もしも、女の子なったなら

ふと思うことがある。

もしも、俺が女の子として生まれていたら。

そんな荒唐無稽こうとうむけいでありえないことを考えてしまう。


まず、女の子になってやってみたいことは

可愛い服やドレスを着てみることだな。


男だとまず可愛いもの着ることは普通はないだろう。だから、その違いを楽しみたいな。

「げぇ、スカートってすうすうするし、下着がむれるんだよ」

とか漫画でよく見る、男が突如して女になるときに

出るはしたないセリフ言ってみてぇー。


服なら、ロリータとか見ると着るのだとどう違うのか知りたい。


何かの弾みで転生できたら、おもしれえ女ムーブかましたい。

例えば、魔法学校で魔法の勉強してますか?

→NO、畑いじりをしてます。

幼少期は何ですごしていましたか

→木登りと悪戯

みたいな美少女の皮をかぶった山猿になってみたい。


こんな風に思っていた、今日この日までは、、



「楓、楓ったら、起きて、もう放課後だよ」

「うーん、、誰?」


なんだ暖かくて、久しぶりこんな快眠をした気がする。寝ぼけ眼をこすって目の前にいる女子高生らしき人物に問いかける。


「誰ってあんた寝ぼけてるの?」

「いや本当誰?」


楓って誰だよ、もしかして俺のことか?

俺は清水光輝しみずこうきっていう、もうすぐアラサーの営業マンだぞ。

こんなはつらつとした若い女の子の知り合いなんて、俺の記憶フォルダーを探してもヒット件数0だぞ。俺が知ってる女性なんて同期と先輩、取引先のおばちゃんしかいないはず。


「ひどい、親友の名前を忘れるなんて。そんなひどい楓には後でジュースを奢ってもらなきゃ。ほらスタンドアップ、帰る準備して」

「え、、あっはい」


とにかく、このままじゃ埒が明かないので、この子の言う通りに立ち上がり、ふと周りを見渡すと、

勉強机、黒板、後ろにロッカー、廊下に制服姿男女。

まるで、ここは高校みたいだ。

というかなぜ、俺は高校にいるんだ。

確か、今日は外周りして、そんなときに確か道路を歩いてた猫を助けようとして、、ってあれ?

その後ってはなんだっけ、、、


「どうしたのまったく、今日は変よ楓」

普段と違うのか、彼女は心配そうにしている。

なんだか頭が混乱してきた。

頭を切り替えるため、ふと思いながら窓をみているとそこには、女の子が二人立っていた。

ひとり、話しかけてくる茶髪の女の子。

もうひとり、きれいな黒髪をポニテにしている女の子がそこにはいた。


「!!」


この事実におどいた俺は指を自分の顔に向けた。そうすると窓にうる黒髪の女の子も同じ動きをする。

そのことにさらに動揺した俺は体をとりあえず

ぺたぺたとさわった。俺に元からあるものがなくて、ないものがある。

それって、まさか、、、


「もしかて。俺、、今女の子になってるうーーーーーー!!!」


俺はこの瞬間、女の子に生まれ変わったことを認識した。




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