【短編】陰陽の旅の途中にて

@marbas

第1話

_魔獣の牙と魔法の剣

__世界は、この二つで成り立っている

___しかし、ただ一つ、どちらにも属さない例外が存在した

_____『陰陽師』

______これは、例外として生きる少女の

_______【命を紡ぐ物語である】



荒野で戦う、三つつの影

「おい!そっちは大丈夫か!?」

「こっちもやられているッ!」

片方は魔法使い、

「グルルルルルルル...」

片方は狼の魔獣、

「このイヌ共が........こりゃあ撤退するしか....」

「だけど!俺らが撤退すれば町が!」

「クッ.....」

絶体絶命、背水の陣は

その時、【例外】は現れた

「大丈夫ですか!?」

「あ、あんたは.....?」

「そんな事より早く撤退してください!」

「でも、あんた一人じゃ....」

「大丈夫ですから!早く!!」

「お、おぅ...〈テレポート〉!!」


魔法使いの撤退を確認した彼女は、『願いを紡ぐ』

《廻レ廻レ、合図まで、囲エ囲エ、無苦の檻》

《青龍願琵、急急如律令!》

水の檻が魔獣を覆う。

「グルァ!グルァ!?」

吠える魔獣に、少女は近づく。

「お、おい!危ないぞ!」

遠巻きに見ていた魔法使いが叫ぶ。

少女は振り向かず、魔獣を撫でる。

「グル.......クゥ〜ン」

___________________

私は、森へ帰って行く魔獣を見送った。

ふと、我に帰った魔法使いが声をかけてくる。

「あ、あの...」

「彼は、食料に困っていたようです。

毎日明け方に、林檎を二つと鴨肉を一切れ、この場所に置けば彼らはもう襲って来ないでしょう」

「君は何者なんだ?新手の魔法使いか?」


「....陰陽師ですよ」


「....ッ!?陰陽師ってあの!?」

「恐らく、想像通りかと」

「では、私はこれで、旅の途中なので」

「あ、お礼は結構ですよ?」

魔法使いは、私を呆然と見送った。

___________________

『陰陽師』

この世の理を理解し、

四神の力を借りて、理を変える。


魔獣に味方する事も無く、

人を正義と信じる事も無く、

ただ、中立であり続ける。


この世界の、数少ない調停者である。


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この短編は、今後連載予定の小説のテスト短編です。

気が向くか、反応が良ければシリーズ化します


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