773 眞子さん家への来訪者
飯綱ちゃんの私生活を鑑みて、彼女との同居生活をする事を決意した眞子。
果たして、この破天荒コンビな2人は上手くやって行けるのか?
……なんて思っていると(笑)
***
そんな感じで、早速、家に到着して、少し間2人で談笑しながらゆっくりしてたら……
「眞子居るぅ~~?」
……っと、突然、何の前触れもなく美樹さんがやって来た。
そうなると当然……
「眞子ちゃん、なんか食べさせておくれ。千尋おねぇさん。お腹が空いて死にそうなんだけど」
……っとまぁ、食の欲豚姉さん事、千尋さんも一緒に現れた。
このお2人は仲が良くて2人でうちに訪れて来れる機会が多いので、美樹さんが来てくれた瞬間、そうじゃないかなぁとは思ったんだよね。
そんで、そんな風に美樹さんと一緒に現れた欲豚ネェさんが飯綱ちゃんを見た瞬間、そんなにお腹が空いてなかったのか即座に反応した。
「眞子ちゃん……」
「ダメですよ。持って帰っちゃあ」
「あの……まだ、なにも言って無いんだけど……」
「じゃあ、なんですか?」
「その小さい子、持って帰って良い?ってか頂戴!!」
「結局、持って帰ろうとするんじゃないですか」
「じゃあ、良いの?」
「ダメです。飯綱ちゃんは、私の大切な友達なんで、千尋さんには貸してあげません」
「この二代目鬼ババァめ」
「最低な渾名ですね」
……っとか言う風なやり取りが自然に出来る位。
美樹さんも、千尋さんも、仕事の忙しい合間を縫って、こうやって偶に私の様子を見にきてくれてる。
結局、ナンダカンダ言っても、私の事を心配してくれてるんだよね。
「ところで眞子。その子は誰?」
「あぁ、あの、同級生の飯綱神楽ちゃんです。訳有って、今日から一緒に住む事になりました」
「ふ~~ん、そうなんだぁ。けど、奈緒もそうだったけど、この家に住む子って、お節介な性格な子が多いんだね。あぁ私……」
「知ってるで。『Fish-Queen』の塚本美樹さんと、ソロで活躍してる樫田千尋さんやんなぁ。お2人共、あれやね。テレビで見るよりメッチャ可愛いね。あまりの可愛さにビックリしてもたわ」
うわぁ~~~っ、流石だなぁ。
色々と苦労をしてるだけの事はあって、飯綱ちゃんは処世術に長けてる。
美樹さんが自己紹介する前に、先に彼女の知名度の高さをアピールして来たね。
やっぱ、この子は、そこら辺の同級生とは一味違うなぁ。
「そうかなぁ?あぁでも、そういうのって、お世辞って解ってても嬉しいもんだね」
「なにを言うてはるん?美樹さんはスラッと長い綺麗な足やし、プロポーションも抜群やんか。ホンで顔まで可愛いねんやろ。チビでヘチャむくれのウチからしたら、そんなん反則やで」
「あぁ、でも、身長なんて高くても、可愛げがないだけだしさ」
「アホな事を言いなや。美樹はなぁ。その身長があればこそ、その顔が引き立ってんるんやで、そんな贅沢な事を言うたらアカン」
早くも名前呼びしだしたと思ったら、もぉ既に美樹さんを呼び捨てにしてるし……
しかも、あまりにも自然に褒め乍ら呼び捨てにしてるもんだから、美樹さん自身も、この事にはあまり気付いてない様子。
この子、マジデスカ……
「あっ、ありがとう。この身長を、そんな風に言って貰えるの初めてだよ。いつもからかわれるだけだからね」
「ちゃうねん、ちゃうねん。それはからかってのちゃうんねんて」
「えっ?」
「ホンマはスレンダーで美人な美樹が羨ましいねんて。だから寧ろ、そんなんは相手の妬みから出てる言葉やねんって」
「あっ、あの、眞子さぁ……」
「ダメですよ」
「まだ、なんにも言ってないんだけど」
「どうせ、千尋さん同様に飯綱ちゃんを連れて帰りたいって言うんでしょ」
「あぁ、まぁ、そうだね」
「ダメです」
「流石、二代目鬼ババァだ」
「天丼はやめて下さい」
同時に、その渾名を私に定着させ様とするも辞めて下さい。
確かに『清らかな乙女』は、残念ながら途中で挫折してしまいましたが『二代目鬼ババァ』の称号だけは、絶対に嫌です。
それだけは断固お断りです。
辞めて下さい。
「ねぇねぇ、ちっちゃい子。私も可愛いって言ったけど、ホント?」
「うん、もぉ言わんでも解ってるとは思うけどメッチャ可愛いって。千尋はなぁ。TVで見てた感じでも、話も面白いし、メッチャ愛想もえぇやん。男子の好感度ランキングとかで『一緒に居て楽しそうな女の子No1』って言うのも頷けるわ。ホンで、実際逢ったら、画面からそのまま飛び出して来たみたいに、こんなえぇ人やねんやろ。ホンマ、非の打ち所が無いわ。完璧やわ」
「あのさぁ、飯綱ちゃんだっけ。なんか欲しいものない?なんなら、おネェさんが、なんか買ってあげようか?」
援助交際してるオッさんですか!!
……って言うかね。
それ以前の問題として、飯綱ちゃんって、本当に怖い子だね。
相手の『気にしてる所』を、そこを上手く指摘しながら果てしなく持ち上げてる。
これは、この年代で簡単に出来る事じゃない。
流石、崇秀の幼馴染と言った所だね。
まぁその分、私としては、同じ幼馴染なのに……迷惑ばっかり掛けてる。
なんだろうね、この差?
