EX.僕と彼女の一日

応援♡1000個ありがとうございます。記念にえっちなの書きました。











 僕は毎朝、コーヒーとパンの焼ける匂いで目を覚ます。

 ゆっくりと目を開けるとエプロンをした美咲がキッチンで朝食を作っていて、僕の目が覚めたことに気が付くとその手を止めて僕の方にやってくる。


 僕はぼーっとした頭でそれを見ながら、枕元に置いてあるブレスケアを手に取ると、一粒口に入れて嚙み砕く。


「おはよ、ユート♡」


 ちゅっ、と美咲の唇が僕の唇に触れる。美咲はこうやって寝起きの僕におはようのキスをするのが好きだった。

 だから僕は寝起きにブレスケアを噛むようになった。はっきり言って起きたばかりの口臭なんて酷いものだし、美咲は何も言わないけれど僕が気にしてしまうから、このブレスケアは手放せないものになっていた。


「もうすぐ朝ごはんできるから二度寝しないで待っててね」


 キスを済ませた美咲は朝食作りに戻っていく。と言っても朝が弱くて大したものが食べられない僕に合わせて、美咲は食パンとスクランブルエッグとコーヒーという簡単なものを用意してくれるから、そこまで手間がかかっているわけではない。


 それでも僕の朝食というか、世話をしてもらうのは申し訳ないし気が引けるから、一緒に住み始めた最初は僕も何度か自分のことは自分でしようとしたのだけれど、美咲の「ユートのお世話はあたしがします。異論は認めません!」という強気な姿勢にだんだんと絆されてしまって、今ではこんな感じになってしまった。


「おはよう美咲……」


 まだ眠くてふらつく頭を何とか起こして、僕はテーブルの前に座る。時刻は朝の8時前くらいで、大学の一限は九時からだから特に急ぐような時間ではない。この家から大学までは歩いて十五分程度なので、ご飯を食べて着替えて洗顔をして、八時半過ぎくらいに出ればいい。


「はい、どーぞ」


 朝食を僕の前にことりと置いた美咲は、僕の対面に座ってニコニコと見つめてくる。

 僕は食パンにスクランブルエッグを乗せると、そのまま一口かじった。


「……うん、今日もおいしい。ありがとう美咲」

「どういたしまして♡」


 寝ぼけた頭でも感謝は素直に伝える。

 美咲のお世話に甘え切っている僕の、数少ない美咲に返せるものだ。

 美咲はそんな僕の言葉でとても喜んでくれるので、僕も感謝の気持ちを伝えることが楽しいし嬉しくなる。


 素直で、世話焼きで、可愛くて。

 そんな美咲と一日が始められて、僕は毎日幸せだ。






 美咲は毎日僕より早く起きていて、朝食も僕より早く食べているし、僕が起きる頃にはもう化粧まで済ませていたりする。それでいて、僕の起きる時間に合わせて僕の朝食を作ってくれていて、僕は美咲に足を向けて寝られない状態になっていた。いやまあ、美咲に足を向けて寝るなんてことは物理的にも心情的にもないけれども。


 朝食を食べた僕は寝巻のスウェットから外出用の私服に着替えて、それから洗顔をして、大学に持っていく荷物の確認をする。

 その間美咲は僕が食べた朝食の片づけとか、朝回してた洗濯機の中身を取り出してベランダとか室内に干したりだとか、そういった家事をしてくれていた。


 もう何度も見ているし、なんなら触ったりもしているけれども、美咲の下着とかが室内に干してあるのを見るのはいまだに少し思うところがあった。僕だって男だし、やっぱり好きな人の下着っていうのは特別っていうか。


 ただ、だからと言って僕の見えないところに干すなんていうのはこのワンルームでは不可能なので、僕は何も言わずに部屋に干された下着をちらっと見ただけで視線を外した。


 ちなみに以前僕が洗濯物を干そうとしたら「あたしのブラとかパンツとかあるからだーめ♡」と言われて触らせてもらえなかった。自分の下着があるからダメという割には、僕の下着は躊躇なく干しているのだけれども。……まぁ、美咲が気にしないのなら僕から言うことは何もない。


 僕の準備が終わったら、二人して大学に向かう。家を出て鍵を閉めたら、美咲が僕の腕を絡めとるように胸に抱きしめる。

 美咲は僕と二人で出かけるとき、ほぼ必ず僕の腕を抱きながら歩く。ちょっと歩きづらいけれど、それで美咲が幸せそうに笑っているのだからそれくらいは許容範囲だ。美咲が笑顔でいてくれるなら、僕もそれが嬉しい。


 大学に着いても美咲は僕の腕を抱いたままだ。一限は一般教養科目がほとんどで、僕と美咲は一般教養は同じ科目をとっているから、腕を抱かれたまま教室まで行って席に座る。

 当然大学の友人とかにそういう姿は目撃されるのだけれど、美咲はまったくもって気にしないらしい。最初は美咲と僕の姿にからかいの言葉を投げかけていた友人たちもいたけれど、それも一か月もすれば誰も何も言われなくなってしまった。


