血痕 新しい夢 黒幕/没作シリーズ

海の上を歩いていた。

日が沈んでいるのか、昇っているのか分からぬ空が映った海を踏みしめた。

不明な影が足元で蠢いた。徐々に背びれが見えた。そのあと硬質な素肌が見えた。そのままくらい目が見えた。

そして、そのまま、ゆっくり、潜った。それをスーッと見送った。足を止めていたことを自覚してまた歩き始めた。

ずっと歩いていた。気づいた時からずっと歩いていた。其の頃から日が沈んでいるのか、昇っているのか分からぬ空だった。

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