「そんなんなぁ、なんもイランって、なんもイランって。ウチはなぁ。ただただ事実を述べただけの事やし。こうやって美樹とな、千尋に逢えただけでもウチはメッチャ光栄やわ。ホンでなぁ、ウチみたいな口の汚いチビにもなぁ、こうやって分け隔てなく、優しくしてくれるやろ。やったら、もぉそれだけで十分。寧ろ神さんが降臨したんかと思たわ」
「うわ~~~っ、なに、この子?滅茶苦茶可愛いねぇ。あの眞子さぁ、本気で……」
「あの、千尋さん。そうやって私を『三段オチ』に使おうとするのは辞めて下さいね。オチが丸見えですよ」
「ちぇ、バレたか……」
慣れって怖いね。
最初に出会った頃は『眞子ちゃん、眞子ちゃん』って、凄く可愛がってくれてたのに、最近、なんかこう言う扱いを受けるんだよね。
特に『欲豚さん』と『チョモランマさん』
この2人は良く遊びに来てくれるから、そう言うのが顕著に出てる。
……けどね。
そうやって接してくれてるって事は、少しづつでも私が此処に馴染ませて貰ってる証拠だと思うので、実は、それが嬉しかったりもする♪
言って置くけど……マゾじゃないからね。
「ところで、お2人は、今日は、どうしたんですか?」
「あぁごめん、ごめん。来客が居るとは思わなかったからさぁ」
「なにか、特別な用事でも?」
「あぁ、そう言うんじゃないんだよ。千尋とね。偶然にも一緒のロケがあってね。お土産に『神戸牛』を貰ったから、お裾分けに来たのよ」
「そぉそぉ、だからさぁ眞子。ホットプレートを出してよ。みんなで焼肉しよ」
そう言う理由での来訪でしたか。
それにしても、いつもいつも、すみませんね。
あのさ、あのさ、美樹さんと、千尋さんってね。
ロケ先とかでお土産を貰ったら、いつもこうやってお裾分けに来てくれるんだよね。
もぉ、みんな世話を焼くのが好きなんだから。
「あぁ、なんか、いつも、すみません。……あぁそうだ、そうだ。折角、焼肉をするんでしたら、ちょっと野菜を切ってきますね。肉だけで食べると栄養が偏っちゃうんで」
「ありがとう……ホント眞子って、そう言う所、気が利くよね」
「あぁでもさぁ、椎茸は、絶対にイラナイからね。奈緒じゃないんだから、嫌がらせで器に一杯入れるのだけやめてよ」
「はいはい。わかりました」
相変わらず、なんでも食べるのに、椎茸だけは食べれないんだ……
まぁまぁ、そう思いながらコタツから出て、焼肉の用意をする為に台所に行こうとした。
そしたら、飯綱ちゃんも即座に立ち上がってきた。
「眞子、ウチも手伝うわ」
「あぁ良いよ、良いよ。今日は特別な日だから、なにもしなくて良いよ。飯綱ちゃんはね。私が焼肉の用意してる間、美樹さんと、千尋さんの話し相手をしておいてよ」
「そやかてなぁ。ウチ、今日から眞子にお世話になる身やし。此処で、なんもせへんのは、ちょっとなぁ」
「ホント良いよ。その代わり、明日の食事当番を飯綱ちゃんがやってくれれば良いからさ。気にしない、気にしない」
「ホンマえぇのん?」
「うん、今日は良いよ。飯綱ちゃんは、この家に来た初日なんだから、勝手も解らないだろし、ゆっくりしてて良いよ」
「ごめんなぁ、眞子。気遣ってくれて、ありがとうやで」
「良いから、良いから」
なんかねぇ。
たかが食事の準備をするぐらいの事で、そんなに申し訳無さそうな顔しなくても……
***
……ってな感じで、この後ね。
4人分の食事の準備を、台所でしてたらね。
本当にまた、思いも拠らない様な事件が起こるんだよね。
でも……それは毎度毎度恒例の『次回の講釈』でございます。
ごめんね。
今回は、やけに中途半端になっちゃって……
いやはや、いやはや。
***
【次回予告】
さぁ~~て、次回の眞子ちゃんわぁ!!
『Joint party?』
「合コン?」
……を、お送りします。
あぁそれにしてもさぁ。
アメリカで、ジェフさんに言われた様に私ってさぁ『人との出会いの運』を、凄く持ってるよね。
この飯綱ちゃんとの出逢いは、学校で上手く行ってなくて気持ち的に凹んでた私にとっては、正に救世主だったし。
今後も、この子の存在は、私の中で『偉大な存在』に成って行きそうだ。
まぁ……崇秀の件に関してはライバルなんだけど。
やっぱ……この出会いは有り難い事ですね。
まぁまぁそんな訳なんで、また次回にお逢いしましょう。
バイバイ♪またねぇ~~~♪
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
飯綱ちゃん……ヤバいですね(笑)
この辺は流石と言うべきか。
今までの人生経験で多くの場数を踏んでるだけに『相手に取り入るのが上手い』っと言った所でしょうか。
まぁただ、ただただお世辞を言ってる訳ではないので、相手にもその気持ちが伝わるのかもしれませんがね。
さてさて、そんな中。
美樹さんと千尋さんを虜にしながらも、彼女達の持って来てくれた食材を食べる事に成ったのですが。
次回から始まる第一章・第四十二話『Joint party?(合コン?)』では、その様子を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます