モブA〜転校生編

 今日は転校生がくるらしく、噂によるとうちのクラスらしい。

こんな6月という中途半端な時期なのに、なんでだろうな。

担任の絵美ちゃんが教頭先生と話す所を誰が聞いたそうだ。


 外見は北欧系、美人でスタイルも良い。しかもオレンジ髪のツインテールだ。


 そんな容姿のやつ本当にいるかよ、漫画じゃあるましい。

でもクラスメイトのヒョロメガネの田中とゴリラ顔の五里沢は

町で歩いている所を見たとか言っていたな。


 そうこうしていると予鈴がなり、皆席についた。

「はい、皆さん、今日は転校生がくるので紹介しますね。じゃあ

入ってきて」

 そうすると、廊下で待機していたであろう転校生が入ってきた。

どうやら噂は本当だったらしい。先生が黒板に名前を縦書きに書いた。


「じゃあ、自己紹介して」

「は~いじゃあ私から、フランスから来ました。私の名前はエリナ・

バンーデッドです。エリナって呼んでね~!!」


 そういうと「可愛い、お人形さんみたい」、「エリナちゃん♡」、

「俺このクラスで良かった」などよくあるテンプレ反応を

クラスの皆もしていた。もれなく俺もだが。


 だが、その中で、一ノ瀬とちびの小太郎だけが「なんで、あいつ、

こんなところにいるんだ」と反応をしていた。お前ら知り合いかよ~!!。


「エリナさんはお父さんの仕事の関係で日本に来てるらしいの。

困っていたら、助けてあげてね」

「エリナさんは一ノ瀬くんとのとなりね」

「はい」


 一ノ瀬のとなりはなぜか、6月になっても空の席だった。

そこにエリナさんがくるとか、こんな偶然あってたまるか。


「よろしくね、♪」

「おぉ、よろしく、

「もう~いつもみたいにエリナ♡って呼んでよ~」


エリナさんのラブラブムーブがクラスに波紋を読んだ。

(一ノ瀬、てめぇは主人公かよ!!!)

俺、茂部栄太郎は心の中で叫んだ。


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