こんなはずじゃ
「あぁ~もう10時かよ、ファミレス閉まってじゃないか!」
▲町郊外の工場跡地
そういういながら、相手の顔面めがけてストレートをかます。男は仲間の死体に引っかかり、
ドンと前から倒れ込み血だらけになりながらひぃーという呼吸音だけする屍になった。
「うぇー結構血吐いちゃった、またクリーニングしないといけないのかよ。今月はこのジャージに
出してるぞ」
先ほど怒りから一転してクリーニング代に
ついて憂いていた。
「もしも店長、今日のノルマ達成したので、
あがりますね。てかこんな遠くまで越せないでよ
交通費片道1500円かったんだけど。あとクリーニング代出してくれません。今月ピンチなんすよ」
「それは仕方ないの、お客様の要望なんだから。
交通費は出すけどクリーニング代は知らん。
こっちも業者呼ぶのでカツカツなんだよ」
「わかってますよ、うちはお客様第一で従業員は
二の次ですもんね」
「そうそう、ってそれじゃうちがブラッあ、バカたれ」
「まぁとりあえず今日帰りますよ、お疲れでーす」
「そこは最後まで乗ってくれよ! 、ってあいつ電話切りやがった」
「ふぅ〜あー疲れた」
肩や腰を回すとバキバキという
骨が擦れる音が夜の倉庫外に小さく響き
渡る。
「まったく会社で私に歯向かうやつは3人を
消してくれだ。その為に俺らを呼ぶなよな」
依頼書には『以下3名の殺害を秘密裏に頼む
西海五郎、冴島克夫、伊吹康成』と記載があった。
丸号商事の偉いおっさんだけあって金払いは
いいのだが、正直いい噂は聞かない。
「どーもいい人達そうなんだよな。けどやらなきゃ
俺の首が文字通り飛ぶからな、、1人あたり15万だから45万だから借金の返済で30万持ってかれるから、15万か。微妙。まぁでも今日のおっさんが持ってたブレスレット、伊吹ちゃんにあげようかな♪」
後日、伊吹ちゃんお父さん伊吹康成氏が行方不明の為、捜索願いが出され、伊吹氏が事件前日にブレスレットを購入したことが判明。同型のブレスレットを伊吹ちゃんが俺から事件当日渡された事を供述した。
事件から5日後、正午俺、佐久間一は逮捕された。
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