第11話 神巫まなかと獅子晴人の運命 1章

 神巫まなかが医師から余命宣告を受けてしばらく時が経ち、まなかは17歳の誕生日を迎えた。


 「まなか誕生日おめでとう」

 「ありがとう!晴人、お母さん」

 まなかは嬉しそうに誕生日ケーキを食べた。まなかは嬉しそうだったが、俺とまなかのお母さんは少し複雑な気持ちだった。きっと俺たちよりもまなかのほうが余程気が気じゃないだろうに。俺はいつまなかに想いを伝えようか迷っていた。でもできればまなかが誕生日の日、つまり今日言いたいと思っていた。だからまなかのお母さんにはこの後少し席を空けてくれないかと頼んでいた。


 「まなか、お母さん飲み物買いに行ってくるね。少し晴人君と待っててね」

 「うん。わかった、行ってらっしゃい」

 そしてまなかのお母さんはまなかの病室を出た。


 「まなか今日は体痛いとかうまく動かないとかないか?」

 「うん。特に前と変わった様子はないよ。でもこれは多分異常だからなんだよね。きっと昔の私ならここが痛いとか言っていたんだろうなってたまに思ったりする。正直ちょっとだけ怖いよ」

 まなかの表情が話が進むたびに暗い顔になっていくのを感じた。いや暗い顔をしていた。恐怖心がある顔をしていた。


 「まなか少し話したいことがあるんだがいいか」

 「どうしたの?急に改まって」

 「まなか正直に言って欲しいんだが俺のことどう思ってる」

 まなかはキョトンとした顔をしていた。当然だ。急にこんなことを聞かれたら俺でも困惑する。

 「うーん、運動ができて勉強もできる、それでいて面倒見もいい完璧な人かな。晴人と付き合って後悔する人は絶対にいないと思う。だから晴人と付き合える人は羨ましいなってちょっと思うな」

 まなかは最後の方少しクスッとした顔をしながら話した。そして俺はついに


 「まなか、俺はまなかが好きだ」

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