777 負けられない戦いがそこにはある
一緒に食事を摂る了承はアッサリと取れたものの。
眞子の知り合いが男性だと解った瞬間、美樹さん達は、眞子に時間稼ぎを要求して来る。
その理由は言わずと知れた『彼女達の美意識の高さ』が問題なのだが……(笑)
***
……ハイ、ってな訳でございまして。
今回の犠牲者の眞子は荷物運びを終えて、三度(みたび)柳田さんの店に戻ってまいりましたが、多分、恐らくは、絶対に、美樹さんの指定時間内には全てが終わらないと思うので、此処は30分程の猶予を考慮した方が良いでしょう。
なんてたって、あの人達の美意識は奈緒さん同様に高いですからね。
故に、此処での引き止め時間は約1時間半って感じで見積もっております。
もしそれでもまだ時間が足りない場合は、最低限向こうから連絡が入るだろうしね。
けど……どうしたもんかね?
奈緒グリの男性メンバーを、どうやって引き留めたもんかな?
「眞子。悪いんだけどさぁ。そろそろ本格的に、お腹が空いて来たんだけど。まだ時間掛かりそうかい?」
「あぁ、すみませんね。でも、みんな気合入れて料理を作ってくれるらしくて、もぉちょっと時間を下さいね」
「そっか。まぁ、もてなしてくれるなら待つしかないよね」
空腹の所、ごめんなさいね。
でもですね。
あのまま突発的に、ウチの家に皆さんを連れて行ったら……多分、私、皆さんが帰った後、確実に全員で『袋叩き』にされるんですよね。
だから、此処でのロスタイムは許して下さい。
ホント必要以上に美意識が高いんですよ、あの人達わ。
「それはそうとよぉ、姫ちゃん」
「はいはい、どうしました?」
「その姫ちゃんの友達ってのは、可愛いのか?」
まぁ、当然、男性ならそこは気になりますよね。
ディックさんが、そう言う気持ちに成るのもよく解ります。
でも、そんな心配はご無用です。
美樹さんも千尋さんも飯綱ちゃんも滅茶苦茶レベルが高いです。
「あぁ、はいはい。そこに関しては、それは、もぉ折り紙付きの可愛さですよ。私なんかと比べ物に成らないぐらい、神の領域に踏み込だ可愛さと言っても過言じゃないですね」
「えっ?そっ、そんなに可愛いのか?」
「あぁ、はい。もぉビックリして、アメリカンコミックみたいに、眼ん玉飛び出しちゃうレベルですよ。……ビヨ~~~~~~ンって感じで」
「そっか、そっか。……んじゃま、まだ相手方も時間が掛かりそうだし。俺ちゃんは、ちょっくら出掛けて来るとすっかな」
「へっ?」
「あぁ、そうだね。じゃあ、僕もデクに付き合おうかなぁ」
うわっ!!ちょっと待って!!ちょっと待って!!
あちらのお姉さん方同様に、まさかコッチにも変な所に火が付いちゃったの?
ダメだよ、ダメだよ。
アナタ達はアメリカを席巻してる【Nao with GREED-LUMP】のメンバーなんだよ。
此処で変な事を考えちゃダメだよ。
……っと思っている間に、エディさんは、滞在用の携帯電話の番号を私に渡してきた。
ダメだ、こりゃあ。
「オイ、オマエ達、一体、どこへ行くんだ?なにか大切な用事でも出来たのか?」
あぁ……ホランドさんは、エディさんや、ディックさんみたいなタイプじゃないから、こう言う彼等の行動原理が、よく解らないんだね。
……でもね。
この流れからして、多分、ホランドさんは問答無用で連れてかれるよ。
「ほらほら、なに言ってるのさぁ。ホランドの旦那も一緒に行くよ」
ほらね。
私の言った通りでしょ。
「なんの話だ?私を、一体、どこに連れて行こうと言うのだね?私は此処で、眞子とゆっくり話をしていたいんだがね」
「良いから、良いからよぉ。ゴチャってねぇで、取り敢えず、横浜まで行くぜ、旦那」
「うわっ!!ちょ!!ちょ!!ちょっと待て!!オマエ等!!離せ離せ!!……」
あぁ~~~あっ。
やっぱり、強制的に連れてかれちゃったよ。
可哀想に……
それにしてもホランドさん、あれじゃあ『FBIに捕まった宇宙人』だね。
本当に、意味も解らず巻き込まれて、可哀想なホランドさん。
そんなアナタには……
「いってらっしゃ~~~い♪用意が出来たら、電話しますねぇ」
よっしゃあ!!
これで私にも、風呂に入る時間が出来たよぉ!!
早速、入浴しよ♪
……ってか。
既に、合コンだよね……これ。
***
……そんな訳でして。
男女が、完全に分かれた状態で、なにやら『お互いが、絶対に負けられない戦い』が始まってるみたいなんですよ。
まぁまぁ、そうは言っても私は、崇秀一筋の女ですので、この会に居ても、ある意味『不参加』なんですけどね。
所謂、仲介役です。
……にしても、みんな気合の入り方が凄いね。
私は、ほら、一応『あれ』だからさぁ。
眞子として合コンに参加するのって初めてなんだけどね。
この女性陣の気合の入り方には驚いた。
まだ相手が、どんな人かも解らないのに、そこまで、みんな、毎回の様に、これだけの気合入れるんだね。
特に思ったのは、美樹さんと、千尋さんは芸能人なんだから、一般人の方達よりかは遥かに良い出逢いとかが一杯有りそうなもんなのにね。
『そんなに気合入れなくても良いんじゃないですか?』って、言いたいぐらい気合が入ってる。
無駄に凄い。
……っで。
そんな中にあって、一般人代表の飯綱ちゃんなんだけど。
ヤッパリこの子も、どこから、どう見ても全開に気合が入ってる。
なんと言っても、特筆すべきは『薄化粧』の仕方が、特に上手い。
完全に飯綱ちゃんの可愛い系の顔にフィットした。
なんの違和感も感じないナチュラルなメイクを、風呂上りに手早くササッっと施している。
どこで、あんなテクニックを憶えたのかは知らないけど、あんなの中学生が出来る手際の良さじゃないよ。
故に……此処に居る皆さんが、色々な面で怖い。
ガクガク、ブルブル。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
合コン……それは人を狂わせる魔性の言葉(笑)
なんて仰々しく言ってみたものの。
実際の話、こうやって着飾って見栄えを良くしたくなるのは男女共に同じ。
なのでこれこそが、絶対に負けられない戦いの正体なのかもしれませんね(笑)
さてさて、そんな状態なので。
美樹さん達に頼まれた時間は、眞子が一言二言話しただけで解決したのですが。
次回は、どの様にお互いコーディネートしたかの話を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます