第2話 あ、死んだ
深夜2時。
ここはどこかと言うと、誰も使っているところを見たことのない寂れた公園です。
あんなところにいい感じの高さの鉄棒が。
いい感じに縄を結びつけるよ。
解けない縄の結び方知らなくてググったよね。
暗いのと縄が案外硬くて苦戦しつつもなんとか結べたよ。
なんか、深夜のこの時間に鉄棒に縄って…いかにもこれから自殺しますって感じ。
冷静になりそうな思考を止めるためにコンビニで買った酒を一気飲みする。
最後の晩餐に選んだのは、これまたコンビニのスイーツ。
俺の大好きなエクレアです!
ドーン
はい、渾身のエクレアへの集中線が出たところで
「いただきます」
「んん、うま!いつもコンビニのスイーツなんて高くて買えないけど、こんなに美味いもんなんだなぁ。もっと食べとけば良かった、かなぁ」
最後だと思うとなんだか悲しくなってきた。
まずいまずい。
俺は弱い人間だから怖いとか寂しいとか悲しいと思ったら死ねなくなりそう。
そんな時のための…
「向精神薬〜、と睡眠薬〜」
これで正常な判断をできないようにしていくゾ!
30分後
酒と薬のおかげでいい感じに頭が回らなくなりましたぞ。
いざ、決行!
家から持ってきていた踏み台に乗り、縄を首にかける。
後は踏み台を蹴れば終わる。
あ、ちょっとだけね、ほんのちょっとだけ怖いかも。
足と縄を持つ手が小刻みに震える。
でもこれはきっと寒さのせい。
「大丈夫大丈夫。苦しいのは多分一瞬だから。生きてる方がよっぽど辛いから」
なんだか鼻水まで出てきた。
ズズッ
「ふー」
「せーのっ」
ガタッ
ミシミシ
あ、死んだ。
鬱病ニートの転生 カミトロニア @sake_no_5
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