登場人物紹介&SS

鈴木悠斗すずきゆうと


 男子大学生。黒髪の文学青年。切れ長の瞳が特徴的。ぱっと見目つきが悪そうに見える。

 本を読むのが好きで、時間がある時はだいたい本を読んでいる。紙の書籍、電子書籍の分け隔てなく、WEB小説も読んだりする。面白ければジャンルは問わない。

 人づきあいが苦手なわけではないが、自分から積極的に人の輪を広げるようなことはしない。人から話しかけられたら人当たりよく対応する。

 目つきの悪さと優しい雰囲気のギャップが高校生の時から密かに人気があった。本人はまったく気づいていなかった。

 佐藤美咲が人生で初めての恋人。佐藤美咲の高校までの生活については知っているが、そのことについてはあまり気にしていない。今、そしてこれからが大事だと思っている。




佐藤美咲さとうみさき


 女子大生。明るい髪色に派手な化粧のギャル。大学でも話題になるほどの美女。

 基本的に明るい性格で、人と接することが苦ではなく、高校生の頃は派手に遊び歩いていた。だが、その裏では家庭の事情で悩みを抱えていた。

 鈴木悠斗と出会うまでは性に奔放で何人もの元カレや複数のセフレがいた。鈴木悠斗と出会ったことがきっかけでそれまでの男性とのかかわり方が変わった。

 鈴木悠斗のことが大好きで、一緒にいるときは常に体のどこかを触れさせたがる。逆に鈴木悠斗以外の男性に触れられると著しく体調を崩してしまうようになってしまった。

 現在は鈴木悠斗とともにカウンセリングに通い治療に励んでいる。

 本音を伝えあった日以降人付き合いを改め、本当に仲良くしたいと思った友達以外とはあまり関わらなくなった。その分鈴木悠斗と一緒にいる時間を増やして、その時間をとても大切に思っている。




藤梓ふじあずさ


 専門学校生。佐藤美咲の親友。高校の時は佐藤美咲と似た格好のギャルだったが、卒業してからは落ち着いた清楚な見た目に変貌した。本人曰く「ギャルは飽きた」かららしい。

 高校時代は派手な見た目だったが、根は真面目で友達想い。高校の時からずっと佐藤美咲の恋愛相談を聞いていた。佐藤美咲と鈴木悠斗に関しては「はよ結婚しろ」と思っている。

 恋愛には一途で、彼氏ができたら彼氏一筋。現在は恋人がいない。自分の親友とその恋人の様子を見て、自分にもあんな恋人が欲しいなぁと密かに思っている。




沢渡里香さわたりりか


 高校三年生。鈴木悠斗がバイトをしている個別指導塾の生徒。今どきの女子高生らしく明るくノリの軽い女子生徒ではあるが、受験に対しては真摯に真面目に向き合っている。志望校は鈴木悠斗と佐藤美咲が通っている大学。

 通っている高校に超有名アイドルが在籍している。

 塾の先生として鈴木悠斗のことは気に入っているが、別に男性として好きという訳ではない。佐藤美咲の前でちょっとからかって見せただけ。












「ね、ユート。里香ちゃんが言ってたんだけど、このアイドルって里香ちゃんが通ってる高校に通ってるんだって」


 ある休日の昼下がり。どこにも出かけずに部屋でゴロゴロしていた僕と美咲だったけれど、スマホを見ていた美咲が僕に画面を向けてそんなことを言ってきた。


「アイドルって……去年くらいから一気に有名になった子?」

「そうそう! めっちゃテレビとかドラマとか出てる子! すごいよねー、歌も演技もめっちゃ上手くてさ。あたしあの子が出てるドラマ見て泣いちゃったことあるし」

「僕の袖で涙拭いてたやつね……」


 美咲のスマホの画面には一人のアイドルの子が映っていた。

 煌びやかな衣装をまとった一人の女の子は、見るものすべてを魅了しそうな笑顔を浮かべていた。


「いいよねー有名人と同じ学校って。なんか自慢できるじゃん?」

「自慢できるかはわからないけど、話題にはできるよね。でも沢渡さん、僕にそんな話してくれたことなかったけどなぁ」

「あたし里香ちゃんとめっちゃ仲良くなったからね。実は塾以外で勉強教えてあげたりしてるし?」


 美咲はスマホを操作して写真アプリを起動する。いくつもある写真の中から、沢渡さんと一緒に映っている写真を見せてくれた。


「へぇ……まあ美咲は子供とかにやさしいしね。沢渡さんも甘えたくなるのかも」

「んー? ユートはあたしに甘えたくならないのー?」


 そう言いながら膝の間から僕に体をこすりつけてくる美咲。言ってることとやってることが逆な気もするけど、そういうところも美咲の可愛らしいところだ。


「僕はいつも美咲に甘えているからね。いつもありがとう。美咲がいないと生活できなくなっちゃったな」

「えへへ~そうでしょそうでしょ! ユートのお世話はあたしがずっとやってあげるからね!」


 いつも通りの、休日の昼下がり。


 今度塾に行ったとき、沢渡さんにアイドル――高島美優のことを尋ねてみようかな、なんて思ったりした一日だった。

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