「最初はあまりのバカップルぶりに言わずにはいられなかったけど、一か月もすればそれが当たり前になってていちいち反応するのもアホらしくなった」


 なんて友人に言われてしまって、その時は流石に僕も苦笑いをしてしまった。


 それから、二限三限、日によっては四限があったり、三限が空いて四限だけあったりみたいな時間割で授業を受ける。さすがにすべての授業が美咲と一緒というわけではなく、僕は教育コースで美咲は保育コースなので、それぞれの専門の科目もあって、それらは当然だけれど別々に授業を受ける。


 お昼は大体学食で美咲と友人たちと一緒に食べている。美咲が「お弁当つくろっか?」なんて聞いてきたこともあったけれど、流石に朝から美咲にそこまでやってもらうのは気が引けて、お弁当を作ってもらうのは止めてもらった。


 僕と美咲は大体違う定食を選んで、おかずを二人で交換し合いながらお昼を食べる。


「美咲、トマトあげる」

「じゃああたしはから揚げ一個あげるね」


 以前友人のいる前で美咲が「はいユート♡」と箸でつまんだおかずを差し出してきたのでそのまま食べたところ、その友人から「お願いだから恋人のいない私の前でそれはやめて!」と言われてから、美咲から直接食べさせてもらうことはなくなった。

 なので、今は普通にお互いの皿にお互いのおかずを交換し合って置いているだけだ。


 大学が終わると、僕と美咲は二人で帰路に着く。時々美咲は友人と遊びに出かけるし、僕も僕の友人と出かけたりすることもあって、これは毎日そうと決まっているわけではないけれど、まあ大体は一緒に帰っている。

 一緒に帰るときは、帰りにスーパーやコンビニなんかに寄って帰ることが多い。今晩の晩御飯の食材とか、日用品とか消耗品の買い足しとか、主に美咲がイニシアチブを握って買い物をしている。


 だから、今日も帰りにスーパーに寄って晩御飯の材料を調達していた。


「ユート、今晩は何が食べたい?」

「んー……コンソメスープとか?」


 なんて二人で晩御飯のメニューを話し合いながら食材をかごに放り込む。

 正直に言って美咲はどんな料理を作ってもとても美味しいから、僕には晩御飯のメニューにこだわりなんてないのだけれど、だからと言って「なんでもいいよ」と答えるのが美咲にとって負担になるのはわかっているので、その日の気分で適当に食べたいものを告げている。


 晩御飯の食材の買い物を済ませた僕と美咲は、僕が片手で買い物袋を持って、空いている方の腕を美咲が抱きしめる形で家路に着く。


 家に着くと両手が塞がっている僕の代わりに美咲がカギを開けて、家に入る。


「ただいまー」

「おかえり♡」


 僕が帰宅の挨拶をすると、美咲から返事が返ってくる。同時に帰宅しているのにおかしくない? なんて聞いたことがあったけれど、美咲は「ユートにおかえりっていうのが好きだからこれでいいの!」と言ってきたので、これでいいのだろう。


 それから美咲は食材をキッチンに置いて、僕は僕と美咲の大学の荷物を部屋に片づけて、外行きの服から部屋着に着替える。キッチンに食材を置いた美咲も私服からゆったりとした部屋着に着替えた。


 この着替えも、一緒に住み始めた当初は美咲も恥じらいがあって脱衣所に行って着替えたりもしていたけれど、まぁひと月ふた月と一緒に過ごしていくうちに僕の目の前で着替えるようになってしまった。これも慣れというものだろう。恐ろしいものだ。いや、まぁ僕としては美咲の奇麗な体が見れるのだから否やはないのだけれど。


 それから、美咲が晩御飯を作って、それを一緒に食べて。

 晩御飯の片づけをして、お風呂に入る。


 お風呂は別々に入ったり、一緒に入ったり、いろいろだ。でもワンルームの一人暮らし用の部屋だからお風呂は広くなくて、二人で入ると狭いからあんまり二人一緒に入ることはないかな。二人で入る時はたいてい美咲が僕と一緒に入りたがった時だ。こんな感じで。


「ユートぉ……今日は一緒に入ろうよぉ」

「いいけど、どうしたの?」

「今日は三限も四限もユートと違う授業で午後ずっと離れ離れだったから、ユート成分が足りないの!」

「僕の成分ってなに……?」


 そんな会話をしながら脱衣所に行って、二人で服を脱いでいく。こうなるともう美咲は甘えん坊モードみたいな感じになって、僕に両手を差し出して「脱がしてぇ……♡」なんて言ってくるから、僕は美咲の部屋着を脱がしてあげる。


「ブラも外してよぉ……」

「はいはい」

「あ……やぁん♡ ユートの手が当たってるぅ……♡ んぅ……♡」

「そりゃブラ外してるんだからそうだよ」


 そうこうしてお互い裸になってお風呂に入る。

 何度見ても美咲の体はスタイルも肌艶もよくて、とても綺麗で艶めかしい。


 そんな美咲を前にして、お互いの体を洗いっこしたりなんてしたら、僕も男なわけで。美咲の肌すべすべだなーとか、柔らかいなーとか、ほてって赤くなっててえっちだなーとか、何度触ったってそう思ってしまうわけでね?


