第35話
「街か……」
歩いた先に街があった、とは言っても半壊しているが
「誰かーいますか?」
しかしそこ問には、何も誰も答えはくれなかった。
「人っ子一人いやしねぇ」
まさに
「はぁ…」
"冬子を探す"そう啖呵を切ったからには見つけたいが
「聞けねぇよなぁこうも人がいねぇと」
その時だった。
「怖いよぅ」
人の声が家から聞こえた……
「お兄ちゃんだれ!」
驚くのも無理はないその娘は、まだ年端もいかない少女だ。いきなりこんななりの人間が現れたらそりゃな
「安心しろ、おま……君を傷つけるつもりはないただ話が聞きたいんだ。」
冬子と言ってもわかるわけはないか
「えっと」
慎重に言葉を選んでいた最中、物音が鳴り響いた
「嘘だろまさか……」
そのまさかだった
「こんなとこで」
俺の袖に微かに暖かいものを感じた。
「みんなあれに……お父さんも……お母さんも……」
その言葉を聞いたからには、やることは一つしか無かった。
「安心しろお前の、家族の仇は打ってやるから」
だいそれたことは自分自身も言えた義理ではないがそれでも
「お前じゃない私はみかん!ミカン・トパーズ!」
「わかった!それじゃあ行くぞミカン!」
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その頃カットリは
「にしても最近ネメシスの、量が増えつつあるにござる」
自身の前にある。魔動マイコンにはここ2カ月でのネメシス事件の動員数が1.5~2倍になっていると出ていた
「何か良からぬことでも、起きているにござるか?」
探りをいれるにしても、今の自分の階級では自由に検索するのも不可能
「根を詰め過ぎだ」
魔導マイコンの手前に、缶ジュースを置いたのは、エイジス1の隊長だった
「約2カ月前の行方不明になった。赤石くんはどうでござるか?」
隊長は、あきれた表情だ。当たり前だろう休めと言って休む気をみせなかったのだから
「はぁ…お前さんそういう性格だものな」
隊長は、手を広げスマートマイコンから情報を見せつけた。
「簡単にいやぁ、赤石の痕跡は部屋にある荷物だけだ。それ以外はきれいサッパリなくなってやがる」
ハンガー内部で、生命反応がいきなり消失した。それだけだが、少しだけ、ほんの少しだけ違和感があった。その理由は
「やはりネメシスが増え始めた時期と合致しているのと関係が?」
同時期に博士が、出張でどこかに飛んだのも約2カ月そして……鋼殿がシェルターから出てきたのは約1カ月前
「時期がかぶりすぎているにござる」
考えても、真実にたどり着けないかもしれないそれでも
「この違和感を、どうにかしなければござらんな」
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その頃鋼は
「アイシクルハルバード」
操縦桿を握りしめ、目の前に立ちはだかるネメシスを見据えた。村の奥に潜んでいたの怪物が、まるで巣を出たかのようにこちらに迫ってくる。
「こっちに来るかなら好都合!」
相手と同じく全速力で突っ込む。ブースターが唸りを上げ、奴に近づいた
「この村の無念をお前にぶつけてやるよ!」
そう叫ぶやいなや、ハルバードを振り下ろし。刃がネメシスの腕をかすめ、大きな爪が地面に突き刺さり地面に深い傷を刻ものの、化け物はビクともしない。
「ちっ効かねぇのか!」
ネメシスはビクともしない、それどころか口から炎を吐こうとしているのが見える。
「やべっ避…!」
反射的にブライXを左へ飛ばす。直後、さっきまで自身がいた場所が、灼熱の炎に包まれた。村の地面が焼け、煙が立ち上った。
「まだ、終わらせっかよ!」
再び立て直し、羽で太陽エネルギーを最大出力までためる。腕が光を放っていた
「これで、終わりだ!」
ためた光を目の前にいるネメシスに向かって、手を広げた
「喰らえシャイニングビーム
例え装甲を貫けなくとも、中身が焼ければダメージは通るもの
「茹でたカニみたく、内部までコトコト煮込んでやるよ!」
そして……ネメシスは沈黙した
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カットリは
「これはまさか2ヶ月前監視カメラがジャックされていた」
いきなり消失した。赤石回路しかしそれがあらかじめ予定されていたのもなら?
「もしや"消えた"のではなく"消された"?」
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