804 埋まって行く夏休みの予定

 眞子のバスケの才能を見抜いた飯綱ちゃん。

それで眞子と一悶着あったのだが、矢張り飯綱ちゃんの口には勝てず……アッサリ説得される眞子。


だが、問題はそれだけではなかった(笑)


***


「あぁ、そやそや、それはそうとエド」

「うん?」

「このアホちゃんはOKっと言う事にしといてもやね、真上は、ちょっと問題かもしれんで」

「そりゃあまた、どうしてだい?」

「あんなぁ。真上のご両親はな。ちょっと前まで交通事故で入院してはってんやん。まぁ最近、退院はしはってんけどな。まだ本調子やないから、今はまだ真上が、自分とこの店を一人で切り盛りしてねんやんか。そやからなぁ。真上のアメリカ行きは難しいと思うで。……そやんなぁ、真上」

「あぁっと、実はですね。先程は言いそびれてしまったのですけど。父と母が、今月から、お店に復帰したんですよ。……ですから、ご迷惑じゃなければ、ご同行したいと思ってるんですが」

「えっ?えっ?それ、ホンマかぁ!!真上のお父ちゃんと、お母ちゃん元気なったんか!!良かったなぁ!!ホンマ、良かったなぁ!!」


おっ、これはちょっと意外な展開でしたね。

バスケより、真上さんのご両親の復帰を喜んでる所は、ちょっとビックリした。

失礼な話かも知れないけど、飯綱ちゃんの事だから、てっきり真上さんのアメリカ行きを先に喜ぶもんだと思ってたからね。


でもこうやって、また飯綱ちゃんの良い部分が見えた気がした♪


浪花節ですね。



「あっ、はい。ありがとうございます」

「ホンマ、良かったなぁ、真上。ほな後は、エドが、お金全部出すから一緒にアメリカに行こな」

「あぁっと、アメリカにはご同行させて頂きたいとは思いますが、お金を出して貰うのは、ちょっと……」

「えぇの、えぇの、そんなん気にせんでえぇの。第一エドは、ウチに大きな借りがあるねんから、お金ぐらい出させたらえぇねんて。それに、この話を持って来たのはエドの方やから、スポンサーとして出して当たり前やの」


いや、あの、テンションが上がっての事なんだろうけど、その言い方は真上さんにはマズイと思うよ。

特に真上さんは他人に借り作るの苦手だから、説得するにしても、もぉちょっとオブラートに包んだものの言い方をしないと、ヤバい方向に行っちゃう可能性があるよ。


あぁ見えて真上さん、頑固な面もあるし。



「あの……ですが……それは飯綱さんの貸しであって、私には関係ないのではないでしょうか?」


ほらね。


言わんこっちゃない。



「なんでそんなん言うん?真上と、ウチは一心同体やんか。そんなん言わんとってぇや。それともウチと一緒に居るのん、そんなに嫌なん?」


あっ……この事態を想定していたのか。

ションボリした表情を浮かべながら、冷静な対応で飯綱ちゃんが2トーンぐらい声の質を落とした。


ならこれって……最初から『泣き落とし』をする気だったんじゃないのかな?



「あぁ違いますよ、違います。そんな事は、絶対に思ってないです」

「ほんだら真上、ウチと一緒に行ってくれる?」

「あぁ、はい、勿論ですよ。あぁでも……」

「ゴメンやで。ホンマはなぁ。ウチかて、自分のお金で真上を招待したいんやで。そやけどなぁ、ウチ、メッチャ貧乏やから、エドに出して貰うしかないねん。ゴメンやで、真上。……それでもえぇか?」

「あっ、あぁ……はい」


意外にも、真上さんがアッサリ落ちた。


それにしても凄い落とし方だね。

強引なのに、どこか筋が通ってるって……



「あぁ……そやそや、なぁなぁ、美樹。美樹もアメリカには行けんのんか?此処に美樹が入ったら、間違いなく最強やで」


ヤッパリ、泣き落としだった。



「えっ?あっ、あぁ、当然行くに決まってるでしょ。行かない訳ないでしょ」

「そうか、そうか、それはえぇこっちゃ。……あぁ、そやかて、仕事は大丈夫なん?」

「まぁ5日間程だからね。事務所に無理を言えば、それ位ならなんとか成ると思うよ」

「やったぁ!!ちゅう事でエド、旅費は4人分やで、4人分!!」

「ハハッ、勿論、みんな、ちゃんと招待するよ」

「うわ、うわ、エド、めっちゃえぇ男やん。そう言うん好きやわ。なんやったら結婚したろか?」

「飯綱ちゃん……それは、私的に遠慮するわ」

「あぁ……そやね」


なんか、はしゃいじゃってるね。

飯綱ちゃんも、こんな無邪気な態度を取るんだぁ。


……なんか新鮮だね。



「あぁそうだ、そうだ。……美樹と、バスケの話で、今までスッカリ忘れてたけど。鞍馬、ちょっとした頼み事があるんだけど、良いかい?」


うん?