「あ……ユートのおっきくなってるね……♡」


 お互いの泡立てたボディーソープを洗い流した後、美咲が僕の一点を見つめて言う。


「このままだとユートかわいそうだし、でもお風呂にゴム置いてないし……だから、お口でしてあげるね♡」


 なんて言いながら美咲が僕の前に跪いて。

 僕たちが一緒にお風呂に入ると、だいたいこんな感じになってしまうのだ。






 お風呂から出た僕たちは、それぞれ自分の好きなことをしたりする。僕は本を読んだり大学の課題をやったり、時々パソコンを開いて調べものだったりをしていたり。

 美咲もスマホを弄ったり、ネイルを弄ったり、僕がたまに買ってくる漫画を読んでいたり。この辺はなんかあんまり高校の時と変わってない気もする。


 たいてい僕はベッドを背もたれにして座りながら本を読んでたりするのだけれど、その僕の膝の間が最近の美咲のお気に入りのスポットらしい。僕が座っていると飲み物とかスマホとかを持った美咲が膝の間にスッと入り込んできて、そのまま僕に背中を預けてくる。


 そうすると僕は美咲の前に腕を回さないと本が開けないので、僕が回した腕をキュッと掴みながら美咲はスマホを弄っていたりする。


「ユートの腕の中が一番落ち着くから」


 というのは美咲の弁だ。


 それで二人で時間を過ごす。その間に僕たちに会話らしい会話は特にないのだけれども、別にそれで気まずい空気が流れたりはしない。お互いがお互いの時間をゆったりと過ごしている。こういう空気感は、美咲が高校の時に僕の家に通うようになった時から変わらないもので、僕はこの時間がとても好きだった。


 でも、高校の時と明らかに違うものがあって。

 僕と美咲の距離感は、あの頃とは比べ物にならないほど近くて。


「……美咲」

「んー? なぁに?」


 背中を預けてきているということは、目の前に美咲の頭があるわけで。


「ちゅ……れろ……ちゅる……えろ……」

「あ♡ ひゃあん♡ ちょ、ユートぉ♡」


 僕は、とてもいい香りのする美咲に吸い寄せられるように、美咲の耳を舐めていた。

 ぴちゃぴちゃとわざと唾液を含ませるように舐めて、美咲に舌と音で刺激を与えていく。


「ほら、美咲。僕の指舐めてよ。そしたら美咲の耳もっと舐めてあげるよ?」


 いったん耳を舐めるのをやめて、読んでいた本を置いて美咲の口元に人差し指を持っていく。ふぅーと美咲の耳に軽く息を吹きかけると「ひぅ♡」と体をビクンと跳ねさせた。


「な、舐めるからぁ♡ 耳、もっとぉ♡」


 そう言って美咲は僕の指を口に含める。


「れろ……じゅる……ちゅうう……♡ ちゅぱ、ちゅう♡」


 美咲の舌がいやらしく僕の指先を舐めしゃぶる。素直に僕の指先を舐めた美咲にご褒美をあげるように僕も美咲の耳をもう一度舐め始める。


「ん♡ ちゅう♡ ちゅるる♡ ちゅぱ……あ、やん♡ ちょ、ちょっとまって……♡ ひぅん♡ ゆ、ユートの指、舐めれな、あん♡」


 耳への刺激で僕の指を離してしまった美咲を、後ろに向かせて唇にキスをする。

 最初はちゅっちゅとついばむようなキスを。それから口を開いてお互い舌を侵入させ合って、貪るようなキスを。


「ちゅる……れろ……♡ ん……ちゅう……じゅる……あ♡」


 キスをしながら、僕は美咲を後ろから抱きしめるように手を回しながら服の中に侵入させる。

 肌触りのいいお腹をさわさわと撫でて、おへそをくりくりと弄ったり、わき腹を優しく触ったり。

 それから徐々に手を上にあげていったところで、美咲に腕をつかまれた。

 キスで密着していた顔を離し、美咲を見つめる。

 美咲は顔を真っ赤にしていて、目をとろんと蕩けさせていて、若干息を乱しながら、視線をちらっとベッドに向けた。


「ね、ユート。続きはベッドで……ね♡」






 朝目が覚めると、美咲はすでに起きていて朝食の準備をしていた。

 夜も一緒に眠って、朝起きたら愛しい人がいる。


 僕は今、とても幸せだ。











直接的な描写はないからセーフ!!

(怒られたら消します)


 

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