第34話

「一緒に戦ってはくれんのか?」


そうリヒターはいった。俺にも一緒に戦いたいという気持ち自体はあった。しかし


「俺は、やらなきゃいけないことがある。やるべきこと全部終わってからでも遅くはないだろ」


今はそう言うしかなかった。冬子が、どこにいるのか?そして今何をしているかが分からない現状、一つのところで足踏みするのは、得策ではないからだ


「そうかでは、最後に一つウヌは我らの敵になるか?」


敵…その言葉は重くのしかかった。自分自身まだ何をするべきか、何をなすべきかをわからない現状、どちらに転ぶかは、知らないなら


「お前らが、俺の敵にならない限りだな」


そうして、もう一度あの長い階段を歩く羽目になった。そう思った瞬間だった


「言いづらいが、エレベーターがあるぞ」


その言葉に鋼は目を丸くした。ではさっき下ったのは何だったのか?


「ツッコミ待ちか?ツッコミ待ちだよな!」


それを言った時だった。どっと底から笑いが湧き上がった。


「人は変わるといったな。それでもてめぇは変わってねぇみたいだぜ」


変わらなかったか………


「絶妙に嬉しくないな」


することもないし、長いはしたくなかったので俺はエレベーターに乗り、地上に出た。外はあいにくの曇りだった。


「にしてもどうするかこれから」


考えなしに出たはいいものの、ただ歩くだけなのはどうかと思った矢先、後ろで爆音がした


「あっちは!」


そう、俺が歩いてきた方向ということはレジスタンスの拠点がある場所だ


「クソッこんなところにも!」


思ったとおりに、レジスタンスの拠点にネメシスが攻め込んでいた


「ちっ、やるか!」


そして俺は、笛を吹きブライエクスを呼び出した。


「我らとともには戦わんのではなかったか?」


俺が乗り込んでいる途中に、リヒターから通信が入った。


「知るかよ」


俺自身何でアイツラのために戦っているか正直わからない。それでも


「で?ここにいちゃ悪いか?」


戦う、もう何も失わないために


「よかろう、なら我の大宇宙ドリルマガンが、敵を蹴散らしてくれようぞ!!」


よく見たらドリルマガンの形が前、戦ったときとは変わっていることに気がついた。


「5年か……」


そこでも5年という時の重さが自身の肩にどっとのしかかった。


「それではゆくぞ、大宇宙ドリルインパクトォォォ」


リヒターは、ドリルを回転させながら突進する。ネメシスの硬い外殻に接触した瞬間、ドリルが火花を散らし、金属を砕くような音が響き渡る。


「どうだ我のドリルの味は!!」


そのままの姿勢で他のネメシスたちを木っ端微塵にしていく


「あたいの新しい技だ!!ファントムタイム!」


両腕を広げ、光弾を生成する。その光は、ネメシスの動きをわずかに鈍らせた。続いて、音もなく瞬間移動し、ネメシスの背後に回り込んだ。


「魔動炉開放……ハウリングバースト!」


口から、無数のビームが、発射され同じく、無数のネメシスたちが、木っ端微塵になっていく


「俺いる意味あんのか?まぁいいや」


とりあえず俺もなにかしないとと思い、化け物の側面に攻撃を仕掛ける。


「ブラ……じゃなかったアイシクルハルバード」


叫びと共に、ハルバードがブライの肩の冷凍庫から飛び出した。


「喰らえ!」


ハルバードは、ネメシスの皮膚を切り裂いた。だが、ネメシスはそれでも止まらず。振り払われそうになる


「ハルバードは、一本じゃねぇんだよ!」


もう一本ハルバードを冷凍庫からとりだし、突き刺す。さらにもう一本を突き刺す。さらにもう一本、さらにもう一本それを繰り返しているうちにネメシスは動きが止まった。


「曇りでもやりようはあるんだよ!」


シャイニングビームを打てなくとも、なんとかなった。


「それで?これからどうする」


倒し終えた後、考え込んでいたらリヒターが話しかけてきた。


「俺は、あの子を探す。その意思に変わりはないだがな」


あの娘を見つけたとして、俺を許してくれるのか?一度俺を見限ったあの娘は、まだ俺のことを覚えていてくれるのか?それがわからないでも


「少なくとも、そのむすめっ子にあって謝りたい。ではないのか?」


リヒターは、悟ったような口ぶりで、俺に話した


「たしかにそうだ」


謝る考えたこともなかった。


「じゃあ探せばいい、気が済むまでな」


俺の決心は固まった


「ああ、そうさせてもらう」

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