796 言葉巧みに欠点を利点に変える方法

 ドンドンと良い方向に向かって行くエディさんと美樹さん。

そんな美樹さんから『なんで、こんなに後押ししてくれるの?』っと言う素朴な質問が飯綱ちゃんにぶつけられた。


すると飯綱ちゃんは『眞子の影響やで』っと答えるのだが、その真意は?


***


「あぁ、そう言う事」


いや、だから、なにがですか?


私には、何の事やらサッパリ解らないんですけど(´;ω;`)ブワッ



「ちょっと待って下さい、ちょっと待って下さい。一体、なんの話をしてるんですか?」

「アンタは、なんも解らんでえぇの。そのまま、一生天然で居とき」

「ちょ!!やだよ、やだよ。ちゃんと教えてよ」

「嫌ッぷぅ~~~」

「ちょ!!……」


『嫌ッぷぅ~~』じゃないよ!!


そんな意地の悪い事言わずに、ちゃんと教えてよぉ!!



「まぁまぁ、生粋の天然娘は放って置いて……エド、美樹に、なんか言う事あるんとちゃうんか?男やったら、バシッと『好きな女の子』を喜ばしたりや」

「そうだね。此処は、男の僕から言うべきだね」

「偉いやんか。ほんだら、そんなエドには、朗報を1つ教えたるわ」

「うん?良い事ってなんだい?」

「ふふっ……美樹なぁ、派手な事してるし、このルックスやけどな。……この子『本物の処女』やで」

「ぶっ!!ちょ!!ちょっと……なんでそんな事を知ってる訳?」


それ……何所からの情報?

って言うか、美樹さん、いつも奈緒ネェや千尋さんとエロイ話ばっかりしてるんだけど、あれって……嘘話だったんですか?


俗に言う、女の見栄って奴ですか?



「処女って……美樹は、初めてだって事かい?」


あぁ……それにしても、上手い売り込み方だぁね。

こんな手を最後に持ってくるなんて、凄いの1言に尽きるよぉ。


いやまぁ、此処は男性なら直ぐに解って貰える感覚だとは思うんだけどね。

実は男性って『女の初物』って言葉には非常に弱い生き物なんだよね。


そりゃあね。

表面上では『処女なんて面倒臭い』なんて言葉を口に出して言うけど、その実、その子の初めての相手が自分だって事が……凄く嬉しかったりする。


そう言った男性心理を突くなんて……なんとも狡猾な手口だ。


けど、飯綱ちゃん……本当に、なんで『美樹さんが処女』だって事を知ってるの?



「そぉそぉ。そやからなぁ。エド次第では、美樹を『自分好みの女』に変える事も出来るんやで。この子はな、ホンマ、真っ白な子やで」

「そっかぁ。美樹を、僕が……」


あっ!!エディさん、なんか確実に妄想してるね。

異性に、こう言う『妄想』や『幻想』を抱かせるのも、恋愛の初期段階では重要なポイント。

それだけでも男性て言うのは気持ちが楽しくなるし、その『未来予想図のビジョン』さえ湧かせてしまえば、相手と付き合ってみたくもなる。


まぁまぁそれ以前に、美樹さんと付き合いたくない男なんて、早々居ないとは思うけどね。


それだけに効果は抜群。


尋常じゃない破壊力だね。


……けどね。

それが美樹さんにとっては理解しがたい話だから、エディさんがアッチの世界に飛んで行ってる隙に、美樹さん、飯綱ちゃんに、なにかを耳打ちしながら『ひそひそ話』をしてる。



「ちょっと飯綱ちゃん。何所で知ったのかは知らないけど。私、この年で『処女』って事で引かれてない?」

「あぁ、なんや、当たってたんや」

「えぇ~~~!!あてずっぽうなの?」


適当だった!!



「まぁまぁ、そないな事ぐらいで心配しな。大丈夫やって。もしそうであっても、モノは言い様やで。なんやったらウチが、エドにトドメ差したろか?」

「トドメって……なに?」

「ふふっ……まぁ見ときって」


あの顔は、絶対に良からぬ事を考えてるなぁ。

あぁ言う悪い顔を、奈緒さんも、崇秀も良くやる顔だから、此処だけは確信が持てる。


今度は、なにするつもりなんだろう?