今になってなんですかね?



「あぁ、はい、なんですかね?」

「実はさぁ、今日は、これを鞍馬に言いに、ホランドさんと、デクの3人で日本まで来たんだけどね。仲居間さんからの伝言でさぁ。3on3の試合の次の日から、10箇所ほど、GUILDのライブが決まってるんだけど……出演する気ある?」


なんですと!?

なんで、そう言う重要な話を、先にしてくれないんですか?


余りにも急過ぎてビックリしましたよ。


あぁでも……まぁ良いかぁ。

またGUILDランカーの方とセッション出来るなら、それはそれで楽しそうだしね。



「あぁ、それなら、全然OKですよ。寧ろ、ドンと来いです」

「鞍馬なら、そう言ってくれると思ったよ」

「なんか……単純だって、言われてる気分ですね」


いやはや、いやはや、それにしてもですね。


3on3のバスケの大会に出れた上に、またしてもアメリカでの10箇所ライブに参加させて貰えるなんて……こりゃあ、大変な夏休みになりそうだね。


でもでも『強い覚悟』と『勘違いしない自覚』を持って掛からないと、これは豪い目に遭いそうでもあるね。


良し良し、だったら頑張るぞぉ♪


***


 ……まぁ、そんな感じでして。

今回は、夏休みの一部の予定が決まった所で、このコンパのお話は『お開き』なんですがね。


こうやって休みの予定がドンドンと埋まっていく感覚って、凄く楽しくない?

こう言うのって、準備段階が一番ワクワクするからさぁ、凄く気分が『充実』してきてるんですよね。


ホント、全部が楽しみだね♪


***


【次回予告】


 さぁ~~て、そんな訳で次回からはシーズン7!!

【TS眞子のアメリカ再上陸編(*'ω'*)】が始まりますよぉ~~~♪


そんでその第一弾のお題は!!

『Bash-freaks festival』

「バッシュ・フリークスフェスティバル」


……を、お送りしたいと思います♪


全米から集まった強豪犇く中。

私達、日本から来た4人のチャレンジャーは、何所まで戦えるのか?


『汗』と『涙』と『友情』のドラマ!!


必見ですよ!!



多分、そんなのものは微塵も無いと思うけど……それに、全然音楽の話じゃないけどね。

でも私だって、チャンスが有れば、まだまだ色々な事にチャレンジしたい年頃なんですよ。


ですから、そこは、あまり気にしない様に……



まぁまぁそんな訳なんで。


でわでわ。

また次回、再び上陸するアメリカでお逢いしましょう。


バイバイ♪


またねぇ~~~♪(*'ω'*)ノ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

これにて第一章・第四十三話【Consciousness(自覚)】はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?


まぁ、なんと言いましょう。

此処最近は、あまり音楽方面の話をしていないので『コイツは、一体、何がしたいんだろう?』っと疑問に思われる方も少なくはないと思うのですがね。


これは以前にも少し触れました様に『音楽をしているからと言って、音楽だけをしてる様では見解が狭まってしまう』んですよ。


そう成らない為にも眞子には、沢山の経験を積ませ、様々な分野の人間関係を築く為に、色々の事に挑戦させていってあげたい。

そんな感じなので、次回からはバスケの試合が始まる感じですね♪


元よりこの物語は『不良の更生』をメインにしたお話ですしね(笑)


さてさて、そんな感じで次回からは。

第一章・第四十四話『Bash-freaks festival(バッシュ・フリークスフェスティバル)』が始まる訳なのですが。


次回予告は、本編の最後で眞子がしてくれましたので、その様な内容の物を書いていきたいと思います(笑)

なので良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


そんな訳で、次回からはシーズン7!!

【TS眞子のアメリカ再上陸編(*'ω'*)】が始まりますよぉ~~~♪

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最後まで奏でられなかった音楽(シーズン6) 殴り書き書店 @nagurigakisyoten

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