775 買い物に行かなきゃね

 奈緒グリメンバーの突然の来訪に眞子が驚く中。

エディさんがお腹が空いている事が判明し、夕飯をごちそうする事に。


だが、今家にある食材では足りないと踏んで……(笑)


***


 ……っで、この後。

まずは、追加分の食材を買いに行かなきゃならなくなったので、誰かに荷物持ちを頼んでみたら、何故かイキナリ柳田さんの店の中でジャンケンを始められた。


その瞬間、ご飯を作ってあげるんだから『それぐらいは嫌がらずにしてくれても良いじゃん』って思ってたんだけど。

実は、このじゃんけんには裏があってね。

嬉しい事に、このジャンケンで負けた人が此処に残って、勝った人が私と一緒に買い物に行くって言うのを決めるジャンケンだったらしいのよ。


これは私にとって、凄く嬉しい誤算だった。


こう言っちゃあなんだけど……多分ね。

全米で人気絶頂のバンドである【Nao with GREED-LUMP】のメンバーに、こんな贅沢なジャンケンをして貰える人なんて、世界中探しても私ぐらいのものですよ。


ははっ……これなら、心の中で文句なんか言ってないで、もぅちょっと皆さんに気を遣った方が良かったかな?


***


 ……んでね。

最終的にジャンケンに勝ち残って、私と一緒に買い物に行く事になったのはエディさん。


これはナイスな勝者ですね。


って言うのもね。

ホランドさんもディックさんも元々インドア派だから、ある意味、これから買いに行く様な大量の食材の荷物持ちには、あまり適さないんですよね。

その点エディさんは、このお2人と比べても、昔から運動をしていたらしいし、見た目で解るぐらい筋肉が付いているから、この3人の中じゃ一番体力がある感じなんですよ。


だからこの場合、エディさんがジャンケンで勝ってくれた事が最適だって言う訳ですね。


でもなんか、こうやってエディさんと並んで歩いてるだけで、アメリカで、よく一緒にご飯を食べに行ったり、街中を2人で散策する機会が多かったから、妙に懐かしい感覚に陥ったりするもんですね。


ホント、あの全米ドサ廻りライブでは、よくエディさんと遊びに行ったもんですし。


……でもね。

そうやって楽しく思う反面、此処では重大な問題もあるんだよ。


なんてたってエディさんって無駄に身長が高いし、見るからに外人さんでしょう。

その上、これまた無駄なまでにイケメンさんなもんだから、ただ単に一緒に道を歩いてるだけで目立つ事、目立つ事。


付け加えて、この人、凄く『人懐っこい印象を与える人』だから、そうやって一緒に歩いてるだけで地元の方達が殆ど振り返るんだよね。


いやはや……これに関しましては、ちょっと照れちゃう感じですね。


……まぁそんな風にしながらも、いつも私が買い物に行く近所のスーパーに到着したんだけど。

此処でとうとう【Nao with GREED-LUMP】や、エディさんを知る熱烈なファンに捕まっちゃて一瞬にして店内は揉みくちゃにされた。


そしてこの瞬間に私は『有名人に荷物持ちなんて頼むもんじゃないなぁ』っと言う後悔の念が頭の中で渦巻いていた。


冷静に考えなくても……これは失敗でしたね。


でも、そんな風に嫌な事が有れば、良い事も有るのが人生。

そんな風に揉みくちゃにはされたものの、その大人気者のエディさんのお陰でラッキーな事もあったんですよね。


それが何か?と言いますとね。

実は、此処の店長さん。

奈緒さんが上星川に住んでいた事すらも知ってる程の、強烈なぐらい【Nao with GREED-LUMP】のファンだったらしく。

エディさんが愛想良く色紙にサインをしてから、店長さんと一緒に写真を撮ったら……なんとですね!!


普通に買う筈だった大量の食材を『その店長さんのご厚意でタダでゲット』しちゃいました!!


やっ、やったぁ♪

こっ……これで私の財布は、なに1つ痛まない。


ぶっちゃけ言えば、折角訪ねて来てくれた皆さんの為にも、こうやって夕食を奮発する気ではいたんだけど。

この大量の食材を普通に購入した場合、私にとっては、心の中では泣く程のかなりの痛手でしたからね。


それが全部無料って……


助かったです……ありがたや、ありがたや、としか言い様がないですね。


でも、なんか、最近……なにかとケチ臭いね、私って。


ははっ……リアル貧乏ですから……


***


 ……ホンで30分程してから、2人して抱え切れない程の両手一杯の荷物を抱えて、柳田さんの店に戻って来た。


……ってか、これ、一体、何人前ぐらいあるんだろうね?

冷凍するにも、冷蔵庫の容量を考えると、ちょっとピンチな感じがする量ですね。


あぁでも……今日は千尋さんが居るから、これ位なら大丈夫か。


欲豚ネェさん、気持ち良いぐらいよく食べるしね。


まぁまぁ、そんな事を考えながらも、一旦、此処は家に戻って、家で待ってくれているお3方に『奈緒グリのメンバーも一緒に食事をしても良いか?』って聞いて置かなきゃ成らない。


何も言わずに、このまま皆さんを連れて行ったら、なんか怒られそうな気がしないでもないですしね。


故に再度、この男性陣には、柳田さんの店で待って貰って、私は急いで家に戻り。


お嬢様方に、お伺いを立てに行く。



しかしまぁ、あれだねぇ。

なんか今日は、アッチに行ったり、コッチに来たりと忙しい日だなぁ(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


眞子……一見するとケチ臭い事を言ってますが。

一人暮らしをしてから経済観念が付いたのかして、主婦みたいな考えに成ってますね(笑)


まぁ、奈緒さんが生活費を送って来てくれているので、実際は、そこまで逼迫した生活をしている訳ではないのですが。

流石にそれを、気持ち的にも湯水の如く使う訳にも行きませんし。

もしもの為の箪笥貯金なんかもしておりますので、こんな感じに成ってる次第でございます。


さてさて、そんな中。

食材をゲットした眞子は、その荷物を持って飯綱ちゃん、美樹さん、千尋さんにお伺いを立てに行く訳なのですが。

果たして、そう簡単に上手く行くのでしょうか?


なにか波乱の予感が……


ってな感じの話を次回は書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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