第8話 どういうこと?
久しぶりに4人全員がそろったということで、これまた久しぶりにダンジョン攻略に向かうことになった。
「ここかぁ、レベルは?」
「一応80以上推奨だよ。あかねんとルナ3はブランクがあるからなぁ。これぐらいがちょうどいいんじゃないか」
「そうね。といっても私もちょっとブランクあるけど」
「でもでも、アーちゃんは私たちよりやってるよね」
「そうだけど、そんなに変わらないわよ」
「そういえば、エリベルトって100になったんだよね」
「ああまぁな」
「それじゃ、エリエリにはつまんない?」
「いや、確かにレベルでは上だけどこうして4人でっていうか、パーティーでやること自体久しぶりだからな」
「あっ、そういえばずっとソロだったんだよね」
「そういうこと」
俺がずっとソロでやっていたということで、なんだか若干3人の顔がほころんでいるが、なんだろうかわからんが、まぁとにかくさっさと入ろう。
というわけで、さっそくダンジョン攻略に乗り出したわけだが、やはり最初はちょっとブランクから苦労があったが、それでも長く一緒にやってきただけあってすぐに感を取り戻していった。その結果攻略もどんどん進んでいき、あっという間に中層あたりへとやってきた。
「ふぅ、やっぱりいいよね。このゲーム」
「うんうん、なんか生きてるって感じする」
「それは、わかる気がする」
「ははっ、こういうのはゲームでしか体験できないからな」
このゲームはフルダイブなためにキャラの戦闘技能は自身の才能などに左右されてしまうから、戦闘に関する才能が全くない奴はあまりレベルを上げることができず、辞めるか別の仕事を探すしかない。それで俺たち4人はというとどうやら戦闘の才能があったらしく、こうしてレベルも上がるしちょっとぐらいなら自分よりレベルの高い奴とも戦えるようだ。
そんな風にダンジョンを攻略することしばし、ついにボス部屋までやってきた。
「さぁ、いよいよボスだね」
「ええ、みんな気を引き締めていきましょ」
「おう」
「うん」
そんな気合を入れていざボス部屋へ。
ボスといっても俺たちよりレベルの低いボスというわけで、結構あっさりと倒すことができた。
「はぁ、終わったぁ」
「なんか、すっきりしたね」
「確かに」
「お、おう、そうだな」
ボスを倒してやれやれといっているところで、不意に頭の中でファンファーレが聞こえてきた。
「んっ?」
「どうしたの?」
疑問に思っているとルナ3が気が付いて尋ねてきた。
「んっ、あ、ああ、なんか今ファンファーレが聞こえてきて……はっ!?」
「なになに?」
「ほんとどうしたの?」
今度はあかねんとアリアロッテまで聞いてきたが、今の俺はちょっとそれどころではない。それというのもファンファーレというのは本来レベルが上がったときに聞こえてくるもの。しかし俺はすでに100でカンストつまり本来なら聞こえるはずがないものだ。だから、おかしいと思ってステータスを確認してみたらなんと。
「レベルが上がってるだとっ!」
思わず声に出して驚いてしまった。
「レベルが? どういうこと? エリベルトはすでに100よね」
「あ、ああ、だから今確認してみたんだが、どうやらレベルが101になってる」
「えっ、どういうこと?」
「わ、わからん」
「エリエリいつの間に限界突破したの?」
「そんな記憶ないぞ。というかそういうのがあるって話も聞いたことないし」
「そうよね。私も聞いたことないわ」
「ちょっと調べてみる必要があるかも」
「だな」
というわけで俺たちはいったん家に帰って情報収集をすることになった。
ちなみに、本来情報収集するためにはいったんログアウトしてパソコンを起動したのちネットで検索するわけだが、このゲームは課金によってゲーム内自宅にも外部ネットとつながるパソコンを設置できる。今回はそれを使って情報を集めるというわけだ。
「とりあえず運営のページで確認してみるか」
「そうね。お知らせあたりに書いてあるかもしれない」
「うんうん、見落としてたかもね」
俺たちの見落としは十分にあり得る。俺はそもそもそういったものをあまり見ていないし、3人は3人で忙しくて見ている暇はなかっただろうからな。はてさてその結果はというと
「ないな」
「ないわね」
「バグってことかな」
「うーん、どうだろうか」
バグによってレベルが上がったという可能性もあった。
「一応掲示板とかも調べてみるか」
というわけで公式の掲示板から非公式の掲示板までを洗いざらい調べてみることにした。その結果わかったことだけど、どうやら俺と同じようにレベルがなぜか上がった人はそれなりにいるということだった。逆に上がらないという人もいるようだ。そうなるとバグではないのかも知れない。そこでさらに調べてみると、この現象が起きたのは近々に起きた大型アップデート時であることが判明。もしかしたらその時に人知れずに何か追加されたのかもしれない。そうして、さらに調査を進めてみる。
数日後アリアロッテがある情報を持ってきた。
「どうやら、隠しクエストがあるみたいね」
「隠しクエスト?」
「そう、ある条件下で発生するみたいだけど、それを攻略するとさらなる限界突破できるみたい」
「つまり俺は知らずにそのクエストをやってたってことか」
「そうみたいね。それと噂だけれど、そのクエストは各地にあるみたいだけれど、一度しか発生しないらしいわ」
「一度?」
「ええ、誰かがこれだって思って、別の人にも紹介したらしいんだけど、なぜか発生しなかったってことが何度も起きたみたい」
それ以外はまだわからず調査中ということだったが、その後の情報として条件もわかった。それによるとこの隠しクエストというのはソロでしか発生せずパーティーでは無理なんだそうだ。これも多くに人間が実際に確認したことのために確かということだ。確かに俺はしばらくソロだったからその条件に当てはまったのだろう。また、アリアロッテによるとそのクエストは相当な難関クエストだというとで、俺も過去を考えてみると確かに1つ思い当たることがあった。そこで、情報が確かか確認するためにそのクエストを受注した場所へ向かい、アリアロッテに試してもらったところ確かに何も起きなかった。
そして、もう一つこれはのちにわかったことだが、このクエストは何度も受けることができ、それを攻略するたびに最大レベルが倍になっていく。具体的には100だったものが200に、次は400、800、1600となっていく。といっても1600が限界のようで、そのあとは攻略してもそれ以上は上がらない。尤も経験値はかなり入るために、レベル上げになんども挑戦した。
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