第2話
「
「ああ、まだデビュー前だけどね~」
「華ちゃんなら余裕でしょ、余裕」
「まぁやるだけやるつもりだよ」
ランチを楽しみつつ話すのは柔道でオリンピック金メダルを取った
同じ柔道の道場に通っていたお友達なのだが、オリンピック出ると言ってたかと思ったら金取っちゃった柔道エリートで、現役最強女子と言われている。
昔は余裕で転がしていたけど、流石に最近は五分五分位?本当に強くなったものである。
「華ちゃんがやるだけやるとか・・・本気だと誰も勝てないんじゃない?」
「香子姉は何言ってるのよ、上には上がいるよ多分」
彼女は疑わしそうな目で私を見てくる。
総合格闘技を始めてまだ1カ月と少しの私が
なんせうちのジムは業界最弱だからね~指導員に勝ててるのはあくまでも底辺の底辺だからだよね~
一応はデビュー戦が決まっていて、もう1カ月を切っていることを香子姉に伝えると呆れられた。
「減量は良いの?」
「何それ?減量とか必要なの?」
今日はオーダーバイキングで欲しい物を欲しいままに食べてますよ。
香子姉も普通にバクバク食べてるし私も遠慮なく堪能しているのだが・・・
調べてみると、総合の女子の階級は5階級、私の出場する階級はウェルター級で体重のリミットが64-69kgなのだが、昨日時点での私の体重は54kgである。
軽い分には問題無いとのことなので余裕なのだ。
香子姉に話したら呆れられた。
体重が違うとハンデにしかならないので厳しい体重規制が設けられているのが格闘技なのである。
自分を有利にするためにはリミット一杯の体重で出るか、ベストウエイトの階級でするかのどちらかと言われたが、そういうものなのだろう、よく知らんが・・・
「どうしてウェルター級でエントリーしたの?」
「指導員の階級がそこだから何時も練習しているサイズだとやり易いかな~と思って・・・」
また更に呆れられた。
ただし、
時は経ち、
「赤コーナー、
アナウンスが盛大に名字を間違えたが、今すぐ訂正は難しいのでそのままリングで手を上げてリング中央へ移動する。
対戦相手の・・・自分の名前間違われて完全に名前忘れたよ・・・
対戦相手はやる気満々でニヤリと笑いながら喋りかけて来た。
「えらい強そうな名前だな、名前倒れになるんとちゃうか?」
「あ~すみません、あれ」
「私語は慎むように」
レフェリーに怒られた上、相手に名前の訂正も出来ませんでしたよ、ショボーンですよ。
そうこうしている内に「カァン」と開始のゴングが鳴る。
対戦相手は体格も自分が上回っているので華を完全に舐めて一気に間合い詰め、ストレートのパンチを繰り出して来た。
華はパンチを交わしつつ相手の懐に飛び込みカウンターパンチを放つ。
華のパンチは綺麗にクリーンヒットし相手は白目を剥いて倒れた。
「勝者、
また間違われたが、今日は諦めることとした。
勝ち名乗りの後は退場だったのだが、あまりの試合の終了の速さと内容のインパクトが強く会場は静寂に包まれた。
「よくやったぞ!!」
会長は大喜びで背中をバンバンと叩く。
試合では怪我をしていないが、会長の
試合後、数日して柔道場へ行くと香子姉が私と試合したいと言って待ち構えていた。
何でも世界大会がどうたらこうたら言っていたが、用は試合前に調整がしたいらしい。
「私なんかと試合して調整になるの?」と聞いたら「華だから調整以上の効果があるのよ」と返された。
試合後にデビュー戦の報告をした。
「デビュー戦勝ったよ」
「知ってるよ~」
「へ~そうなんだ」
「格闘技界隈では少し噂になってるよ」
「どんな?」
「天才現るて」
「はぁ?」
華は驚いているが、香子はその本当の実力を知る少数の人間なので、天才と言う評価すら過小評価だと考えている。
「連勝して行けば周りが五月蠅くなるよ~」
「経験者は語るってやつ?」
「そそ、経験者語るの!!」
香子姉は柔道の国際大会で優勝したとのこと。
「帰ったてきたら連絡するからまたバイキング行こうね~」とメッセージが届いていたので「連絡を待つ」と返しておいた。
今日は久しぶりに彼氏と会う。
彼氏の名は
理由は、私が武道で忙しい、彼が大学のサークルや飲み会で忙しいである。
確かそろそろあの女狐と知り合う筈なんだよね~
「待ったか?」
「いいえ、さっき来たところだよ」
「そうか・・・今日はどこに行く?」
久しぶりにデートなんだけど彼は最近何時もノープランなんだよね~
付き合いが長くなるとこんなものなのかな?
昔は色々プラン立てて連れ回されていた感じで楽しかったが、翌々考えるとこの頃から彼の行動が怪しかった気がする。
タイムリープして来た私にとって彼と付き合う価値を真剣に考えたんだけど・・・まだ答えが出ない。
メリットとデメリット考えて必ず行きつくのが、別れた場合にあの女狐にリベンジ出来なくなる事が頭に
当初の目標の1つは刺される瞬間に返り討ちにすることだ。
そこまで重要かを考えてみると重要とも思えないのだけど、じゃあ辞めるかと考えるとそこで待ったを掛けるもう1人の私がいる。
惰性と言えば惰性だが未だ彼と別れずにいる。
「映画でも見に行こうか」
こういう時は何も考えないで映画を見るに限る。
彼と話す必要もないし、映画に没頭していれば時間も過ぎる。
俺は最近サークルで知り合ったある女性と仲が良い。
彼女は俺に華と言う恋人がいることを知っている。
俺は華にぞっこんであるが、武道にのめり込む華に不満を持っている。
俺よりも武道優先。
最近は総合格闘技も始めた様で、格闘技のプロになったと聞いた。
華はあの
会う機会もお互いの都合が合わず中々会えないことが更に不満を増大させている。
当て付けの様にデートはプランも立てないで行き当たりばったりである。
今日は映画を見ることに決まったが、映画を見終わった後は俺がサークルの飲み会に行くので華とは映画終了と共にお別れである。
今回は俺の都合ではあるが、不満で不満で仕方がない。
映画良かったです!!
いや~映画はカンフー物に限るね~と私の好みの映画を堪能した。
その内、中国拳法も学びたいと思っている。
彼とは映画館で別れた。
サークルの飲み会らしいが、デートの日にそっち優先するとか考えてみると
タイムリープ前は気にもならなかった私ではあるが、流石に20代半ばまで生きた経験から彼の行動が恋人を
タイムリープ前のこの頃の私って
これで別れなかった私と
こんなこと考えていると気が滅入るだけなのでジムか道場で汗を流すことにしよう。
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