797 カップル成立!!そして伝わる飯綱ちゃんの良さ

 ほぼカップル成立しようとした瞬間。

飯綱ちゃんが再び放った『男女関係に於ける眞子の思想』


果たしてカップル目前の2人は、この意見をどう捉えるのか?


***


「そうかぁ。だから鞍馬は、最初から僕に『美樹の事が本当に好きじゃないんだったら送り狼にはなるな』って言ってた訳か。……大した思考だね」

「そやで。ウチかてなぁ。最初は『なにを言うてんねやろ、この子?気持ち悪ッ!!』って思ててんけどなぁ。途中でな。眞子が、そんなアホな事を真剣に言うてる事に気付いてん。正直、その時はビックリしたんやけどなぁ。逆に『他人の事を、此処まで想えるもんなんや』って感心もしたから、エドと、美樹を後押しする事にしたってんで」


これ自体は、飯綱ちゃんが言ってくれてる様な、そんなに格好の良い話じゃないんだけどね。

ただ、こんなに、みんなが私に親切にしてくれてるんだったら、なにか1つだけでも『良い形で、皆さんに恩返し出来無ものかなぁ』って思ってただけの話。


それを飯綱ちゃんが感じてくれ、上手く私の代弁をしてくれた。


結果としては、私は何もやっていないので、これは、そんなに褒めて貰う様な話ではなかったりする。


でもね、ことがどうあれ、知り合いには、みんな幸せになって欲しい♪って気持ちだけは嘘じゃない。


そうなる権利を、みんな持ち持ちな訳でしね。



「そっかぁ。鞍馬は、美樹だけじゃなく。最初から僕の事も、ちゃんと考えていてくれたんだね」

「そやで。この子は深いで。この子はなぁ。自分以外にも、もっとエドに合った女の子が居るって言いたかってんやろな。それが今回はエドにとったら、美樹やったって言う話。ウチも、ホンマにそやと思うよ。……まぁそやけど。全体的に言うても、この眞子って女は、ただのアホで、天然なだけやけどな。しかも、性質の悪い方の」


結局、天然ですか……


しかも、何処まで行っても性質が悪い方なんですね……


(;´д`)トホホ……



「ねぇ、眞子。けど、そんなにエディさんと、私って相性良いかなぁ。そこまで言われると、ちょっと自信が無いんだけど」

「100%合ってますよ。なんで今更、そんな当たり前の事を聞くんですか?」

「即答?」


うん?

即答も何も、美樹さん、今更なに言ってんだろ?


だって、エディさんみたいな天然タイプの男性はですね。

美樹さんみたいなシッカリした女性じゃないと、気付かない内に、ふわふわと自由に、どこかに飛んで行っちゃいますよ。


だからシッカリと、その鍛え上げられた大きめのお尻の下にエディさんを轢いてあげて下さい。


出来ればカカァ天下希望です。



「そりゃあそうですよ。美樹さん程、エディさんに適した人は居ませんからね。これ程のベストなカップルって、そうは居ませんよ」

「そっ、そうかなぁ」

「それとも嫌なんですか?エディさんの事、嫌いですか?」

「そっ、そんな訳ないじゃない。まだ大好きだとかじゃないかも知れないけど。もっと一緒に居たいって思ってるのは本当だし。エディさんと一緒でね。もっと相手の事を知りたいと思ってるよ」


素直な人ですね。

でもでも、そう言う気持ちになって貰えて嬉しいです。

美樹さんは、なにがあっても、自分の安売りなんかしちゃダメなんですからね。


ホント、そう言う馬鹿げた行動を取るのは勿体無いですから。



「あの、じゃあ、エディさん、美樹さんと付き合ってあげて下さい。私は、美樹さんの事を、奈緒ネェ同様に『姉』だと思える様な素敵な女性なんで、なにからなにまで保証しますよ。お買い得ですよ」

「そっかぁ。けど、それは僕から、美樹にお願いすべき事だね。……美樹、こんな僕だけど、付き合ってみてくれるかい?」

「えっ?えっ?本当ですか?本当に私なんかで良いんですか?」

「正直言えば。まだ本当の所は、どうなのかは解らないんだけど。もし、一緒に居たいって気持ちが同じなんだったら、まず美樹には一緒に居て欲しい。そうしてくれるかい?」

「あっ……あぁ、はい!!喜んで受けさせて貰います」

「そっかぁ。良かった」


マジですか?

此処に至るまでの経緯には色々ありましたが、本当に、なにもかにも上手く行っちゃいましたか?


