第16話 神巫まなかと獅子晴人の運命 6章
あれから数日が経ち季節はすっかり冬になっていた。それから俺たちは何回か話し合いをして、12月24日に出かけることになった。
「もうすっかり寒くなってきたね」
「そうだね。まなか風邪ひかないようにね」
「私より晴人の方が風邪ひきやすい状況なんだから晴人の方こそ当日体調崩した、とかやめてよ」
「大丈夫だよ。ちゃんと風邪ひかないように予防はしてるから」
「もうちょっとで私外に出れるんだね。なんか本当に信じられない。ずっと病院から外を眺めていつか外に出てお出かけしたいってずっと考えていたから。私の命が助からないからお医者さんが許してくれたってことだけど、それでも外出を許可してくれたって言うことでも私にとっては救いだなって思ったな」
まなかは少し悲しそうな顔をしつつも笑顔で話した。
「うん。俺もできるならまなかが完全に完治して欲しいと願ってる。でも今はまなかと外に出て出かけれるだけでも夢みたいだと思うよ」
「そんな大袈裟な」
まなかは笑いながらいった。
「大袈裟じゃないよ。本当に俺もずっと考えてたから。まなかと外に出て一緒に服見たり美味しいもの食べたりとかずっと考えてた。だからたくさん思い出つくろうな」
「うん!いっぱい思い出つくろう!」
その日はもう暗くなってきていたのでもう少しだけ話して帰った。
「・・・やっぱり死にたくないな。もっと晴人とたくさんお話ししたいな。」
「まなかの病気の原因がわかればいいんだけどね」
「あ、お母さん」
「ごめんねちょうど入ってきた時に聞こえちゃって」
「うんん。いいの。本当のことだから。ねえお母さん」
「なに?」
「私の病気、原因わからないのかな」
「そうね、そこはお医者さんに任せるしかないわね。外出の許可は出してもらえたけれどまなかの病気の原因を今も探してくれているから原因が分かればいいんだけど」
「私ね思ったの。私が死んでも私がなった病気の解析をして治療方法が分かれば他に私と同じような病気になった子がいても助かる可能性がある。だから私は私がかかった病気の原因を知りたいんだよね。他の方に同じような死に方はしてほしくなくて」
「まなか・・・」
「お母さん、私あとどのくらい生きれるかわからないけど残りの人生楽しんで生きるよ!せっかくお医者さんが外出ることを許してくれたんだから!」
「うん!お母さんも全力でサポートするからしたいことがあったらなんでも言ってね」
「ありがとう!お母さん!」
それから数日経ち出かける日の前日になった。
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