753 知り合いと遭遇しても……
あんなにも人付き合いが好きだった筈の眞子が、何故か、転校初日から声を掛けてくれた親切な同級生達さえも拒絶反応。
その上、これ以上は自分に関わって欲しくないとまで思う始末。
そんな眞子の態度に対して、クラスメイト達は……
***
「もぉ良いじゃん。こんな奴、放って置いて行こ行こ」
「ふん」
「あの……向井さん、また明日ね」
「アンタ、なに勝手にソイツと喋ってるのよ?ソイツ、うちらの誘いが断る様な奴なんだから。こんな奴、普通に考えても無視でしょ無視。そんな事も言われなきゃわかんないの?」
「あっ……うん、ごめん」
「はい、じゃあ罰として鞄持ちね。さっさと鞄持ってね」
「じゃあ、私のも持ってよね」
「あぁ、うん」
うわぁ……流石にやる事なす事が全てが幼稚。
自分には悪意の無い様に見せ掛けた軽い虐めですか?
しかしまぁ、なんとも酷い言い分で、虐めをしてるんですね。
人を虐げるのは、そんなに楽しいですか?
……まぁ、それが解ってて見て見ぬフリしてる私も、人間的には、どうかとは思いますけどね。
虐められてる子も、虐められてる子で『嫌』なら『嫌』って、ハッキリと自分の意思表示をすれば良いんじゃないの?
如何にも頭の悪そうな子に対して、馬鹿みたいにへつらってさぁ。
そこまでして『偽モノの友達』なんかが欲しいんだね。
なんとも馴れ合うだけの気持ち悪い関係が成立してるんだぁ。
ハァ~~~、もぉ、それにしても、何から何まで鬱陶しいクラス。
教室に居るだけで胸糞悪いから、さっさとこの場から去って家に帰ろ。
そう思って、呆れながらも席を立つと同時に……
「あれ?眞子ちゃん?……眞子ちゃんだよね!!」
「あっ、素直ちゃん」
もぉ、最悪。
本当にタイミングが悪いなぁ。
やっとの思いで、気持ち悪い友情ごっこをしてる3人組から解放されたと思ったのも束の間。
今度はお喋りの代名詞である素直ちゃんって……
まぁ、転校してきた朝には『どうせなら3-Bが良かった』なんて思った事もあったけど、今更、足を引っ張られる可能性のある慣れ合うだけの友達なんて欲しくないから、出来るだけ、素直ちゃんとの遭遇は避けたかったんだけどなぁ。
気付かれちゃったか。
まぁ、気付かれちゃった以上、どうにもならないんだけど。
正直言うとね、素直ちゃんとも、あんまり関わりたくないんだよね。
無駄に話が長いし……愚痴は多いし……話の論点が定まってないし……
そうやって時間のロスが大きいから、素直ちゃんと一緒に居たり、話をしたりしていても、ただの時間の無駄でしかない。
本心を言っちゃえば、そう言う面が煩わしいんだよね……素直ちゃんって。
まぁ、それよりもなによりも。
こんなツマラナイ事をしていたら、奈緒ネェや、崇秀に、また差を付けられるだけで良い事なんてなにも無い。
だから関わって欲しくなったんだけどなぁ。
「なんで!!なんで!!なんで眞子ちゃんが、ウチの学校に居るの?」
なんでって?質問する前に、ちょっとは考えてよ。
そんなの、どう考えたって『転校してきた』『若しくは転校の手続きをしに来た』かのどちらかに決まってるでしょ。
学校の生徒じゃない人間が校内に入ってたら……それはただの不審者じゃない?
警察呼ばれちゃうっての。
ひょっとして、そんな事も解らないのかなぁ?
面倒臭いなぁ。
「あぁ、うん。実は私ね、奈緒ネェのご好意で、奈緒ネェの家族の一員として迎えて貰ったのよ。でも、まだ籍を入れる手続きが終わってないから、取り敢えずは、真琴ちゃんの家に現住所を移させて貰ってるから、コッチに転校して来たんだぁ」
「えっ?なんで眞子ちゃんが、向井さんの家族に?」
ねぇ……悪いんだけどさぁ。
もぉ私の事なんて、どうでも良くない?
大体にして素直ちゃんは、そんな私の家庭の事情を知ってどうするつもりなの?
もしかして、それを知って、向井家じゃなく、有野家で私の面倒でも見てくれる訳?
それとも、そんな気持ちなんて微塵もなく、ただ単に私の不幸話を聞いて同情でもしたいの?
まぁ、どちらにしても私にとっては迷惑なだけの行為だから、丁寧のお断りするけどね。
奈緒ネェの家族か、崇秀の家族以外の家庭なんて魅力を感じないから、絶対に嫌だし。
「あぁっとね。去年の末に、私の両親が交通事故に遭っちゃって亡くなったんで……」
「えっ?」
「それを見兼ねた奈緒ネェがね」
「そうなんだぁ。そう言う事情だったんだぁ……じゃあ今、眞子ちゃんは、向井さんの家に住んでるの?」
(´Д`)ハァ…そうやって納得するのは結構なんですがね。
普通さぁ、此処は1つお悔やみの言葉の1つがあっても良いんじゃないの?
それもなしに、自分の感情を前面に押し出して、奈緒ネェの所に居るとか居ないとかを聞く所じゃないと思うよ。
ホント、社会性がないなぁ……呆れちゃうよ。
「うん、まぁそう言う事だね。……って言うかさぁ素直ちゃん」
「うん?なに眞子ちゃん?」
「申し訳ないんだけど、歩きながら話さない?此処で話してても、時間が勿体無いだけだし」
「えっ?……あぁうん」
こんな所で、いつまでも無駄にダラダラと長話されても、ホント、迷惑なだけだし。
それに私が、何所に住んで居ようと素直ちゃんには関係ないし。
……そんな訳で、余り気乗りしないんだけど。
一応は、校門まで素直ちゃんの話に付き合おうとは思ってたんだけど。
何故か素直ちゃんは駅まで同行するつもりでいるらしいので、まだ一緒に歩いてはいるけど。
別に来なくても良いのにね。
なんで、こんなに纏わりついて来るんだろう?
(´Д`)ハァ…もぅ解放してくんない?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
どうしちゃったんでしょうね?
まぁ、本人の言い分からしたら。
どうやら、自分の成長を阻害する人間との付き合いを持ちたくないとか。
奈緒さんや、崇秀と同等のレベルの高い人間としか付き合いたくないから、その他の関係を断って行ってる様なのですが。
それが出会ったばかりのクラスメイトならまだしも、あんなに仲が良かった素直ちゃんに対してまで拒絶の意を示してきましたね。
どうやら眞子は、それぐらいの覚悟を持って、今回の行動を起こしている様なのですが、そんな乱暴なやり方で大丈夫なのでしょうか?
……ってな感じで次回は。
眞子が素直ちゃんに対して、こう言う態度を取る理由を、更に明確に書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます