ふやけたピース

決意

世界でひとつだけのパズル

完成図のない不思議なパズル

完成からは程遠くても、これまで少しずつ組み上げてきた

でも途中で、納得いかずに組み込んだピースを外したりもした

ある時それを、自らの粗放で水へと落っことした

狼狽えながら拾い上げるも、形は崩れ、描かれた柄は滲んでいる

元から一生を捧げても、完成することはないと投げやりだった

それでも、明確な喪失感が襲う

もうパズルは諦めようかとも思ったけれど

どこかで、それを否定せんと音がする

水音か、じゃらじゃらとピース達の奏でる応援歌か

どちらも恐らく違うのだろう

ただ、その直感を信ずるのみ

湿気を帯びたピースをどうしようか

そのまま使うのも味はある

でも他にもすべはある

代わりとして似た何かを探すか

あるいは

自分自身でつくるまで