784 美樹さんと千尋さんをアピールしてみる

 飯綱ちゃんがサポートに回ってくれた事で、場の雰囲気が一気に和んで来た。

そんな中、美樹さんが、エディさんを本気で気に入ったのか、色々と彼のサポートし始めた。


それを見た眞子は、またお節介な事を考え始める(笑)


***


「あっ、そう言えば、千尋さん」

「うん?どうしたの、眞子?」

「今日、美樹さんと一緒にお仕事だったみたいですけど、明日のお仕事も、ご一緒するんですか?」

「うん?なに急に?」

「いえ。……折角、こうやって盛り上がってるんですが、明日もお仕事だったら大変だなぁって思って……それにお2人が帰ったらツマンナイなぁって思いまして」

「あぁ、それなら心配は無いよ。私ならOFFだよ。あぁ、確か美樹も、明日はOFFだったんじゃなかったっけ?」

「あぁうん、明日は休みだね」


まずは、こうやって仕事をしてるアピール。


この2人は、ただの学生だと思ったら大間違いですよ。


只者じゃないんですよ。



「良かったぁ。じゃあお2人共、今日は、久しぶりに、ゆっくり出来ますね」

「まぁまぁ、普段から、そんなに忙しい訳じゃないんだけどね」

「そんな事あれへんやん。千尋も、美樹も、アッチコッチで引っ張りダコの売れっ子さんやんか」


流石、飯綱ちゃんだ。

空気を読んでくれたのか、此処で私が一番欲しいフォローを入れてくれた。


でも、この子、バックアップに廻っても、場を廻すのが上手いね。


これは所謂『空間の支配者』って奴ですかね。


ちっちゃいから、ポケモンとかに出て来そうですね。



「ほぉ、そう言うって言う事は、2人共、もぉ仕事をしているのか?」


あぁ……標的であるエディさんじゃないのが少し残念だけど、取り敢えずは、ホランドさんが、この話に喰い付いてくれた。


この様子からして、ホランドさんも美樹さんや千尋さんに興味はあるみたいだ。



「なんだ?旦那、知らなかったのか?俺ちゃんは、一目見た時にはもぉ直ぐに気付いたけどなぁ。この2人って、日本じゃ、かなりの有名人だぞ」

「そうなのか?これは、どうも失礼な事を言ったみたいだな」

「まぁ、言うなれば最悪だな」

「あぁ、まぁまぁ、東洋の島国の芸能人なんて、普通知りませんって。特に私達みたいなマイナーになれば尚更」

「そぉかぁ?十分有名だと思うぞ。それにな。そんな事を言ったら、奈緒ちゃんも、仲居間ちゃんだって日本出身だぞ。だからそれってよぉ。結局は、他国の芸能人情報を得て無い証拠なんじゃね」


あっ……勝手に話が進みだした。


……って言うか、まさかとは思うんだけど。

この状況を見る限りでは……千尋さんって、本気でホランドさんを狙ってない?


あの……この場合、カジ君の立場は?



「確かにそうだな。情報不足で、すまなかった。失言だ」

「そんな、そんな。謝って頂かなくても、全然良いですって」

「いや、これは明らかに旦那が悪い。それ程、千尋ちゃんも、美樹ちゃんも、かなりの有名人だからなぁ。それを知らないじゃあ、ちょっと業界の人間としては恥ずかしいんじゃねぇか」


これこれ、ディックさん。

そこでホランドさんを、あんまり責めちゃダメだって……


……にしてもディックさんって、ホント、こう言う所だけは真面目なんだよね。


……って!!ちょっと待って!!

まさかとは思うけど……この状況、ディックさんまでもが千尋さんの事を気に入ってないよね?

『朴念仁』と『お馬鹿ちゃん』と『芸人ねぇさん』の三角関係とかいらないよ!!

+カジ君をそこに入れたら地獄の様な四角関係!!


辞めてぇ~~~!!



