798 現状での飯綱ちゃんの感想

 右往左往がありながらも、正式なカップルに成ったエディさんと美樹さん。

そんな2人が、眞子と飯綱ちゃんにお礼がしたいと言い始めたのだが。

飯綱ちゃんは、この期に及んで『バスケがしたい』っと言い出した上に、傲慢にもそんな2人にタクシーを拾わしに行く始末(笑)


……っで、その間に。


***


 ……っとか思っていたら。

エディさん、美樹さんは、密かに手を繋いでタクシーを拾いに行った。


この光景は、なんか微笑ましいね。


そんな事を密かに思ってると……



「……なぁ、眞子」

「うん?なに?」

「さっきの件で、どうしても1つ不思議に思ってんけど。アンタに、それを聞いてもえぇか?」

「あぁ、うん、良いよ、なに?」

「なんでアンタ、エド程のえぇ男を、美樹に譲ったん?」


あぁ、なんの質問かと思ったら、そこかぁ。


けどまぁ一般的に考えれば、今回の一件を、そう言う感覚で捉えても不思議じゃないかぁ。


実に女の子らしい発想だけどね。



「いや。美樹さんに譲るもなにも、別に私、エディさんと付き合ってる訳でもないし。それで美樹さんがエディさんを好きなったんだったら、それは上手くいけば良いかなぁって思うのが普通なんじゃないの?」

「……神か、アンタは?」

「なっ、なっ、なんで?」

「なんでぇなぁ。エドやでエド。そこら辺に居る顔だけのイケメンやったらまだしも、エドはアメリカで爆発的な人気を誇る【Nao with GREED-LUMP】のエドやで。ウチやったら、絶対に誰にも譲れへんわ」

「そうかなぁ?でもさぁ、私は、崇秀『だけ』が好きなんだから、そんなの有名だとかなんだとかって関係なくない?」


彼だけが№1ですからね。


そして№1以外の男性は、私には必要ありません。


壊れるぐらい愛してます。

でも、1/3も伝わってません。


SIAM SHADEでした。



「ちょっと待ち。アンタ、保険は掛けへんつもりなん?」

「掛けないよ。崇秀以外の男性には全く興味ないもん。私は、崇秀のものに成りたいんだから、崇秀以外の男には、誰にも、この体には触れさせないつもりだよ」


解るかなぁ?


要するにね。

私の中では、№1の崇秀以外は男性だと認識しない訳。

ほんで、そうやって世の中には崇秀以外の男が存在しない訳だから、女性としても他に興味が湧き様が無い訳だね。


早い話、崇秀は、私にとっての『アダム』なんですよ。



「でもなぁ。崇秀が、眞子の事をイラン言うたら、どうすんの?」

「どうもしないよ。そうなったら、一生一人で居るだけなんじゃないのかなぁ」

「ちょ!!それ、本気なん?アンタ、まだ14歳やろ。なに悟った様な事言うてんのよ?」

「あぁ15、15」

「いやまぁ、それにしたってや。それでもまだ15歳やろ。そやったら、そこまで崇秀1人に絞り込まんでもえぇんちゃうん?30歳過ぎた売れ残りのババアやないねんから」

「そぉかなぁ?崇秀が、私をイラナイって言った時点で、私なんか、ただの売れ残りだよ。私は、崇秀以外に、自分を売る気はないもん」


じゃない?


……って言いますかね。

奈緒ネェを裏切ってまで崇秀を取ったんだから、今更、他の男になんかいけないしね。


まぁ、それ以前に行く気は無いけどね。



「そこまで思い込んでるん?それはなんでなん?」

「好きだから。……それ以外は、なにも無いよ」

「うわっ!!なにこの子、気持ち悪ッ!!」

「そぉかなぁ?でも、それぐらいの覚悟が無いと、崇秀に振り返っては貰えないと思うよ。崇秀は強烈な変人だもん」

「まぁアイツは、確かに変人やね。それに眞子の想いも強いね。……ふ~~~ん、そやけどなぁ。正直言えば、眞子可愛いやんか。あのアホに、そこまで思い入れんでもえぇんちゃうの?」

「なんで?」

「『なんで?』って……それって、他の恋愛を破棄するって言う事やろ。人生楽しまれへんのちゃうか?」


変な事を言うんだね。

崇秀が居ない時点で、楽しい人生なんてある訳ないのにねぇ。


なんで、そんな奇妙な発想に行き付いたんだろうね?


