第7話 私のせい?
おっすっ!オラ文字のいじめにあった斎藤莉緒、25歳! 独身! 歳いってんじゃんって言ったヤツ前に出ろ!吊るす!
「ステータス画面のくせに‥‥‥‥」
ブツブツ言いながら緑深い森を歩くが、いたって何も出会わない。
あれ?こういう時は向こうからトラブルが来るのがテンプレではないのか?
何もないぞ、おい。
「ん~~~‥‥‥‥『地図』」
ブオンという音と共にバカでかい地図が出現した。
「いやいやいや、デカすぎるだろ!わかんないよ!現在地どこよコレ!」
こっちのツッコミに反応するようにカーソルがピコンっと現れて、地図上をウロウロウロウロして『ここら辺』とカーソルの下に文字が出現。さらに『たぶん』
─────おい。たぶんとか余裕か?余裕なのか?地図に嘗められてるの?私?
「‥‥‥‥もうちょっと拡大」
低温ボイスで命令すると、ビクッとカーソルが動き、ピルピルウロウロ震えながら─────あっそうだ!みたいな感じで拡大が始まる。一面緑色だらけになったところで『ここっすよココ!』みたいにピカンピカンとカーソルが点滅した。
なにこのドヤ顔(顔ないけど)‥‥‥‥。光るのは仕様なのか?コイツも目にやさしくないな~。てか、本当に周辺に町とか村もなさそうだ。一面緑。かなり広い森の中って事かな?
「‥‥‥‥川とかないの?」
私の言葉に───え!ええ~とそうっすね~みたいにまたカーソルがウロウロして、チロッと画面が縮小して川の存在を指し、ここ、ここっす!とまたピカピカする。
「‥‥‥‥あ、そう」
なんだか疲れた。地図相手に疲れるってどうよ?いまいち距離感が判んないし、とりあえず方向はあっちかなぁ、なんて考えていると。─────あ、そうだ!みたいにカーソルがピコピコ動き出し、ココか?ここら辺か?みたいにウロウロしてピコンと何もなかった緑一帯のところに池の表示が追加された。
ん?どうゆうこと?と疑問に思っていると、更にカーソルは山が表示されているところまで移動し、え~とコレコレみたいな感じで一際大きい山を抉れたような山に書き換えた。
更にピコっと現れた『ピンク山』表示をパシパシ叩いて『半壊山 NEW!』と表示替え。池の方には『クレーター池 NEW!』と表示。─────ぶっ。『クレーター池』て、まさか私が落ちた跡じゃ‥‥‥‥まあ、いいか。私のせいじゃないし、知らん知らん。───山?もろい方か悪いのよ~~ホホホホ
というかこの地図、常に最新に更新するのか~~そっか~ふ~ん。ピコピコカーソルがどうよッ!と言わんばかりにピカンピカンしているが
「名前のセンスがイマイチ」
ボソッと漏れた一言に、わかり易くガガーンとショックを受け、‥‥‥‥そんな‥‥‥‥とばかりにカーソルは地図上から消えた。
「え、私が悪いの?」
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