第2話 家族と友達と僕
僕、クロウは名前も知らない森に囲まれた小さな家での記憶しかない。物心ついた時からここにいた。
優しくてたまに厳しいマーサといつも冗談ばかり言ってちっとも強そうじゃないのに実はものすごく強いネルと3人で暮らしてる。
お父さんと、お母さんだと思ってるしそう言うと必ず2人は少し悲しい顔をして頭を撫でてくれる。
なんであんな顔をするのかわからないけど、2人は名前で呼ぶ様にといつも言う。
マーサとネルが本当のお母さんとお父さんじゃないなら、僕の親はどこにいるんだろう。
会いたいとも思わないし、今がとても幸せだから、いいんだけどね。
昔からマーサとネルの、冒険していた時のお話を聞くのが大好きだった。
ネルがドラゴンっていう怪物を倒した話。
マーサが疫病で滅びかけた国を救った話。
ネルは騎士団ってところで偉い隊長で、マーサは教会で偉い聖女様だったって教えてくれた。
2人が出会って旅に出たんだって。なんで旅に出たかは詳しくは教えてくれなかったけど。
それでも色んなお話を聞くと、僕もそんな、旅に、憧れを抱く様になった。
色んな人と友達になって、たくさんの冒険をして、マーサとネルと、皆んなで幸せに暮らすんだとそんな風に思ってる。
マーサにそういうとなぜか困った様な顔をして、でも笑顔で楽しみですねといってくれる。
ネルなんて、それなら強くならなくちゃと言って、剣の振り方や獲物の獲り方を教えてやろうと言ってマーサに怒られていた。
これが僕の1番大切な家族。
あーずっと一緒に、いられたら幸せだな。
そういえば、友達がたくさん欲しい!仲間がたくさん欲しい!旅に出たいなぁと思っていたら2人も友達ができたんだ。
1人は白い鳥の様な羽が生えた男の人!金色の髪にメガネをかけててキリッとした目。
名前は聞いたけど天使としか教えてくれなかったからテンちゃんと勝手に呼んでいる。何も言わないからきっとテンちゃんはテンちゃんを気に入ってると思う。
もう1人はトカゲみたいな尻尾が生えた女の人。腰まで届きそうな青い髪に、赤い瞳。
いつもニコニコしていて、肩車をしたりおんぶをしてくれる。
名前を聞いたら、私にもつけてと言ってきた。ちょうどネルからドラゴンの話を聞いたからそこから取ってドーちゃんに決めた。
なぜか2人はマーサとネルには見えない見たい。2人の友達を大好きなマーサとネルに、会わせたかったけど、見えないなら仕方ない。
いつか会えるよとドーちゃんがそう言いながら抱きしめてくれた。
本当に皆が大好き!
ずーっと一緒に幸せに暮らしたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます