたのですが、刃物も鈍器も防いでくれそうです。
数値化するなら、VIT+99999でしょうか。
「アラミド繊維の数倍の強度がありますよ? 防具は不要と断言します!」
頼もしいですね~。
これで、私の戦闘服が整いました。
気分が違います。やる気が出て来ました。
「おう、大将! 似合ってんじゃん!」
「こんな上等なスーツを、ありがとうございます」
「こんなモノしか作れなくて……。私、戦場には行けません。だけど、お裁縫を頑張って、貢献したいと思います。大将さん、頑張ってくださいね!」
いい娘ですね~。令和には、こんな素直な娘がいるんですね~。
感謝しかありません。
「それと、こちらを……」
新しい日本刀ですか?
今佩いているモノで十分なんですが……。
「試作品しか渡せなくて悪かった。絶対に壊れない日本刀が完成したんだ。攻撃力も半端ないぜ。ラ○トセイバー以上だ。皆で作った国宝級の一品だぜ!」
……神話級ではないのでしょうか?
『カチャ』っという音の後に、刀を一息で抜きます。
分かりますね……。何重と魔法が付与されています。
「おいおい、試し切りは他でやってくれよ」
振っただけで、地面に亀裂を入れそうですね。斬撃が飛びそうです。試し切りは、戦場まで待つことにしますか。
私は、2本目の日本刀を佩きました。
「ちなみに銘はありますか?」
「う~ん。天下五剣から取るか……。 数珠丸ならぬ、殲滅丸でどうだ?」
物騒な名前ですね~。でも、批判はしません。それだけの性能なのでしょう。
「大将がフル装備になった。これで準備完了だな。そんじゃ作戦だ。若槻は、制圧兵を前線に送り届けてくれ。稲葉は俺と一緒に戦闘ヘリコプターで移動な。大将は、零戦だ。このまま南国に向かう。南国を制圧したら、西国を通って北国へ侵攻する。最後に東国だ。逃げて行った兵士が最終決戦に臨めるように追い払って行く感じだな」
「東国が、手薄の中央国を狙わない理由があるのですか?」
「ああ、船を全て沈めた。今あるのは、小さい船だけなんだ。それと、若槻がいるからさ、手薄な場所なんてないんだよ」
根回しが行き届いていますね~。情報戦で有利に立っているみたいです。
「それと、私に零戦を飛ばす知識が、ないのですが……」
昨日から言っているんだけどな~。
「大丈夫だ。自動運転化レベル5【完全運転自動化】を実現している。ワイバーン部隊が来ても、フルオートで撃墜してくれるよ。九九式二〇粍機銃じゃないけどな。まあ、弾は魔力で生成だ。乗っているだけで、現地に着ける」
自動運転化されているのですか。乗っているだけでいいのであれば、私でも飛ばせそうです。それと、わたしの前世では、自動運転化レベル5【完全運転自動化】は実現していなかったんですけど……。
気になるのは、私は魔力量が少なそうなんだけどな~。一応、黙っていますか。まあ、レベルアップしていますし、魔力不足でエンストしたら途中で降りられるでしょう。
「そうですか。それならば、乗っているだけで目的地まで運んでくれそうですね」
「そそっ。自信作だ。後で感想を聞かせてくれ」
鈴木さんの技術は、私からすると未来の技術になりそうです。
いえ、鈴木さんは、私よりも未来から来た人なのでしょうか。
挨拶はここまでとして、零戦に乗り込みます。
「――ピコピコ。目的地を教えてください」
「おや? 人工知能も搭載されているのですか?」
「――ピコピコ。そうなります。対話型AIと認識いただければ、幸いです。名前をつけて頂ければ、登録いたします。鈴木より、池上殿に従うようにプログラムされています。他者が乗り込んでも、動かないようにプログラムを組みました」
う~ん。どう考えても私の前世よりも優れた技術ですね~。
半導体で動いているとは思えません。量子コンピュータなんでしょうか?
「それでは、南国の首都へ向けて移動をお願いします。……零戦さん」
「――ピコピコ。名前は、『零戦』で登録が完了しました。目的地は、南国の首都ですね。出発します。フライトは一時間程度を予定していてください」
エンジンがかかりました。エンジン……ですよね?
自動で滑走路に向かいます。
鈴木さんの戦闘ヘリコプターは、先に向かいました。滑走路も必要ないみたいです。
異世界召喚者たちの見送りを受けて、零戦が飛び上がりました。
「エアコンもあるのですか。快適ですね~」
「――ピコピコ。ありがとうございます。トイレは後方にあります。飲み物など如何ですか? キャビアも常備しております」
ファーストクラスのフライトになりそうです。私は、エコノミーしか乗ったことがないんですけどね。
「頂きましょうか」
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