第4話 馬頭さんはじめての敗北
さて、恒例と成りました新モンスター召還です。
カタログは、蟻と鼠と蛇女。三択固定ですか。
もう蛇女一択でしょ。一応ビジュアル見ときますか。青白い四つん這い女ですね。髪の毛も青緑。
【蛇女 冷血の女】
攻撃力どうなんでしょうね。それ次第ですね。教えてくれませんか。
【抱きつかれると寒い】
微妙な表現ですが、赤猫の逆で凍りつくくらい寒かったりして。
回避すると、やーい当りだったのに、みたいな。
じゃ、蛇女召還です。うわあああん、何度やっても慣れとかないんですね。地獄の責め苦ですから。
蛇女出て来ました。震えて泣いてます。寒いんでしょう。縮こまることも許されないで、四つん這いでいないといけないんです。
元々亡者なので可哀想なのしか来ません。
蛇女入れたら六層寒くなりました。罪が深いと周囲の環境変わります。一層一種類なのはこれが理由ですね。
赤猫と蛇女一緒にしてやったら、どっちも楽になってしまいます。適温地獄なんてないですから。
一層をもっとデコボコさせたいです。ジェットコースターみたいにしましょう。転ぶ確立が増えます。
層の中の高さの限界は層数引く二掛ける十メートルです。
鍾乳石吊り下げるのありですか? ありですか。よかった。細くて鋭いのを天井の面積の限界まで造りました。落としてもいいけど、落ちたの拾ってぶつけたらだめ。はい、判りました。
では、ご入場を、って十五人はないでしょ……。
男八女七ですね。奇数だと必ず野郎が多いんですね。そんなことより、数減らさないと。
今回は殺れるのを殺っていかないと馬頭さんの負担が大きそうです。
入り口をほぼ崖にしました。一層に進めない道を造ってはいけない縛りがあるので一応階段は付いてますが、下見たら落ちそうな感じです。
一人ずつ降りますね。上のが落ちてきたらたまりませんからね。一番手は身軽そうな女です。
いくら修羅でも立って降りるのは無理で、はしごを降りるように這い降りて行きます。行動も制限されてハエ有利です。
階段の真ん中まで来たところでハエアタックです。周り飛び回るだけです。斬られたら斬られ損ですから。
はい、落ちました。産卵しましょう。残った人達見てますか? 見てますね。やはりビジュアルは蛆最強です。
何があっても進まなければならない修羅の道。今度は屈強な男が降ります。
十メートルくらい降りたらハエアタックしましょう。落ちませんね、こいつ。
残り十メートルまで来ちゃいました。修羅はこのくらいなら判ってれば飛び降りられます。
では、最後の手段。ハエに鍾乳石を落とさせます。
男四点確保で蹲りました。頭に鍾乳石当って血が出てます。頭血ぃ世の中です。今の若いもんは知らんよな。
血が出てたら産卵です。なんか、ハエだけで勝てそう。
三人目、走り降ります。膝とか肘とか擦り剥いて血が。産卵は一瞬掠っただけで出来ます。この辺も毒と一緒ですね。てか、変形の毒なんじゃないの。
残り全員で降りますか。じゃ、こっちも鍾乳石落とせるだけ落として、上の奴にハエアタック。
二人落ちました。巻き込まれないようにしがみついて、刀振り回さないのでその隙に五人も産卵出来ました。
残りの五人走って逃げます。こうなったらハエで全滅させてみましょう。
鍾乳石は天井中にあります。ちょっとでも血が出たらハエアタック。
ハエだけで勝てちゃいました。
四つん這い女各種泣いてます。普段から泣いてるけど。
受けてる責め苦は別々ですが、亡者食ってる間は少しだけ楽なのは共通です。
馬頭さん壁の方向いて体育座りしてます。一番大きな子が拗ねないで。
俺だけちょっと楽になったけど、今回は階層増えませんでした。
「ダンジョン地獄」のプロトタイプの、情報収集の仕事は出来たみたいですが。
最長急階段禁止されました。
こう配六十度以下、高さ限界の三分の一に規制されました。
様々な恐怖と苦痛を味わわせるダンジョン探索型責め苦の趣旨に反すると言う事で。
単純な苦痛でよければみんな釜茹でで十分だと。なんでそんなにバラエティーに富んだ責め苦を提供したいのか判りませんが。
昔から「悪見処」なんてとんでもないマニアックな地獄もあったりするのです。あれ、誰が考案したんでしょう。
一層の床リセットです。
鍾乳石は規制されなかったので、威力を最大にするために、規制限界のこう配と長さの階段を繋げて、最深度まで床を下げます。
【階段を繋げる場合は十メートル以上の平坦な道もしくは二十㎡以上の踊り場があること】
なんですかその現代風の建築基準。俺の知識に合わせてくれてるんですか。
二十㎡以上の踊り場、それ十分部屋でしょ。
忘れるところだった。ハエ進化出来ませんか。皆殺しだったんだから。
【金バエに進化した】
なんでハエだけ申告制なんでしょう。疑問に思っただけで、文句なんか言ってませんよ。
それにしても、馬頭さんが殺傷力で階段に負けてしまうとは思いませんでしたね。
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