752 時間の無駄

 帰国後に住所変更を行い、以前に在籍してきた地元の学校へ転校生としてやってきた眞子だったが、その態度が、以前の彼女と比べて何かがおかしい?


その証拠に、転校生としての眞子に対する質問を、悉く面倒臭がり。

亡くなった設定の両親の話が出た時には『静かにさせるチャンス』だと思うぐらいに変化していた。


***


「あぁっと、父も、母も、昨年、交通事故で亡くなりましたので、家には居ませんよ」

「「「「「『!!』・・・・・・」」」」」


うん……この解答を聞いて、少しはタブーだったと感じたのか。

この時点でやっと騒がしくて、私をイライラさせる雑音が消えて静かになった。


アンタ等、全体的にうるさいのよ。


それにさぁ。

最初から、私に対する質問とか、どうでもよくない?

悪いんだけどさぁ、今、凄く、それを沸々と感じてるんだよね。


大体にして、私には余り興味持たないで欲しいんだけど。


私……アンタ達には興味ないから。



「……ごめんな、向井」

「あぁ、気にしてませんよ。大丈夫ですよ」

「向井さん可哀想……」


はぁ~~~、もぉ、なんなの、この面倒臭いクラス?

担任が担任なら、生徒も生徒で全員が全員お馬鹿過ぎて、もぉ呆れかえるしか出来ない様なレベルの集団。


あまりにも知能レベルが低過ぎる。

大体にして雛ちゃん先生も、自分の生徒の家族構成ぐらい把握しときなさいって言うの。


なにも知らないお猿さんなの?


まったくもぉ、世話の掛かるクラスだなぁ。



「あの、島田先生。私の事は、もぉ結構ですから。そろそろホームルームを始めては如何ですか?皆さん、休み明けの登校初日ですので、きっと、早く帰りたい筈なので」

「あっ……そうだね。此処は1つ、先生がシッカリしなきゃね」

「いえいえ、先生は、しっかりされてますよ。私の為に、こんな時間を設けて頂くなんて、本当にありがとうございました」

「あっ、あぁ~~……そっ、そうかなぁ?先生シッカリしてるかなぁ?」

「はい。お気遣い、ありがとうございました」

「へへぇ~~~」


あのぉ……他所の中学に転校しても良いですか?


いやもぉ、結構、真面目な方向で。


***


 ……まぁこの後、雛ちゃん先生が、ピィピィピィピィと、なにやら訳の解らない無駄な話をしながら、矢鱈滅多と時間が掛かりながらも、なんとかかんとか、無事にホームルームを始めてくれ。


それで、3年生で使う、今更『無駄な教科書』や、どうでもいい様な時間割りを書き示したプリント等の配布物を終わらせ。

漸く、今日の授業は、これで終わりを迎えた。


でもさぁ。

その間も……なにが楽しいのかは知らないけどさぁ。

男子も、女子も馬鹿みたいに、ちょっとした事でゴチャゴチャ騒いで、もうちょっと静かに出来無いものなのかなぁ?


ガキの集団……鬱陶しいクラス。



「それじゃあ皆さん。今日のホームルームは、これでお仕舞いです。新学期も頑張っていきましょうね」

「「「「「ハ~~~イ、千夜ちゃん」」」」」


勘弁してよ。


此処、公立の幼稚園かなんかなの?


もぉなにを聞いても、なにをしててもイライラするクラスだなぁ。

うぅん……正確には『イライラ【しか】しないクラス』っと言った方が正確なのかも知れない。


なんか……このクラス全体的に気持ち悪い雰囲気しかない。


……私は、この悲惨なクラスから一刻も早く抜け出したくて、素早く配られた教科書と、配布されたプリントを鞄につめ。

夜のライブの為に持って来た『GUILD 67 STAR-FIRE4』を担ぎ、即座に学校から去ろうとした。



するとね……



「ねぇねぇ、向井さん。これから、この3人でマックに行くんだけど。良かったら、一緒しない?」


……なんて、頼んでもいないのに、さっき質問してきた女子が遊びに行く提案を持ってくるんだけど。


(´Д`)ハァ…そうやってお誘い頂いてる所に申し訳ないんだけど。

そんな無駄な時間しか過ごせない様な提案、心の底から100%お断りしたいんですけど。


なんて魅力の無い提案をするんですか?


