第七話 その聖女、キャンプ飯を作る
「皆様、ご機嫌よう。今日はキャンプをしている事もあり、最近流行りのキャンプ飯を作っていきます」
『待ってた』
『またベールを鉢巻代わりw』
『異世界キャンプ飯wkwk』
『ラーナちゃんの手作り食べたい』
「それでは食材のご紹介です」
お、まだ料理配信は二回目だけど、かなり慣れてきたようだ。
「主菜となる食材はこちらです。先ほど森で捕獲したばかりのブラッディベアのお肉です」
『ブラッディベアwww』
『ベアって言ってるw』
『やっぱ熊じゃねえかwww』
『牛さん=熊』
『牛とは一体……』
『血生臭そう』
「まず、牛肉にお塩と森に生えていたブラックペッパーをたっぷりと振りかけます。よく揉み込むのがポイントですね」
『やっぱり牛肉なのかw』
『ベア=ビーフ』
『胡椒って生えるものなの?』
『胡椒は木の実』
『木が生えてたのを言い間違えたんじゃない?』
『さっき黒い実を採ってたところを見た気がする』
「フライパンにブラッディベアの牛脂を入れて溶かします」
『もう色々ややこしい』
『頭がついていかない』
『霜降りすごいから和牛だと思えばいいよw』
『凶悪な見た目からは想像つかないほどの綺麗な肉』
「フライパンから煙が上がってきたら塊のまま焼きます。全面にしっかりと焼き色を付けて下さいね。ガーリックがあればもっと美味しくできますよ」
すごい良い香りがしてヨダレが止まらないな。
もう食べてみたい。
「このように綺麗な焼き色が付いたら、一度取り出します。そして、このキャンプ飯に欠かせないハーブのローズマリーとタイムとセージをのせます」
『ローストビーフか』
『ロービー食べたい』
『キャンプでローストビーフは最高』
『私も今晩ローストビーフにしようかな』
ラーナさんはローストビーフを作っているのか。
何せあの霜降りの塊肉だ。
間違いなく美味いだろうな。
「蓋をして蒸し焼きにします。このサイズだと二十分ぐらいですね。お肉が焼き上がるまでに付け合わせを用意します。まずは湖で採れたジャガイモを鍋に入れて茹でていきます。あ、今回は聖水が無いので、湖の水を使用しています」
『湖産のじゃがいもw』
『もう何でもありなんだよw』
『異世界なんだから仕方ないw』
『常識をぶっ壊すんだ』
『肉にポテトは最高』
『ローストビーフならポテトフライかな?』
『じゃがバターじゃね?』
『私はマッシュポテトが好き』
「ジャガイモが茹であがるまで時間がありますので、次に森で採れたキノコを切っていきます。今回は高級品のマツタケですよ〜」
『やっぱ松茸では無い』
『グロいw』
『急に食欲失せたw』
『本当に食べれるのかな?』
『松茸の香りがする毒キノコ』
『トオル乙』
「松茸は包丁やウインドカッターで切るのではなく、このように手で裂くのがポイントです。繊維に沿ってゆっくりと裂くことで、香りも立ちますし、途中で折れる事もありませんよ」
『手で裂くというより、両腕を広げるw』
『デカすぎて体操してるみたいに見えるw』
『断面は確かに松茸w』
『裂くだけでちょっとした運動』
「お肉をフライパンから取り出したら、一度休ませます。すぐに切ってしまうと、肉汁が溢れ出てしまいますからね。続いて、茹で上がったジャガイモの皮を剥いたら、深めの容器に移して、お塩を入れてから潰します」
『木の枝で潰していくのは、キャンプならではだな』
『マッシュポテトかな?』
『バターも牛乳も無いから潰してるだけじゃないの?』
『ロービーの肉汁と塩でも美味いよ』
『ポテサラの可能性もある』
『牛乳入れ始めたぞ』
『いつのまに牛乳?』
「潰し終わったら、ブラッディベアの牛乳を入れて混ぜ合わせます」
『ブラッディベアの牛乳www』
『牛だったことを忘れてたw』
『生のミルクって大丈夫なの?』
『生のままはヤバいw』
『また火にかけ始めたよ』
『加熱すれば大丈夫』
「ナツメッグがあれば良かったのですが、今回はブラックペッパーを入れます」
『私の好きなマッシュポテト♪』
『マッシュポテトだな』
『マッシュポテト』
『マッシュポテト』
『マッシュポテト』
「付け合わせのマッシュポテトが完成しましたので、火から外しておきます。ここでいよいよ主菜のローストビーフを切っていきます」
『今回は普通のローストビーフだった』
『ある意味で期待してたから残念ではある』
『普通に料理上手』
『超美味しそう』
「ほら、美味しそうに焼き上がってますよ〜。ここで一度味見をしてみますね」
『また普通に食い始めたw』
『味見という名の実食がまた始まったw』
『半分無くなったwww』
『味見とは一体』
「あ、また美味しすぎて食べ過ぎてしまいましたね。悪い癖は治らないものです。では今回のキャンプ飯の最大のポイントがここですね。深めの容器に松茸以外を入れて、思い切り粉砕して粉微塵にしてから、こねくり回して下さい。素手では大変なので、今回は粉砕魔法ミキシングを使います。すると、この様なピザ生地ができます」
『またかよwww』
『またピザ生地w』
『マッシュポテトは繋ぎだったのかw』
『ローストビーフではなかった……』
『お好み焼きの可能性w』
「このピザ生地を丸く伸ばしてから、上にマツタケとチーズを乗せて、今回はファイアボールで焼き上げます」
『ファイアボールきたぁw』
『松茸ピザwww』
『最終的にピザw』
『これはこれで美味しそう』
「焼き上がったら、ソースとマヨネーズ、そして青のり
をかけて、最近流行りのマツタケ入りのローストビーフの完成です」
『ローストビーフじゃねえよwww』
『またお好み焼きwww』
『また、おこwww』
『最終的におこw』
『『『wwwwww』』』
「ぜひ皆様も作ってみて下さいね」
◇
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