無職から一か月

「外に出るのめんどくさいな。

 シャワー浴びの明日でもいいかな」


 外がまだ曇がかかり太陽が顔を出していない頃、

布団に包まりながら、ぼっそりと独り言を呟いた。


 服は昨日着たものまま、髪の毛はいがぐり栗のようにとげとげしく、

髭は口の周りに薄黒覆っていた。


 無職でバイト暮らしになって早くも一か月になる。

寝て食べて糞をしているだけなのに、無情にも時間というものは

待ってくれず過ぎさるばかりだ。


 生活リズムが社会人の時と比べて、乱れている気がする。

朝起きて、ご飯を食べ、身支度をし仕事に出かける。

働いている間は朝が憂鬱で仕方なかったが、仕事やめてみて、

この一連のルーチンがあるだけでもありがたいことだったのだなとしみじみ思った。


「転職活動か、、面倒くさいな。特にやりたい仕事も

 業界もないし、だらだら過ごしていたな、、はぁ」


 転職して正社員にならないと生活できないのは

頭では理解している。でも、足と頭が重い。

 

 やらない理由ばかり自分ででっち上げ気がする。

とりあえず、10分だけでも頑張ろうかな。



俺は布団を畳んで、クローゼットにしまった。


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