私は強くなるのだ

涙空

初めてのバイト。


三十分も早く職場に着いて、オロオロしてたら、五分前に来た先輩に、


「なんで作業してないんだ!」


と、怒られた。


コロコロバイトを変えて、もう、ボロボロだった時。


『明日、どうやって挨拶したらい良いの?』


なんて思って、涙が出て、一週間で辞めた。


今、私は、また、あの頃のような、でも、どこか違う、気持ちが胸を敷き詰めている。


また、あの一週間で終わったバイトのように、一週間で、また、ダウンしてしまうんじゃないか……と、危惧してやまない。


怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い………………。


でもね。聞いて。


やっと、見つけたお仕事は、今まで一番やってみたかったお仕事なの。


精神患者だと言う事は黙ってる。


ズルだけど、じゃないと、雇ってもらえないから。


精神患者の施設で、二ヶ月、お仕事のリハビリもした。


そこの方たちは、皆さん、褒めてくれて、


『自信もっていいよ』


って、


『涼さんなら大丈夫だよ』


って、言ってくれたんだ。


辞める時、


『優秀な人材を失うなぁ(笑)』


なんて、お世辞も言ってくれた。


それ全部、真に受けてるわけじゃないよ?


でもね、少し……少しだけ、自信に変えて良いよね?


って、電車の窓に映った、情けない顔の私に、言った。


そう。早速、失敗してしまった。


もう、入社早々……。ちょっと、怒られた。


そう。“ちょっと”だ。


『大丈夫』『大丈夫』『大丈夫』


言い聞かせた。


Mrs. GREEN APPLEの、


『僕のこと』


必死で、涙堪えて聴きながら電車に揺られて、帰った。


不安だ。とても胸が苦しい。本当は、大泣きしたい。


でも、私は、強くなるのだ。


誰だって、好きな仕事ばかりして、メンタル強く生きてるわけじゃない。


それどころか、今、うつや統合失調症などは、現代病だ。


皆、病んでる。皆、苦しんでる。皆、辛い想いをしてる。皆、怖くて縮こまってる。


本当は、皆、ここから……現実ここから逃げたい気持ちでいっぱいなんだ。


青空が……、青空が眩しくて、思わず瞳を細めた。


『涙空』


とでも言うのかな?


私には、そう見えて……、とても、とても、心がキューって……、締め付けられて……。


どうか、どうか、私の心に、共感してくれる人がいます様に。


『私は、強くなるのだ』


そう、必死に言い聞かせてる、誰かが、私のこのエッセイで、独りじゃないんだ……って、思ってくれたら……。


私が、そう思ってもいいって言ってくれるなら、私は、何度も何度も、貴方に言います。


『貴方は、強くなれるのだ』

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