第5話
私もそれに
スマホを手に取り今彼へとコールする。
「はい、
「
「
「大事な用事なんだけど、時間作ってくれるかな?」
「電話ではダメな感じ?」
「電話で良いなら電話で伝えるけど?」
彼、
最近、華とは殆ど会えていない。
同じ大学で同じサークルの
華の事が嫌いになった訳ではない今も華にぞっこんであるのは間違いない。
ぞんっこんなのに浮気をするのか?それが男と言う不思議な生き物なのである。
二股が悪いことだとは知っている。
今は華と顔を合わせたくないが、大事な話と言うのが引っかかる。
「話聞いてる?」
「あ・・・すまん、え~と時間作るからそこで話そう」
「了解、で、いつ会えるのかな?」
結局は三日後に会うことが決まった。
電話を切った後、私は達成感に
まだ重要なことは話してないのだが、話すと決め連絡してアポを取っただけではあるが、最近のモヤモヤが一気に吹き飛び、達成感が半端無い。
達成感を感じるのは普通別れてからではないのかと思うかもしれないが、物事を決めて行動に移したことが私の中では大きいのである。
決めてしまえば後は動くだけだし、結果は変わらず別れるのみである。
流石に電話で別れを伝えるのは失礼かな~と思い時間を作ってもらった訳だ。
未練がましく二股を許して我慢するのは私の性格に合わない。
タイムリープ前も別れる予定としていたことを今更ながらに思いだした。
あの世界ではあの女狐が私を刺したのだし確実に殺人罪だよね?もう戻ることも無い世界ではあるが、あの世界は大変なこととなっているだろうな~と他人事のように考えてしまう。
あ~今理解した、私の中ではタイムリープする段階で既に
何をそんなに拘っていたかと言えば再三考えたが私の油断が私自身で許せなかったのだ。
人間には必ず誰しも
私は武に
三日後、彼、
考えてみると時間前に何時も私が来て、時間より少し遅れて彼が来ることが常態化していたことに今更ながらに気が付いた。
タイムリープ前もそうだったけど、あの時はそれも醍醐味として楽しんでいた自分は色ボケしていたんだな~と変な笑いが込み上げてくる。
そうこうしていると、彼がやって来た。
何時もの如く時間より数分遅れである。
「待たせたな」
これも何時ものセリフである。
「待ったわ」と言っても仕方がないが、言ってみたくなる衝動にかられたが最後だし我慢することとした。
「早く座ったら?」
「そう・・・だな・・・」
何時もの華と雰囲気が違う気がする、気のせいか?
何時もよりも余裕があるというかなんというか、どっしりと構えた感じがするのは気のせいだろうか?
「早速だけど用件を伝えていいかしら?」
「なんだ、そんなに急ぐ用件なのか?」
「う~ん、如何かな?急ぎと言えば急ぎ、そうじゃないと言えばそうじゃない?」
「どっちなんだよ」
やはり彼女からは余裕と言うかなんというか、本当にいつもと違う雰囲気を感じる。
何時もは少し待たせていても怒るでは無しそれを楽しんでいる風であったのに、何時頃からか少し嫌がっている感じがしていたが、今日はそういった感じでもない。
「まぁ私が話すのは1点のみだしね」
「まぁいいや、じゃあお聞きしましょう」
「私達別れましょう」
「え?・・・」
俺は呆然となりそこに何時間いるのだろうか?
華は「じゃあそういう事で」と言って自分の飲んだコーヒーの伝票を持って会計を済ませ店を後にしていった。
俺は現実をまだ受け入れられないでいる。
華に対して何も言えなかった。
「別れない」と言う意思表示もしていないし別れる気も無いのであるが、頭の中で整理できていない。
浮気がバレた?・・・いやいや多分バレていないはずだ。
バレているのなら華の行動としては浮気相手も呼び出して俺を詰めるはずだ。
浮気相手を呼び出していないと言う事がバレていない証拠だろう。
では、何故別れを持ち出した?
考えても考えても何故だろうとしか思わない。
意外とあっさりと別れられたことにホッとしている。
タイムリープ前に浮気相手共々呼び出して詰めたは良いが、「別れたくない」と騒ぎ出した
考えてみると結婚しているのとしていないのでは別れるハードルが違うのかもしれない。
男だと出世とかにも響くらしいしね~
それにあの女狐を呼び出さなかったのも以前の私ならあり得ない行動ではあるが、翌々考えてみると、既婚者に手を出すのと恋人に手を出すのとでは訳が違うと言う事に
何方も許されることではないのかもしれないが、法的拘束力も無いのに呼び出すとか何様だという話だ。
ここら辺が20半ばまでの経験値的な部分なのかもしれない。
その後に結果報告として香子姉に電話報告すると、「そんなの当り前よ、別れて正解」とのお言葉を頂いた。
「じゃあ華はフリーなんだね、成る程、成る程」と意味深なセリフを言っていたが、なんだったのであろう。
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