いやいやいやいや、でもでも、良かったですよね。

『一夜限り』なんて、体を安く売れば誰にでも出来るツマラナイ関係で終わらなかっただけでも、これには大きな価値が有りますよ。


まぁ後は、此処からは2人の問題なんで、私も余計な口出ししませんけどね。



ただ言って置きますけど、これは投げっ放しじゃないですよ……多分。



「それにしても、鞍馬と、飯綱には、色々とお世話になったね。なにか、お礼出来る事はないかい?」

「私は、なにもイラナイですよ。美樹さんを大切さえして貰えれば、それで十分です」

「もぉ、眞子ッたら……」

「ははっ……お節介でしたね」

「まぁ、鞍馬の期待に応えられる様に、出来る限り美樹を大切にするよ。……ところで飯綱は?飯綱は、なにかして欲しい事はないかい?」

「ウチかぁ?……して欲しい事やったらあるよぉ」


この場でも、平然とお礼を要求出来る、この子って凄いよね……


今度は、なにを言う気だろ?



「なんだい?僕に出来る事なら、なんでも言ってくれて良いよ」

「それやったらバスケしたい。今すぐしたい」

「へっ?バッ、バスケ?こんな時間に?なんで、また急に?」


ホント、なんでバスケ?



「わからんかなぁ?誰かさん等のせいで、普段、使えへん様な気を遣こうたから、汗でも掻いてスッキリしたいの」

「そう言う事を言うんだ」

「そら言うわ。アホちゃうか。2人で東尋坊に行って死ね」

「「ウグッ!!」」

「大体なぁ。2人してドン臭過ぎやねん。他人がどうこう言わんでもなぁ。最初からアンタ等2人の相性は良かったんや。それをワザワザこんな風に遠回しに言うたってたんやから、それぐらいしてくれても、えぇんちゃうん?寧ろ、当然の報酬やわ」

「けど、飯綱。バスケをしたいのは良いんだけど、こんな時間にバスケットをする所なんてあるのかい?」

「そこは心配ご無用や。川崎にな、悪ガキばっかり集まるバスケット場があんねんけどな。そこやったら、まだアホ共が一杯居る筈やから、取り敢えず、行ってみようや。……但し、川崎までのタクシー代は、世話を掛けたエドと、美樹持ちやで」

「あぁ、それなら、僕が全額持つよ」

「アカンね。この責任は、アンタ等2人がやらかした事の結果やねんから、ちゃんと2人で割って。そやないと意味無いやろ」


これって……『初めての共同出費です』って言う話ですかね?


それとも、お互いの意思の確認の為に言ってる?


……後者ですね。



「あぁ、そうだね。なら、私も出す出す」

「当たり前やんか。……って言うか。はよ、2人でタクシー拾て来て」

「我儘だなぁ」

「我儘はドッチやのん?こんなショウモナイ話に、長々と付き合わせてからに」

「酷い……」

「全然酷くない。って言うか、ゴチャゴチャ言うとらんで、はよ行き。このアホカップル」

「アホカップルって、酷い……酷すぎる」


傍若無人だ。


しかも……神の領域で傍若無人だ。


【Nao with GREED-LUMP】エディさんと【Fish-Queen】の美樹さんに、こんな傍若無人な振る舞いをする人間は、恐らく、崇秀と、飯綱ちゃんぐらいのもんだよ。

しかも、飯綱ちゃん一般人なのに、平然とした顔をして芸能人である2人をパシリに使ってるし。


飯綱神楽……本当に何処までも恐ろしい子!!


あぁでも、今回の一件で、飯綱ちゃんを警戒してた美樹さんにも、彼女の良さが伝わったかもですね。

確かに飯綱ちゃんは口も悪いし、行動も中学生とは思えない様なエゲツナイ行動を平然とした顔でとるのですが、私も、今回の美樹さん同様、こうやって学校では彼女には助けられましたしね。


ホント飯綱ちゃんは頭も良いし、なにより他人の気持ちがよく解る、心の綺麗な良い子なんですよ♪


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


多彩な表現力を持つ者は、どんな場でも強い。

そして、その影響力が強ければ強い程、その人物に魅了されてしまい。

『リスクを度返しにしてでも付き合いを持ちたくなる』って言うのを、今回は飯綱ちゃんが完全に実践してきましたね。


なのでこれこそが、飯綱ちゃんが如何に傲慢であっても、誰に対してでも人気になる証なのかもしれません(笑)


人の気持ちが解らない様な人間が傲慢に振舞っても、普通なら誰にも相手にされないだけの滑稽な行為ですしね。


さてさて、そんな中。

今後、飯綱ちゃんのリクエストで、川崎にあるバスケ場にみんなで行く様な雰囲気に成って来たのですが……


その前に、少し眞子に対して、飯綱ちゃんが気になった事がある様なので。

次回は、その疑問についてのお話を書いていきたいと思います。

ですので良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る