怖ッ!!



「そやけどまぁ、エドは、ホンマにラッキーやったねぇ」

「えっ?あっ、あっ、なっ、なにがだい?」

「アホやねぇ。アンタなぁ、さっきから自分の立場ばっかり考えてるみたいやけど。美樹かて、日本ではアンタ同様の売れっ子なんやで。そんな子に対して、今まで他の男が言い寄って来てなかったとでも思ってんのか?」

「あっ……」

「美樹程、可愛くて、性格のえぇ子なんか、あの糞ッタレな業界やったら、そないそないには居れへんで。しかも、そんな場にありながらも、自身の貞操を今まで守って来た子に好かれるやなんて、冷静に考えんでも、贅沢にも程があるんちゃうんか?……ちょっとは、自分の事ばっかり言うてやんと、相手の立場って言うもんも考えてみぃや」

「あっ、あぁ、確かにそうだね。さっき見たけど、美樹のダンスは凄かったからねぇ。人気に成るのも頷けるよね」

「そやろ。その上、美樹は『正真正銘の処女』なんやで。ホンで、今日のこのチャンスや。アンタ、ひょっとしたら、今日1日で、一生分の運使い果たしてるんちゃうか?まぁ、それが上手い事行くのも、行かへんのも、最終的には『美樹次第』やろうけどなぁ」


うわ~~~『処女の件』を、どうやってうまく持って行くのかと思ったら、そうやって話を持って行くんだぁ。

いつの間にか美樹さんの立場と、エディさんの立場を『言葉巧みに逆転』させてる。


まるで『今日しかチャンスが無い』みたいな言い様だ。


これは、確かに有効な手立てだ。


『処女』の件があるだけに、男なら確実に焦るだろうしね。


ってか、飯綱ちゃん、そんな事を考えてたんだ。


……ホント怖ッ!!



「……出逢いかぁ。確かに、この出逢いが有ると思って、鞍馬の家には来てないからなぁ。なるほどねぇ。そう言われてみると、中々、奇跡的な話って言う気もするなぁ」

「そぉそぉ。もし、これがなぁ。少しでもエドの来日が遅れとったら、全く出逢えへんかったかも知れへん訳やろ。それに美樹が、他の男に落ちてた可能性すらある。やから、この美樹との出逢いって言うのは中々稀少な出会いやと思うよ」

「そうだね。……正直、最初は『H出来れば良いかなぁ』程度にしか思ってなかったけど。こうやって改めて考えると、安易な事にならなくて良かったと思うよ。美樹との関係で『一夜限り』の付き合いなんて、勿体無いよね」


あぁそれです!!

まさに、それなんですよ!!

相手の事を上辺だけ見てHするなんて、無意味で愚かしいだけの行為なんですよ!!


私もですね。

エディさんには、そうやって美樹さんの中身を見て欲しかったんですよ。


ヤッタァ!!


……でもね。

これ全部、飯綱ちゃんのお陰なんだよね。


ははっ……解ってても、表現出来無いって情け無いね。


あぁ後エディさん、やっぱり美樹さんとはHはしようとは考えてたんですね……

飯綱ちゃんの言葉に惑わされて、完全にボロが出てますよ(笑)



「そう言う事やね。まぁそれがなぁ。眞子が、最初から言うてた男女間の真理やで。この子はなぁ、最初から、そう言う事を考えてたって話や」


あっ……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


本来は処女は、別に『欠点』っと言う訳ではないのですが。

美樹さん位の年代の子達って言うのは『処女である事』を、異様に恥ずかしく思う傾向があるのもんなんですよ。

実際『モテる・モテない』の指標にもなってますしね。


ですが、その程度の欠点と思われる部分なら……物は言い様。

欠点を利点に変化させる事なんて、そんなに難しい事ではないんですよね。


まぁまぁ、この辺りも、飯綱ちゃんだったからこそ出来た事なのかもしれませんがね(笑)


さてさて、そんな中。

また最後に飯綱ちゃんが、エディさんや美樹さん達に、眞子の想いを伝えた訳ですが。


果たして、これでキッチリと眞子の意思は、エディさんには伝わったのか?


次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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