訳が解らないや。



「そぉ?それだけでも楽しいけどなぁ。それどころか、いつ振り返ってくれるか毎日がドキドキだよ。だから、なんて言うかなぁ。アイツを好きでいる限り、いつまででも努力し続けらるんだよね。それもまた楽しいしね」

「うわっ!!真性のドMや」

「かもね。でもね。誰がなんと言おうと、私と言う個人は、心身共に崇秀のモノに成りたい訳。だからアイツが、私をどう扱おうとアイツの勝手だし。私は、それに従うだけだよ」

「うわうわ、凄い発想やね。ウチの中ではなぁ。アイツって言う存在は『あわよくば』自分のものに成るかなぁって思ってる程度なんよね。眞子みたいな、そこまで特殊な思い入れはないなぁ」


あれ?


そうなの?



「でも、それってね。自分に自信があるから、そんな事が言えるんじゃないの?私は、なにも自信なんてものが無いから、そうせざるを得ないだけなんだけど」

「アンタ……アホなん?真性のアホなん?」

「なっ、なんで?」

「あのなぁ眞子。アンタはな。誰もが振り返る様な可愛い子やし。それに生粋の天然ちゃんで、女のウチから見ても、ホンマに女の子らしい。言い換えれば、男の理想を詰め込んだ様な女やねんで。それが自信ないって言われてもなぁ。なんやシックリけぇへんで」


まぁまぁ、その辺については、確かに多少なりとも確証は持ってるよ。

なんてったって、眞子に成って最初の内は、長期に渡って、そんな好感度バッカリ気にして行動してた時期があったからね。


しかもそれが、今となっては……完全に、その悪いクセが習慣付いちゃってる。

そして、それが元で、いつの間にか元の真琴ちゃんの原形を留めない様な『こんな性格に成っちゃった』訳だからね。


そりゃあ、ある程度、女の子の理想系に成ってもおかしくはない。


それに付け加えて、それが眞子って言う人間の『個性』に成っちゃってるんだから、飯綱ちゃんの言った『男の理想系』だって言うのも、強ち間違いじゃない。


……でも、そこは問題じゃないんだよね。



「あぁ、でもでも。例えばさぁ、それが崇秀以外の人に、そう思って貰えたとしても、それは、私が相手に興味がない以上、なんの意味も無い訳じゃない?しかも、そこで『変に慢心』しちゃったら、崇秀は、一生、私に振り向いてくれない。それじゃあ、本末転倒だよね。本当に意味が無く成っちゃう。だから私は、アイツが振り返るぐらいになるまでは、いつまで経っても『もっと』であり続けなければ成らないの。貪欲じゃないと、崇秀の心は、絶対に惹き付けられないからね」


……っと言う結論なんですよ。


解りましたか?



「ハァ~~~、なるほどねぇ。奥が深いなぁ眞子は。とても同い年やと思われへんわ。ちょっと精神が壊れてるね、アンタ」

「ははっ……かもね」


早い話、あの超特急仲居間号に突き放されて、置いてけ堀を喰らわない為には、少々常識を破壊しないとダメなんですよね。

だから、ある意味『壊れてる』って言うのは正解。

『常軌を逸した考え』を持たないと振り向いて貰う貰えない処か、気付いてさえ貰えない可能性があるからね。


それが出来なきゃあ『崇秀を好きで居る』なんて、とても言えないと思うよ。


まぁ、そこは個々の捉え方の違いだから、なんとも言えないけどね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたです<(_ _)>


いやまぁ、普通に考えたら『エディさんを誰かに譲る』なんて選択肢はほぼほぼないですよね。

最低でもキープして置く可能性が高いですしね。


でも眞子は、そんな事はお構いなし(笑)

崇秀以外が眼中にないと言わんばかりに、エディさんを美樹さんに譲った。


まぁでも、本当の所を言えば『こうやって好きな者同士がくっ付くのが一番ベスト』なんですけどね♪


さてさて、そんな中。

この後、タクシーを拾った2人が返って来るのですが。


果たして飯綱ちゃんの言った『川崎にあるバスケット場』とは如何なる場所なのか?


次回はその辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る