第41話 オタク仲間_集まる2
◆池上(変身能力使い、大将)の視点
王都より手紙が届きました。
「ふむふむ……。皆さん活躍しているみたいですね~」
中央国は、多方面から攻められていたみたいです。ですが、全て防衛していると書かれています。
攻め込んでいる戦場もあるのだとか。
それと、私の遅滞行動に対する称賛が、記載されています。
もう一つ、手紙の最後には、再招集の依頼が記されていました。
命令でもいいと思うのですが……。
「皆さん。私は、王都に行かなければならないみたいです。後は、お任せしてもよろしいでしょうか?」
砦の将兵たちに、お聞きします。
「勿論です。王都より送られて来た武具だけでも十分です。防衛は任せてください。池上将軍!」
いつの間にか、私も将軍と呼ばれるようになっていましたね~。
これは、稲葉さんの影響みたいです。
たまにですけど、王都から連絡が来ていたみたいです。
略式の式典が行われて、いきなり将軍でした。稲葉さんは、なにをしたのでしょうか?
こうして、私は砦を後にしました。
乗馬にて、帰路に着きます。
「乗馬にも、だいぶ慣れて来ましたね~」
お尻も痛くなくなって来ました。
10日分の食料も頂けました。行きは、酷かったですからね。
それと……、奪った食料ですが、少なかったです。
若槻さんの仕業らしいです。そして、国内が潤っているのだとか。
途中に村とかないので、分かりませんが、目的の一つは達成しているのでしょう。
「食糧庫を襲った時の、あの将兵の顔は忘れられません……」
山積みの食料を期待して、命を懸けて突撃したのに、僅かでしたからね……。
若槻さんに、報連相の重要性を教えたいです。
でも、学生ですからね。
利益の最大化は、経験で学んで貰いましょう。
その後進んでいると、熊とか虎が襲って来ました。道はあるのですが、野生生物が多過ぎますよ。
「鈴木さんから送られて来たこの日本刀……。どんなに切っても刃こぼれすらしないんですよね」
切れ味の変わらない日本刀……。曲がりもしません。最強すぎます。
それと、ライトセイバーですね。(げふん、げふん)
使う機会がないのですが、試したら、鉄の盾を貫きました。なんでも焼き切れる火力みたいです。兵士たちが、喜んで使っています。そして、成果がもの凄いです。戦争で負けなしになりました。
まあ抜刀術と、相性がいいとは言えません。武器を失った時の非常用に腰に装備していますが、使わないことを祈りたいです。
「さて……、駆除させて貰いますか」
前門の熊、後門の虎ですね。馬は、怯えています。
私は、馬から降りました。
日本刀に手を添えます……。
熊も虎も動きません。間合いの外で、警戒しているみたいです。
「しょうがないので、私の先手とさせて頂きます。抜刀術……10連!」
まず、一足飛びで熊との間合いを詰めて、5連撃を放ちました。
返す刀(?)で、また地面を蹴って、虎に5連撃を放ちます。雷の速度とはいきませんが、ソニックブームぽい現象が起きているので、人間の知覚できる速度は超えていると思います。馬の隣を往復したのですが、馬は気がついていないみたいですし。
「大分、レベルも上がりました。もう、野生生物でも瞬殺ですね~」
私の職業〈異世界の知識人〉は、イメージした動きを再現することに使えました。私は、『雷の呼吸』を再現しています。(げふん、げふん)
それ以外にも秘めた力がありそうですが、もう抜刀術だけで現地人を圧倒しています。
――パキン……ドバン×2
私が日本刀を収めると、熊と虎がバラバラになりました。大量の血液が吹き出して、肉が散らばります。
ちょっと前を思い出します。
「千人隊に突撃して、〈透明化〉をミスって解除された時は焦りましたね~」
敵の隊長は討ち取りましたが、その後囲まれてしまって、逃げられませんでした。あの時は、死を覚悟しましたが、なんとか生き延びることが出来ました。運が良かったです。
まあ、手練れもいなく、全滅させただけですが。無意味な殺戮をしてしまいました。あれが、『またつまらぬモノを切ってしまった』なんでしょうか……。(げふん、げふん)
熊と虎を見ます。
本当は、食料にすべきなんでしょうが、今は急いでいます。土に返って貰いましょう。正直、肉が硬くて臭いんですよね。調理次第なんでしょうが、私は好んで食べられませんでした。
私は、馬に乗りました。熊と虎を放置として、先を急ぎます。
◇
「途中で、結構襲われましたが、なんとか目に見える場所まで辿り着けましたね~」
なんなんでしょうかね。野生生物が多いです。それも、肉食獣が繁殖していました。集団を形成した狼って、危ないと思うのですが。
まあ、鹿にも襲われましたが。
開拓のために、戦争は早期終結させて貰いたいものです。
「いえ、開拓する気があるのでしょうか……」
まだ、道を往復しただけですが、未開の土地が多過ぎます。
それで戦争しているんですからね。土地の取り合いする前に、開拓すればいいんじゃないかと思ってしまいます。
「住みやすい土地の、奪い合いなんですかね~」
考えていると、王都に着きました。
遠目から見ても分かります。
「一ヶ月程度ですが、随分と発展していますね~」
目の前には、高い城壁と堅牢な城が見えます。というか、高層ビルが見えるのですが……。
「間違いなく、鈴木さんたちですね~。戦争の遅滞行動の成果が出て、良かったです」
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