非日常と出会ったら
僕の名前は
学校の帰り道にある天下掘商店街で福引きがあり、
昨日スーパーで買い物した時に引換券を2枚貰ったので、引くことにした。
スーパーのすぐ近くに長テーブルが3脚並び、天下掘商店街
福引きと書かれてたポスターが貼られていた。
赤法被をきた茶髪でサングラスの兄さんの前にある
六角形の赤いガラガラを勢いよく時計回りに回し、
赤い色の玉と白い玉が出てきた。白い玉は残念賞のポケットティッシュだ。
「おぉ赤い玉出ましたね。お客さんあなた運が
いいよ。なんせん選ばれんだから」
「選ばれた?」
「ささこちらに来てください、おっとその前に目をつぶってください」
男はサングラスを人差し指で下げて、青い瞳が僕を捉えた。
目をつぶってくださいという言葉は脳に直接伝わり、
瞼が勝手に閉じていき、次第に体の力が抜け、地面に横たわって眠りに落ちた。
パチと指を鳴らす音がした。
その音で目が覚めると知らない部屋の真ん中で椅子に縄で括られていた。ガタガタと体を左右にゆすっても縄が取れない。
「お目覚めのようだね、少年」
目の前には、福引きにいた男が立っていた。
「あんた一体ここはどこだ!それにこれはなんだ」
僕がこの理解不能な状況を男に問いただす。
「どうどう、落ち着いて、今から話すから」
「落ち着いてられるか!!早くここからだせ!」
「はぁ~すこし静かにしろ」
感情的になりに声を荒げていたが、男の声を聞くと口が勝手に閉じた。またかよ、なんだこれ。
先ほど同じように体がいうことを聞かなくなった。
「全く疲れるから抵抗をやめて欲しいな。今度
うるさくするとすこし痛い目みせるからね、
やでしょ」
「・・・ごくん」
僕は生唾を飲み込んだ。この男ならやりかね
ないと思わせるように、声のトーンが下がった。
「よろしい、では説明するよ、今から君に
テストをしてもらいます。テストといっても
簡単だ。この注射を打ってもらいます。
これを打って反応が出たら、成功、
何もなかったら失敗。ただ、それだけだ」
男がポケットから緑色の液体の入った注射器を取り出した。
「それ、あから様に怪しすぎないか、打って大丈夫な色じゃないだろう」
「まぁまぁ僕も打ったことあるけど、この通り
ピンピンしてからさ安心してよ」
「あんたは助かったかもだけど、他はどう
なんだよ」
「打ったら反応でるやつもいれば、いないやつも
いるとしかね」
「なんだよ、それ」
反応とか怖すぎだろう。というか縄で括ったり、
知らない部屋に拉致るとか明らかにヤバいことが起きるって言ってるも同然じゃないか。
「でも君に拒否権はないけどね。ここには僕と
君しかいない。スマホや鞄は預かっている
からね。さぁ動きを止めろ」
「く、」
また、男の言葉で体の主導権が取られる。
「それじゃあ打つね」
プスリと僕の首すじに注射を指し、緑の液体が徐々に流れ込んでくる。すると痙攣を起こき
体が痺れたように身悶えた。
しばらくして、体の中に異物が溶けていき、全能感のようなものを感じた。
「どうやら、成功かな」
この日を僕は新しく生まれた変わった。
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