「確かにそうだな。そこはデクの言う通りだ」

「だろ。……千尋ちゃんも、美樹ちゃんもスゲェんだぜ」

「ほぉ。しかし、デクが、そこまで絶賛するのも珍しいな。それ程のものなのか?」

「あぁ、2人共、最高に勃起もんだぜ」


そこの表現は、相も変わらず最低ですね。

もぅちょっと言葉を発する前に、言葉のオブラートには包みましょうね。


オブラートなら、そこの救急箱に入ってるんで勝手に使って貰っても結構なんで。



「なぁなぁデク。話に割って入って悪いんだけど。実は、僕も2人の事を良く知らないんだよね。この2人って、そんなに凄いものなのかい?」

「オイオイ、ウチのバンドは、どうなってるんだ?ちょっとはシッカリしてくれよな。……あぁそうだ。だったら姫ちゃんよぉ。論より証拠、なんかこの2人の映像とかないか?」


やっと来た!!


そのセリフを待っていましたよ!!



「あぁ、有りますよ。奈緒ネェが、昔から集めてるのなら、いっぱい有りますよ」

「へっ?ちょ!!ちょっと眞子!!……辞めてよ。それ、なんの嫌がらせ?」

「嫌がらせじゃないですよ。美樹さんは、いつも格好良いじゃないですか」

「ヤメテ、お願いだから……昔の映像なんて恥ずかし過ぎて、この場で死んじゃうって」

「えぇっと……ヤです。なんかディックさんの話を聞いてたら、久しぶりに見たくなったんで、お2人の映像を流しちゃいますね」

「へっ?2人?……ちょ、ちょっと待とうか、眞子。なんで私の分まで有る訳?」

「えっ?だって千尋さんって、昔、奈緒ネェと『地元の歌謡荒らし』とかやってたじゃないですか。だから、その時の映像から有りますよ」

「奈緒……あの鬼ババァだけは、なんてもの残してくれてるのよ」


奈緒ネェは鬼ババァじゃないです!!

寧ろ、あのお方は、慈愛に満ちた天使みたいな人ですよ!!


だから、そう言う事を言う人には、奈緒ネェが厳選した『秘蔵映像』を流しますからね。


千尋さんが初めて賞を貰って、顔を真っ赤にしながら、棒読みでコメントしてる奴とか……etc



「いやいや、奈緒ネェは、そう言うの、結構、大事に取ってますからね。だから千尋さんのは、美樹さんのより、ズ~~~ッと前のから有りますよ」

「あっ、あの~~~、眞子さん……あぁ、いやいや、眞子様。後生だから、そういうのはヤメテくれない?いや、辞めて下さい」

「ヤですよ。さっき、奈緒ネェの事を鬼ババァって言ったから辞めませんよ」

「ゴメンって……」


ダメです。

そうやって謝っても、梃子でも辞めませんよ。


初めてコンクールに出て、上ずった声を出す小学生の頃の千尋さんの映像とか……etc



「まぁまぁ、お2人さん。そんなに恥ずかしがる事はないんじゃないか?誰しも、初めての時代はあるもんだ。それを恥ずかしがるのは、些か変だと思うが」

「そぉそぉ。僕達にだって、聞くに堪えない様な『音源』が沢山残ってるからなぁ。……でもさぁ、偶に、それを聞くと『その時也の必至さ』ってのがあって、かなり良いもんなんだよね」

「……って事なんで、姫ちゃん宜しく」

「あっ、はい♪」

「眞子……絶対、一生恨むからね」

「……今度、覚えとけよぉ」


はい?なんか言いましたか?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


眞子のお節介が上手く嵌ったのか。

男性陣が、今まで以上に美樹さんと千尋さんに興味を持ち始め、彼女達の過去映像の鑑賞会が始まる様ですね♪


えぇこっちゃ、えぇこっちゃ。


なので、後、問題なのは、その映像を見た時の男性陣の反応。

果たして、それは如何なるものになるのか?


次回は、その辺りの反応を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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