第3話 さっそくバレた
どうも、松城京馬です。この前念願の変身ができたですけど、
『ミラクル♡ティレン!ただいま参上!』
……このように、魔法少女になってしまいました。うそでしょ、夢であってくれ。
目覚ましの音が鳴り響いた。え?もしかしてほんとに夢説ある?まじ?
俺は思わず飛び起きた。
「あっ!おはよー」
目の前には昨日であった妖精のファナシーがいる。……よし!寝よう!きっと疲れているんだ!ファナシーなんていない。そう、きっといない。
「こらー!寝るなー!学校なんでしょ!」
ファナシーはどうでもいいが、学校を休むのはやばい。そう気づいた俺はファナシーを無視しつつ学校の支度を急いでした。
朝のドタバタがあり、学校には3分前についた。間に合ってよかったとほっと一息……する間もなく女子が絡んできた。
「京ちゃんめずらしー!ぎりぎりにつくなんて。」
「いい夢でも見たのー?」
「寝顔見たかったー!」
「京ちゃんかわいいhshs」
でた、いつもの俺いじり。こいつらは俺の身長と容姿をいじってくる女子グループ。確かに俺は身長が低いが女っぽくはないだろ。
「俺のどこがかわいいんだよ!」
すると、その言葉を待っていたかのように語りだした。
「目がぱっちり!」
「まつ毛長い!」
「女子より小顔!」
「京ちゃんかわいいhshs」
聞くんじゃなかった……。あと、ずっとhshsしてるやつなに?
すると、ナイスタイミングで先生が入ってきた。
「こらこら、京馬さんがかわいいからっていじりまくるんじゃありません。」
そういえば先生ショタコンだった……。ってか中学生ってショタじゃなくね?
「あと、今日は転校生を紹介します。」
その言葉にクラスはざわめく。中には来ることを知っているという男子もいるが大体そういうやつは知らないのがあるある。
「イケメンこい!」と女子は願い、
「美少女こい!」と男子は願う。
「では、入ってきてくださーい」と先生に呼ばれ一人の少女が入ってくる。
その少女はすらっとした高身長でミディアムヘアーの黒髪で、きれいな紺色の瞳に眼鏡を掛けている。簡単に言ってしまえば、ミステリアス系美少女だ。良かったな男子。
「自己紹介をお願いします」
「か……神楽坂未来です。よろしく……お願いします」
どこかで聞いたことのある名前な気がする。神楽坂……未来……。
「あぁ!昔おんなじ幼稚園だった未来!?」
思わず大声を出してしまい、周りから目線が集まった。
「覚えてるの?京馬くん」
俺が引っ越す前、おんなじ幼稚園の友達だったのが神楽坂未来だ。まさか、未来もここに引っ越すとは……
「じゃあ席は京馬さんの隣にしましょう。」
「これからよろしくね。京馬くん」
「あぁ。よろしくな!」
こうして朝のホームルームは終わった。
「きょーうーまー?美少女と知り合いとは何様だ!」
やはり、クラスの男子たちにねたまれた。そんなことを横目に女子たちは未来に質問攻めをしていた。
昼休み、俺と未来は学校案内をするため……正確に言えばクラスのみんなから逃げるため、教室を出た。
「あいつら、遠慮って言葉しらないのかよ」
「でも、にぎやかで楽しいね」
「にぎやかすぎだっちゅうの」
そんなたわいもないかいわをしつつ学校をゆっくり回り、平凡な1日を過ごした。いや、過ごすはずだった。
帰り道が同じということもあり、一緒に帰っていると爆発音が聞こえた。
「きゃっ!なに」
「でたわね!オンブルカンパニー!」
え?待って。敵の名前オンブルカンパニーっていうんだ。初耳。……じゃなくて!
「ファナシー!ついてくるなっていっただろ!」
「あたしがいないと変身できないじゃない!」
「どれもこれも初耳だよ!」
すると、未来がおそるおそる言ってきた。
「あの怪物さん近づいてきてるよ……?」
「え?」
オンブルカンパニーに敵は雄たけびを上げて襲い掛かってきた。
「京馬!変身よ!」
「無理無理!あの姿人前で見せられない!」
「あの女の子もろとも死ぬ気?ヒーローになりたいんじゃないの?」
ぐっ……そういわれると今の俺はヒーローっぽくない!
「みんなにはナイショだよ!」
ブレスレットを掲げて変身セリフをいう。
「ミラクルマジカルチェンジ!」
おなじみの光が現れ俺は姿を変える。
「ミラクルくるくるみんなの魔法少女!ミラクル♡ティレン!ただいま参上!」
光が消え俺の姿が未来に見えるようになった。はずかし!無理!死ぬ!
「さっさと片付ける!風の
今回の敵は弱かったのか、風の
「京馬くん……」
「さすがに引いたよね……この姿」
しかし返答は予想外のもので、
「京馬くんなりのヒーローになれたんだね!かっこかわいかったよ!」
「未来……」
かわいいは余計だけど、いい友達もってるな俺。そうしみじみ思うばかりであった。
今日から俺は魔法少女!? 姫野みくる @himenomikuru
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