第3話私しか知らない休日

ハーレム計画が順調に進んでおり、現在恋人らしき人物は三人になっていた。

まず初めに杉窪曲。

二人目はモデルの娘娘。

三人目がつい最近加入した売出し中の女優である海道白。

この三人が現在のハーレムメンバーである。

「今日は仕事行かないのか?」

正妻というか一番目の恋人である曲は仕事に行く素振りも見せずに優雅な朝食を楽しんでいた。

「今日は久しぶりに有給取ったんだ」

「何で?」

朝のゆっくりとした時間を楽しんでいる恋人に投げかけるような言葉では無いのは重々承知だ。

だが曲がいると他の女性を呼ぶのも少しだけ気が引けるってものだ。

それぐらいの良識は持っているつもりである。

「ん?上司に言われたのよ。有給消化してないの杉窪さんだけですよ。って。ちゃんと消化しないと会社側が後で面倒になるんだって」

「ふぅ〜ん。俺は働いたこと無いから分からないが…」

「そうね。でも天はそのままでいて?私がちゃんと養うから」

「あぁ。ありがとう。じゃあ今日は二人で過ごすのか?」

「いや、ちょっと行きたい所あるんだ」

「俺も付いていったほうが良いのか?」

「うんん。大丈夫。一人で行けるから」

「そうか。じゃあ今日も娘娘でも呼ぶかな」

「そうしなよ。いくらか置いていこうか?お昼代で」

「うん。頼むわ」

それだけの短い会話を済ませると曲は朝食を食べ終えて身支度を整えていた。

何処かその様子が気になって曲に声を掛けた。

「なぁ。今日って別の男の所に行くってことじゃないよな?」

「え?そんな理由無いでしょ。私は天と違うから。恋人がいるのに他の男性と関係を持とうなんて微塵も想像したこと無いよ」

「そうか…俺の思い過ごしか…」

「そうよ。天らしくないわね。何を心配しているの?私が何処かに行ってしまうって嫌な想像でもした?」

「まぁ…そんなところだ」

「大丈夫よ。私はいつまでも天の傍にいるから」

「………。わかった…」

曲の様子に最近少しだけ変化があるような気がして心配になってしまう。

何かを企んでいるのか。

それとも俺はあっさりと捨てられてしまうのか。

そんな嫌な想像がここ最近思考にこびり付いていた。

何故、そんなくだらない想像をしてしまうのか。

それは端的に言って自分の行動に少しだけ後ろめたさを覚えているからかもしれない。

だが俺はすぐに頭を振ると娘娘に連絡を取るのであった。



恋人である神門天が親友の娘娘と自宅で楽しんでいる頃。

私はネットで知り合ったある人物からの荷物を取りに行っていた。

駅のコインパーキングにそれは用意されており私は誰にもバレないように鞄にしまう。

それから車を走らせるとホームセンターに向かう。

そこで買ったものは充電式の簡易的なチェーンソーだった。

少々値が張ったが必要経費だと思い購入する。

後は気が向くままにドライブを楽しむと帰宅する。

娘娘はとっくに帰宅していたらしく恋人である神門天の寝顔は普段と同じ様に甘いマスクで頬が緩んでしまう。

子供のように無防備に寝ている彼の首元にそっと手を伸ばしていくのであった…。


「ん…?あぁ。おかえり。休日を楽しめたか?」

首に何か違和感を覚えて起き上がると恋人である曲が僕を見下ろしていた。

「うん。楽しめたよ。留守番ありがとうね」

「問題ない。俺も楽しんでいたし」

「そうね…。お疲れ様」

何処か噛み合ってない二人の会話にお互いが違和感を覚えるわけでもなく…。

二人はそのまま残りの休日を楽しんでいくのであった。


私は計画を実行しようか悩んでいる。

それが何かはまだ私しか知らない…。

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