第9話 ギルドを作ろう
ゲームを初めて4年が経過した。俺は、というか俺たちはまだパーティーを組んでいる。聞いた話だとここまで長く組んでいることはかなり珍しいらしい。
また、2年前超絶的に忙しかったあかねんとルナ3も、現在はだいぶ落ち着いてきたようで、だいぶ休みが増えてきたということだった。尤もそれでもまだまだテレビつけるとみるんだけどな。
それから、俺たちの現在のレベルだが、あの後隠しクエストを探しまくり受けまくった結果、俺は912、アリアロッテは874、あかねんとルナ3は同じで703とみんなかなりのレベルとなっている。もちろん全員最大1600まで上げているので、これでもまだまだ低いといってもいい。
「エリエリのレベルってすごいよね。確かプレイヤー最強なんでしょ」
「そうみたいだな」
「他人事ね」
「いや、よくわかんねぇし」
いつの間にか俺はゲームのプレイヤーたちの中で最高レベルに達していた。というかほかのプレイヤーは最大を1600まで上げられた奴の方が少ない。というかそこまで隠しクエストを攻略できた奴って全体でも10人ちょっとぐらいらしい。そう考えるとその中の4人が俺たちってのもすごいよな。おかげで最近はちょっと注目されているパーティーなんだそうだ。もともとハーレムパーティーってことである程度注目はされていたけどね。
「それはいいとして、最近は隠しクエも少なくなってきたし、やることも減ってきたよなぁ」
「ああ、それは言えてるかも」
「そうだよね。私としてはもっとレベルを上げたいんだけど」
「うんうん」
この2年で俺たちだけでなく多くのプレイヤーが隠しクエストを探し挑戦したことで、現在はすでにほとんどなくなったと思われる。
「何かまたアップデートであればいいけど」
「ほんとだよねぇ」
「そこで1つ提案なんだけど」
「提案?」
アリアロッテが何か提案があると言い出したがいったい何だろうか。
「レベル上げもできるし、収入にもなることなんだけれど、私たちでダンジョンを作らない」
「ダンジョン?」
「作れるの?」
「できるわよ。ほら、このゲームのクリエイトシステムを使うのよ」
クリエイトシステムというのはこのゲームの特徴の1つで、以前言ったと思うが、家を作ったり街を作ったりできるって言ったあれのことだ。実はさらに国を作ったりダンジョンを作ったりすることができるシステムでもあるんだ。
「ダンジョンか、確かにいいかもしれないな」
「でしょ。私たちもやることなくなってきたし、それに聞いたところによるとダンジョン作って、誰かに挑戦させるでしょ。それでその人が攻略失敗するとそれが経験値として作成者に還元されるみたいなのよ」
「そうなの!」
「それじゃ、作ろうよ」
「だな。あっ、でもよそれって俺たちだけじゃ無理じゃね」
ダンジョンを作るにしてもたった4人で作ったとしてもしょぼいものしか作れないと思う。
「ああ、そうだよねぇ。どうすんのアーちゃん」
「だから提案なんだけど、ギルドを作らない」
「ギルド?」
「そう、私たちのギルド」
ギルド、それは大人数の組織となるもので、例えば薬師ギルドがその代表格だ。
「それはいいけど、ほかはどうするんだ」
「それなんだけど、私たちみたいに限界突破している人たちを集めてみない」
アリアロッテの提案は現在最大レベルを1600まで高めた、いわゆる超越者たちを集めたギルドを作らないかということだった。
「私たちはみんな超越者だしいい旗印になると思う」
「なるほどなぁ。あかねんとルナ3はどう思う。俺はいいと思うけど」
「私もいいと思うよ」
「あっ、私もー」
というわけで俺たちはダンジョンを作るためにまずはギルドを作ることとなった。そして、問題となるのはそのメンバー、それは俺たちと同様の超越者を集めてみようという話となった。
「それでメンバーなんだけど、一応わたしは3人ぐらい知り合いがいるけどみんなはどう?」
「私は1人だけどたぶんアリアロッテと同じ人だと思う、一緒にいたから」
「わたしもぉ、そうだよ」
「俺は2人だな。となるとこれで9人か、確か超越者って10人ちょっとだろ」
「そうなるわね。それじゃぁとりあえず3人に連絡を取ってみるわ」
「おう、それじゃ俺も」
というわけで俺たちはそれぞれ分かれて知り合いの超越者に声をかけたのだった。
そうして、呼び出した超越者たちにギルドとダンジョン作成の話をしたところ、みんなやはりやることがなくなってきていたのか賛成ということになった。
また、声をかけた5人が残りのメンバーに声をかけてくれたことで全部で13人のギルドとなったわけだ。
「さて、とりあえず知らない人もいると思うから自己紹介でもしましょうか」
アリアロッテが当然のごとくしきりだし、それに意を唱える者はいなかった。なにせアリアロッテは何というか明らかに委員長っぽい感じだし。
「まずは俺からだが、俺はエリベルトレベルは912だ」
「次は私ですね。アリアロッテといいます。レベルは874です」
「ええと、それじゃ次はわたしぃ、私はあかねん、レベルは703」
「私はルナルナルナといいます。言いにくいのでみんなからはルナ3って呼ばれてます。レベルはあかねんと同じで703です」
「よっしゃ、それじゃ次は俺だな。俺はダラボラだ。レベルは859だぜ」
とまぁ、こうして俺たちは自己紹介をしていったのだった。ちなみにほかのメンバーはというと、
ディアルブ・男・レベル785
ガルマジオ・男・レベル801
フローレン・女・レベル824
サナリース・女・レベル701
タナートス・男・レベル872
リリアン・女・レベル799
アルフレッド・男・レベル905
ミサリオ・女・レベル819
というメンバーである。
「それでそれで、ギルド名とかはどうするの」
サナリースがあかねんみたいな高いテンションで聞いてきた。
「一応考えたんだけれど、トラセントとFOTTの2つかなって思ってる」
「どういう意味なんだ」
ダラボラが意味を聞いてきたので答えることにした。
「どっちも意味は同じだよ。俺たちは超越者だろ、その超越者を英語で言うとTranscendentalというらしいんだが、これだと長いからな。だから略してトラセント、もう1つは超越者の宴、Feast of the Transcendentの頭文字をとってFOTTってわけだ。もちろん誰かほかにいいアイデアがあれば言ってくれ」
その後いくらかのアイデアが出たが、結局トラセントという名に決まった。
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