殲滅編

第29話

俺は、主人公ヒーローになりたかった。弱きを守り強きを挫くでもそんなもん、なれやしないし、存在しない、俺は幻想を見ていたに過ぎなかった




「こちらエイジス1聞こえるか?エイジス3」




コックピットに、水色の画面が映し出される。どうやら点呼をするらしい。




「エイジス3、赤石海路あかいし かいろ聞こえるぞ」




イージストライブ、初めて遺跡からではなく今の人類が作り上げたAO、俺達はそれに乗りある街に向かっていたんだ。




「赤石くんそこをまっすぐ行った街から、救援信号が出てるの頼むわね」




博士の声がする。うちの軍は人が少なすぎて、色んな人が掛け持ちをしている。そんな中救援信号を出している街は、焼け焦げた匂いがした。




「くそっ間に合わなかったか」




変わり果てた街を見ていると、どこからか鳴き声が聞こえた。




「ネメシス!」




5年前に抗哲 鋼こうてつ はがねが、勇者と戦ったが、世界には以前として、ネメシスがはびこっていた。そしてこの現状を作った。鋼本人も行方知れず、もしかしたら死んでいるのかもしれないが




「ヘビーマシンガン!」




ネメシスに、人間サイズのの兵装はサイズ的に無理があったが、AOサイズの炸裂弾なら効果があった。そのうちの一つがヘビーマシンガンだ。




「本当にどこから湧いているんだよ」




倒しても倒してもきりがない




「エイジス1援護に入る」




その通信が、はいった次の瞬間眼の前のネメシスは、みるみるうちに爆発していった




「全くお前はいつになったら、引き際をおのぼえるのだ?」




エイジス1いわゆる隊長機というやつだ。




「一人でも戦えますよ。ヒーローなので」




そうだ俺はヒーローになるんだ。そのために軍に入ったんだ。




「そういうのはいいが、死んだら意味ないぞ」




俺は死なない、少なくともこのイージストライブの中では




「敵の数はどうだ?」




そこに博士の通信が入る




「不明ただし100よりは少ない模様」




100より少ないって、それじゃ少しもわからんぞ。




「了解。みんな、前に進むぞ!」




一斉に前進する。あの通信で勢いがついたのか軍のメンバーたちは、各々が持つ武器で敵と交戦し、激しい銃撃戦が続く。




「左側の化け物を撃破!」


「了解。」




弾丸が次々と化け物に命中する。




「よしあたってる」




敵の攻撃を受けながらも、次々と敵を撃破していく。




「今日は調子がいいな」




なぜかは知らんが今日はわりとエイムがいい、何体かネメシスを倒していると、通信が入った。




「お前は、下に降りて避難民がいるか探せ」




全く、今日は調子が良かったのに、そんなことを思っていても、避難してない人がいたら大変だ。ヒーローならば助けるべしってね




「高度を下げてっと……ロー…バ…アここの名前か?」




そこには、焼け焦げた看板を読める範囲で読んでみたが、作戦には関係ないな




「ん?何だあれ?」




街に降り立ちあたりを見回すと、金色のものが見えた。




「不審物なら回収しろよ」




隊長からの伝言だ。不審物って爆弾とかだろう、だったら今ごろ俺は爆発してるよ




「ん?懐中時計か、なんでこんなところに」




瓦礫の隙間に懐中時計が、挟まっていた。不審物とは違うよな、まぁ回収しとくか




「あれは……大型ネメシスを確認」




俺がコックピットに乗ったその時だった。無線でそんな内容が入ってきた




「アンキロ型か、腹を狙え」




全身が鎧で覆われているアンキロ型これは、マシンガンじゃ無理だな




「パイルナイフ装備」




柔らかい腹を、狙うのはたしかに大事だが、下に向いている腹を攻撃しなくてはならない、それでは攻撃の瞬間が少なくなるならば、最初から弱いところを狙えばいい




「目だ」




そのまま、ブースターを引き立てて、アンキロネメシスの目に向かって、パイルナイフを突き立てた。




「馬鹿よせ!」




隊長の言葉なんぞ耳に入らずパイルナイフの、真骨頂炸薬式ナイフの一撃によりネメシスを討伐した




「おい危ないだろ」




隊長の説教が始まろうとしていた。それを察知して




「エイジス3帰還します」




基地に帰った。




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「これどうしよう」




街で拾った懐中時計、避難所に渡したほうが、いいよなこれ……そんな風に思っていたそんなときだ




「悪いけどそれもらうね」




後ろから、衝撃を受けた。紫色の刃物が土手っ腹を貫通する




「なんで………博士………」




そこには腕がネメシスのように、紫色になった博士が立っていた。




「これはね、君が持ってても宝の持ち腐れってやつだからこれ懐中時計は貰っとくよ」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「さてとそろそろ行くか」




これはかつて、世界の危機に立ち向かった。抗哲 鋼の物語である

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