出会いと感謝の言葉
「こんにちは、おねえちゃん。ぼくのなまえは、エレフン」
深くお辞儀をするぞうさん。彼女はニコッと笑う。
「エレフンよろしく。私は
「えりおねえちゃん!」
エレフンは大きな声で
「なかなか可愛い子ね」
母性のある感情を持ったのか優しい口調になる
癒やされている彼女を邪魔するように
「えりりんと違ってな」
にっこりと笑いながら、
「でも、ある意味可愛いけどね」
「大丈夫? ユウキ。その余計なこと言って」
オオカミはビクビクと震えていた。
スタイルの良い女性に言われたことが気に食わないのか感情的になる
「黙れ! このモデル気取り!」
「オレちゃん。モデルじゃなくて、アイドル志望だもん」
ニシシと
「そう言うのを聞いているんじゃ無い!」
「うーん、えりおねえちゃん。こわい」
ゾウさんは今にも泣きそうだ。焦りの焦る
「あ、ごめんごめん」
「もし、俺のヒーローを泣かせることになったら、依頼主の娘さんでも許さないからな」
ギラッとオレンジ髪に対してにらむ
「もちろん。えりちゃんは悪くなく、
「そんなー、はっきー。オレちゃんはただ普通のことしか言ってないよ」
「いやいや、
「そうか、それなら謝るよ。ごめんな」
「謝ったところで私は許さないけどね」
「それはオレちゃんが同性の女だからか? いくらオレちゃんがアイドル並みにかわいさだからと言って、嫉妬は良くないよ」
「嫉妬してないわ!」
「
その様子を見ている。エレフンとウィンピィ。
「なんだか、楽しそうだ。あの三人は」
「そうだね。ぼくもたのしそうに、みえるよ」
ゾウの絵本キャラはもぐもぐとケーキを食べていた。
「……ここまで仲良しになれるのは相当すごいことだと思うよ」
ウィンピィはそうつぶやく。
「えー。だれだって、なかよくなれるものじゃないの? ウィンピィくん」
「いや、現実は違うんだよね。苦手な人や仲良く出来ない人もいるよ」
「たしか、ウィンピィくんのかいぬしさんだっけ? いじわるするひと」
「そう、ボクの飼い主は意地悪する人もいたけど、周りの人たちは優しい人ばかりでそんなに苦じゃ無かったよ」
「そうなんだね。ぼくも、おかあさんやおとうさんに、やさしくそだてられて、くらしているよ。そとで、おともだちといっしょにあそぶのも、たのしいし」
「……エレフンくんはハツキと一緒にいれて楽しい? ボクはユウキといられて楽しいよ」
「ぼくも、はつきおにいちゃんといっしょにいれて、たのしいよ。このまえ、こうえんにつれていくって、やくそくしてた。もちろん、ゆうきおねえちゃんもすきだよ」
「ボクもハツキ達と一緒にいれて楽しいよ。この生活が続くと良いね」
「なんで、はつきおにいちゃんのこといったの? ウィンピィくん」
「飼い主のこと思い出したのもそうなんだけど。なんだか、胸騒ぎがしてこわいんだ。この生活が終わるんじゃないかと」
「うーん、そんなことないとおもうよ」
エレフンとウィンピィが話していると、何か疑問に思ったのか、
「思ったんだけど、このゾウさんってそのオオカミの言葉って分かるの? 私には聞こえなかったけど」
「あぁ、分かるぞ。なんならオレちゃん達もウィンピィ……オオカミの言葉はわかる」
「え?! どうして」
「それがオレちゃん達の能力だからさ。かっこいいだろ?」
「お前が言うと何か腹立つな」
「まぁまぁ。つまり俺と
「なるほど」
「そういえば、俺には悪いこと言わないんだ? さっきまで色々と言っていたのに」
「別に。
「ははは、大丈夫。いつかはトップアイドルになるからさ。何も言ってもいいぞ。オレちゃんは最強アイドル志望だから」
「だったら、さっき私に煽らないでくれない! 私は貴女のことが嫌いよ」
「オレちゃんはえりりんのこと好きだぜ。アンチからファンになることはあるからな。もしファンになったら、えりりん限定ハグつきサイン会しても良いんだけど」
「気色悪いこと言うな!」
また感情を高ぶらせるオレンジ色の少女。
しばらくして、
彼女たちは安心して帰って行った。
絵凛はしかめっ面で廿月達に手を振る。
「ありがとう」
彼らはその一言で満足していた。
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