第2話夢のハーレム計画

「曲の許可を得てハーレムを築いているところなんだ。娘娘も入るか?」

後日、再び家を訪れた娘娘に俺は尋ねるのだが…

彼女は首を傾げて不思議な表情を浮かべていた。

「ハーレムを作る必要あるのかな?天くんが遊びたい時だけ女性を家に連れ込めば良いんじゃないの?」

「まぁ…その通りなんだが。ハーレムって男が一度は想像する夢なんだよ。それを築けたら一段階上の男になれた気がするだろ?」

「曲のヒモなのに何言ってるのよ…一段階上もないでしょ?」

「いやいや。ヒモだって一段階上の存在だろ?だって働きもせずに生活できているんだから。苦労もせずに贅沢している。明らかに凡人よりは上だろ?」

「実現できたからそんな事言えるんだろうけど…殆どの人はそう上手くいかないものだよ」

「まぁな。俺は顔が良いから。金持ってる女は寄ってくる」

「曲にも養ってもらってるんだから…ハーレムは良いでしょ?」

「う〜ん。じゃあこうしよう。俺をどれだけ満足させたかによってハーレム内の順位をつけるっていうのはどうだ?」

「それに何の意味があるの?」

「順位が高い人間を優先的に相手するって特典だ」

「なるほどね…。満足って抽象的な言葉だけど?例えばどうすれば良いの?」

「ん?高価なものをプレゼントしてくれるとか。美味しいものを食べさせてくれたり。美しい景色の場所に連れて行ってくれたり。体験したこと無いことを体験させてくれたり。本当に様々だよ」

「独断と偏見で順位をつけるの?」

「もちろんだ。俺の気分次第だよ」

「本当にいい性格してるね…」

「褒めてくれて嬉しいよ」

「褒めてない」

行為が終わった後のピロートークで娘娘に夢を語っている最中だった。

話は変わっていき俺は新しい女性を紹介してもらおうと考えていた。

「そう言えば…」

俺が話題を変更させる前に娘娘の方から話を振ってくれる。

「天くんの話をしたら…彼氏じゃ満足できなくなった娘が紹介してほしいって言ってたよ。どうする?」

「もちろん娘娘の知り合いだから美しい人なんだよな?」

「それはもちろん」

「じゃあ紹介してくれ」

「わかったわ。今度ここに連れてくるから」

「了解」

そうして娘娘は着替えを済ませるとそのまま帰路に就くのであった。


後日。

曲と同棲中の家に訪れた女性を目にして俺は言葉に詰まってしまう。

その女性は今まさに売出し中の有名女優だったからだ。

「まさか海道白かいどうしろが来るとは思わなかったな…」

「神門天さんでいいんですよね?」

「あぁ。それで?相手してほしいんだろ?」

「良いの?私は安くないけど?」

「俺だって高いぞ?」

そこで二人はニヒルに笑うとそのまま引き寄せられるように身体を近づけていく。

流れるようにソファに抱き合って寝転ぶとそのまま行為は始まるのであった。


「最高だった。また来てもいいかな?」

「あぁ。もちろん。丁度ハーレムを築こうとしているところなんだ。興味があったなら是非」

「えぇ。考えておくわ。じゃあ」

海道白は着替えを済ませると変装を完璧にして部屋を出ていくのであった。


帰ってきた曲に新たな女性と関係を持ったことを伝えると彼女は何故か嬉しそうに微笑む。

「何で嬉しそうなんだ?」

「だって。自分の彼氏がモテるって嬉しいから。それに…」

そこで曲は言葉を区切ると首を左右に振る。

「なんだよ?気になるだろ」

「いや。本当に何でもないの。そんなことよりも…相手して?」

曲の意味深な言葉は一旦無視して、その甘い誘惑に誘われるのであった。

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