寧ろ、行きたくもない。


それともなに?

3人して、私の『引き立て役』にでも成りたい訳?


変わってるね。



「あぁ、ごめんなさい。私、一人暮らしだから、帰ってしなきゃイケナイ事が沢山有るので、今日は、ちょっと。……また今度の機会にでも誘って下さい」

「なになに?転校初日なんだから、今日一日ぐらい良いじゃない。折角、こうやって知り合えたんだから、ちょっとだけ付き合いなよ」


だ~か~~ら~~~折角、私も『嫌だ』って、やんわり言ってあげてるんだから、それ位は気付きなさいよね。


馬鹿なの?


私はね。

人に聞かなきゃ自身の美容も出来ない様な美意識の薄いアンタ達とは、一緒に街を歩きたくないんだって。


もし何かの間違いで、アンタ達の同類とでも思われたらどうしてくれんのよ?



「あぁ、そうしたいのは山々なんですけど。用事を後日に廻すと、生活が出来なくなるんで……ごめんなさい」

「なに?向井ッチ、バイトでもしてるの?それって、校則違反なんじゃないの」


校則違反に成る様な事はしてないっての。


それに、その『向井ッチ』ってなに?

たまごっちの親戚か、なにかのつもりなの?


友達でもないんだから、勝手に変な渾名付けないでくれる。


それに、やけに馴れ馴れしいんだけど。



「いえ、バイトはしてませんよ。ですが、知り合いの方の家に、お世話になってる身なんで、自分で我儘はしない様にしてるんですよ」


……って言うか。


しつこい。


悪いんだけど私は、アナタ達みたいに無駄に時間を消費して遊んでる暇なんかないの。

もっと自分を高めたいから、そんな意味もない暇潰しみたいな事に付き合う気は毛頭ないの。


そんなに遊びたければ、勝手に遊んで人生の浪費でもしてれば良いけど……私を、それに巻き込まないでくれないかな?


わかった?



「なんか付き合い悪いね」

「イヤな感じ」

「だったら、もぉ良いんじゃない。本人が、ウチ等を、これだけ拒絶して『行きたくない』って言ってるんだからさぁ。無理して誘う必要なくない?」

「あっ、でも……向井さん、転校生だし……」

「そうだね。放って置こうか。……向井ッチ、もぉ、金輪際誘わないからね。憶えといてね」

「折角、親切で誘ってあげてるのにねぇ。……感じ悪い子」


あぁ……そうですか、そうですか。

それは、非常に有り難い提案なので助かります。

出来れば、言葉通り、金輪際2度と私を誘わないで下さいね。


私……このクラスの人間と馴れ合う気なんて、全く無いですから。

序に言えば、教室でも2度と私に関わらないで下されば有難いですね。


今の私にとっては、そう言うの……本当に大迷惑ですから。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


なんか眞子……酷い状態に成ってますね。


あれ程、人と接するのが好きだった子なのに。

今は完全に別人の様に『他人を拒絶している』模様。


まぁ、奈緒さんの件や、崇秀の件なんかがあるから。

彼女や、彼に追い付こうとして、必死に頑張ろうと言う気持ちが前面に押し出されていて悪くはないのですが。


本当に、こんな感じで良いのでしょうか?


さてさて、そんな疑問を持ちながらも次回は。

とある知り合いと出逢い、その子との会話の話に成るのですが。

一体、今の眞子は、その子に対して、どのような態度を取るのか?


次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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