第28話
「勇者ァァァ!!!」
俺は、魔王の城内部を破壊しながら最深部へと向かった。そして眼の前のやつにパンチを食らわせるため、殴りかかった。
「よほど、焦っているねいきなり殴りかかるなんて」
拳を手でいなされ、そのまま吹っ飛んでしまう。勇者はメギとの戦いでも、一切手を抜かずそして負かした。そして俺自身もあの大会で負けた。
「急いでいるところ悪いけれど、君じゃこの勇者は倒せないと思うけど」
手を広げまるで挑発するかのように、コックピットをさらけ出す、戦力差自体はない、なら一体何が足りないんだ
「俺は、託されたんだ。メギにそしてオゾウクに、だから勝つんだよここでなぁ!」
あの二人が今俺に何を託したのか、それはたった1つ
「いくぞハルバードォ!」
そのままハルバードを、細い隙間に当てるように当てようとするも、盾で憚られてしまう
「託されたか、僕も昔にさ託されてね。それで魔王を倒した。託すそれは、強い呪いだ。」
呪い?
「君にはわからないだろうが、僕は世界を救いたかった。やっと僕は必要とされた。でもそれは幻想だったんだ」
長い話が、始まろうとしていた。だが俺は前にも言った言葉を、やつにぶつける
「身の上話なら聞く気はないぞ」
眼の前のやつが何を持って、どんな思想で動いているのかそんなもの知ったこっちゃない
「どうして僕がどういう意思で行動したか知りたくないのかい?」
どうやら、本気でわからないと言った感じで、素っ頓狂な声を出していた。
「たりまえだお前がどんな考えでどんな過去を持とうが、俺には関係ない!」
イグナイターを作動させ、ブースターを蒸す。炎が青く照りつける。高い天井から下がる火の明かりよりも熱い火、その音が城の隅々に響き渡る
「これでも喰らえ!」
猛スピードで勇者の懐に潜り込み、そのままハルバードを斬りつける。
「さっきとおなじだ。学習するんだな!」
奴は気づいてはいなかった。こいつには、炎の羽がついていることに
「喰らいやがれ!フレイムチョッパー!」
炎の羽は、メシアライザーの右腕を破壊したが、それと同時に俺の方を剣で切られた
「少しは学習したか、それでももう遅い」
勇者は、足に目もくれずメシアライザーの剣を持ち何かをため始める。
「悠長にためている暇はねぇだろ!」
俺はそこに、アームガトリングを放った。
「3手遅れたな」
メシアライザーの剣から、斬撃が飛びブライの左腕が削り取られそのまま壁を破壊し、外の景色が写った。
「生きるとは、どういうことだと思う?」
勝ちを確信したのか、勇者は俺に問いかけてきた。
「しるか」
生きる意味、そもそも俺は、俺を殺したやつを殺すただそれだけのために元の世界に戻りたかっただけだ
「生きるとは、夢を追うことだ」
それが、勇者の結論らしい………たしかにそうだ。俺は願いを叶えるために、いや俺だけじゃない他の連中もそのために、正宝珠をかけた大会に出てたんだ。
「でも、お前の夢はここで潰える」
外からこぼれる光、くじらの叫び声、その2つで俺は察した。反転の化け物の、封印が済んだことに
「そんなまさか、7賢者をすべて集めたのか??」
どうやら相当驚いているように見える。ルフェが気絶していても大丈夫だとは知らなかったようだな
「知ってるか?今日は日食らしいぜ」
俺はフレイムウイングを、展開しそのまま上昇した。月と太陽その双方のエネルギーを感じる。
「勇者!お前に殺された人々の無念を、その身に刻め!」
右腕にためたエネルギーを、全て充填し俺は、最後の一撃を放つ
「エクリプスキャノン!!!」
それを撃った瞬間、勇者も盾で防ごうとしたが、無駄だった。エクリプスキャノンは勇者のメシアライザーを貫きそして、ブライXとメシアライザーは、再起不能になった。
「グッごハッ」
俺はすぐさま、メギからもらった拳銃を手に泣きじゃぐる勇者の倒れ込んだ場所へ向かった。
「無様だな、勇者」
俺はてっきり、泣いているとばかり思っていた。しかし違ってた。勇者は、笑っていたのだ
「もうすぐだ」
もうすぐ?一体何の話をしているんだ?そんな疑問もよそにメシアライザーのスピーカーから、雑音が聞こえた
『ご覧ください。いま突如出現した謎の都市にむけて、核爆弾が発射されました』
どういうことだ?このスピーカーは一体どこにつながってんだ?
「ふっはははは言っただろ!3手遅れたなって、魔法都市は世界有数の魔元素リアクターを積んでる。そこに核を落としたらどうなるか」
核は科学技術の上位存在そんなのが魔元素の塊に接触したら………まさか
『今着弾を確認……なに何がいやぁぁぁぁ!』
爆音と炎に似た音がスピーカーから鳴り響き、そのまま音はぶつ切りされた
「地球のラジオは、爆発の余波で電波が来た、そんなことはさておき」
勇者は、寝そべっていた体を起こし壁に対し、座る姿勢になった。
「目的はこの世界とあちらの世界を両方壊すこと、残念だったな君の負けだ」
ふざけるな!ふざけるな!俺は、勇者に無意識に銃を突きつけた
「お前は一体何人を殺せば気が済むんだ!」
勇者は、満面の笑みで俺に話しかけてくる
「自分のことを棚に上げるなよ、君だって沢山の人を殺したはずだ。違うか?」
勇者が言っている。意味がわからない
「何いってんだ!ふざけるな!」
勇者は、俺に指を指した……
「メギだって君が少し早く来ていれば、死んでなかった。オゾウクだって、このバリアを君が壊していれば、死んでなかった」
俺のせいじゃない
「それに君が、大会で僕に負けたせいで、自体は悪化したんだろじゃあこの世界のことも、君のせいだ」
違う
「そして何より、君が真実にたどり着かなければ、孤児院の人は病院の中の人は、死ななくてすんだんだ」
黙れ
「そもそも君が僕を早く倒せていれば地球だって」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
俺は勇者の、眉間に向かって、持っていたピストルの引き金を引いた。そして
「やっぱりお前は………」
それが勇者の最後の言葉だった、俺は勇者を………
「あっ、あっ、うぁ、」
体は赤く血の匂いがした。おそらくは、返り血を浴びたのだろう
「違う損ンなつもりはぁァァ゙」
眼の前には、眉間を打たれ目が白くなった。勇者が倒れ込んでいた。
「コレじゃマルで」
そうだこれじゃあ
[君は人殺した]
顔を前に向けると、ミスカとは違う、魔法使いの女の子が立っていた。
「違ウ俺は,俺ハ」
地球の人々が死んだ。元の世界に戻れない
[何が違う?君はこいつを殺した。それが真実なんだ。それが今の君だ]
真実…
「アウァア」
俺は折ハ,
[時間がないか、こいつの魂は連れて行く、後はお前次第だ]
ウワァァァァ
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