第3話

               五日目 


その日は変なことが起きた。三階のモニターに目をやるとコピー機の隣に黒い影のようなものが見えた。まさかと思って西村はじっと目をこらした、画質が良くなくてよくわからないが、なんだか人の影ぐらいの大きさのものがじっとたたずんでいるように見える。まばたきをしてもう一度みる。ただの影だった。きっと目が疲れていたんだろう。

納得して、モニターからいったん離れようと、またパソコンで例の文書を読み始めた。


7月14日 カップ麺なんか食いやがって においがこもって仕方がない 


西村はギクッとした。確かに昨日はここでカップ麺を食べた。もしかして、ここにも監視カメラがついて記録でもされてるのか?それとも一体・・・。西村は薄気味が悪くなってきた。気を落ち着かせようと煙草に火をつけて吸い始めた。いやいやただの偶然だろ。前にもカップ麺を食ったやつについて書き込みがあったし。たぶん自分と同じことをした社員がいたやつがいて、そいつのことを書いたんだ。西村は、そう思いこむことにした。

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